「俺からは初めてだけど」
馴染みのない感触が頬に触れる。
後頭部にあった 佐伯(さえき)の手が離れると、ぼやけた視界がクリアになった。
「な なに……」
頬にキスされたとわかった途端、体の内側が爆発しそうになった。
「忘れ物は、それ。 あんたがあまりにも 他人行儀(たにんぎょうぎ)で、素っ気ないから」
佐伯は窓枠に肘をつき、意地悪な目で私を見る。
な……なにそれ……!
思わず頬を押さえたけど、そんなことで熱が消えるわけもなく、さらに顔が熱くなった。
「も、もうやめてよ……! だれにでもこんなことして―――」
「自分からキスしたのは、あんたが初めてだけど」
夜の気配と薄い影。
少し先の街灯の光が、佐伯の顔を半分だけ照らしている。
向けられる眼差しに鼓動が速くなって、耐えられなくなった私は、急いで踵を返した。
玄関のドアを閉め、しばらくじっとしていると、エン*********
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