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日が昇り始める。
唯一いつから起きているかわからない彼も、ベッドの上から動けないでいた。
少年(心):『なんだろ、これ。あつい、さむい。』
誰ひとり来る様子もなく、少年は一点を見つめ続ける。心のなかで何かを思っているけれど、考えられる力が残っていなかった。
…ま?……さま。
主様!
ハッと我に返る。
声の主は誰だろうか。
誰かわからず周りを見渡す。そこには赤と黒のツートンカラーの人が居た。
僕にとって。まだ少し心を許している人。まだ僕が頼れる人が。
ルカス:「主様、大丈夫ですか?かなり顔が赤い…少し首失礼するよ。」
少年:「つめたい…きもち…」
ぴとり。と付く冷たい手につい欲が出てしまう。
冷静に判断する彼は焦っているようにも彼の目からは見えた。しかし、何を思っているのかはよくわからない。
ルカス:「かなり熱いね…主様、よく頑張りましたね。もう大丈夫です。私が居ますから。」
最後の言葉に安心したのか彼はにこやかに微笑んで涙を流し目を瞑ってしまった。
彼の傍に居た執事は、安心したような、まだ心配の様子で彼を見つめ続け、数分もすれば体調の対応へと準備を行っていった。
〈〈Lucas side〉〉
主様が軽い熱を出された。
ここに来たことでの知恵熱程度の軽さだと思った。だけど一生懸命看病したい。最近のことに少し疲れ、机に伏せていただけなのにいつの間にか寝てしまっていたようだ。
ふと主様が寝ている場所へと目を向けると、とても静かで、本当に人がいるのかと思ってしまうくらいだ。…いや。大丈夫ですよね?
少し焦ってしまった。
先程までは規則正しい寝息が聞こえていたが、今は少し違う。人がいないかのように静かだ。
まるで死んでいるかのように。
焦りつつ音を立てないように開けたカーテンの先には上のどこか一点を見つめ続けている主様がいた。
目を開きかけていて、眠そうでもあった。
…あれ。少し顔が赤い…?
暗くあまり見えにくい周りをなんとか目を凝らして見てみる。
少し彼の頬の色が違う気がする。
考えていたら咄嗟に嫌な予感がして主様に声をお掛けする。
「主様?…主様。」
どうしよう。全く反応しない。
迷ったその時、手が少し動いたことに気付いて主様が気づくであろう声の大きさで声を掛ける。
「主様!」
我に返ったのか、目の焦点が合った。
「主様、大丈夫ですか?かなり顔が赤い…少し首失礼するよ。」
冷静に判断するも時折焦り、判断に迷ってしまう。でも主様に見せて心配させないように。一つ一つの行動を慎重に行う。
先程洗った自分の手が冷たく気持ちよかったのか、彼は頬に擦り付けている。少し愛おしく見つめたら彼の顔の傍に寄り語りかける。
「主様、よく頑張りましたね。もう大丈夫です。私が居ますから。」
彼は安心したのかにこりと微笑み目を閉じてしまった。本当に静かで、死んでしまったのではないかと思ってしまうほどに。
「主様…少しは甘えてください…そうしないと…私“達”の心臓が保ちません」
軽く頬を付いても反応はしなかった。
さぁ。早く看病の準備をしなければ。薬の調薬と飲む前に食べれたら食事をとってもらわなければ…もし喉を通らないのであれば…あれも必要か。
「もうお別れなんてさせませんからね。」
【続く。】
おまたせしました。
また頑張りますのでお待ち下さいっ!!