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奏斗side
一目惚れ。
その言葉が丁度いい。
一目惚れなんて、女にするもの。
そう思ってた。
だけどいつからか僕は、女じゃなくて
男が好きなんだと気づいた。
と言っても好きなやつがいた訳でもない。
ただそう思っただけ。
周りに変なやつだと思われないように、
合わせて女と一緒にもいた。
香水が強くてケバい女なんて興味ねぇ。
【風楽くん♥】なんて下心丸出しで
近づいてくる女。
そーゆうやつがいちばん嫌いなんだよ。
高校は特に何も決めずにここに決めて、
適当に過ごしてた。
入学して10ヶ月が経った頃。
授業をサボろうと屋上に行くと、先客。
風「はは、寝てる」
つり眉、紫色の髪。
渡「んっ⋯」
寒かったのか掛けていたブレザーを
器用に寝ながら直していく。
風「かわいい⋯」
起こさないようにそっと隣に座った。
すーす一っと寝息を立てて寝るその姿に
何故か心を奪われて。
この人の恋人になりたい。だなんて思った。
結局僕がサボろうと思ってた時間内に
起きずに まぁいいかと思って
その場を離れた。
それから僕の頭の中はそいつのこと
ばっかになった。
名前も知らねぇし、学年だって知らねぇ。
知りたくて、知りたくて、
何度も屋上に行ったけど行き違いになるのか
全く会えなかった。
もう無理かもな⋯なんて諦めかけていた4月。
奇跡が起きる。
いつも通りに学校に行って、
騒ぐ女子たちを 横目に教室に入る。
席を確認して、そこに向かえば
会いたかったやつが そこに寝ていた。
風「いつも寝てんね」
なんて声をかけても起きる気配はない。
あ、てか名前。
確認確認と、座席表を確認すると
[渡会雲雀]と 書いてあった。
風「わたらい⋯ひばり⋯⋯」
恋とかそんなの関係なしに、仲良くなりてぇ
そう素直に思った。
僕の恋なんて叶うはずないんだから。
せめても、友達、いや、
親友として隣に居れねぇかな。
よし、風楽奏斗。頑張りますか。
まずは、話すことが大事だよな。
僕のこと知ってもらわないと。
って思ったのにまじで起きねえの。
結局話すことなく、新入生歓迎会のために
体育館に向かわされて。
めんどくせぇ⋯。
そう思ってふと階段を見れば、
上に昇っていく姿が見えた。
今だ!行け!風楽!と体が
言っているかのように
自然と体が階段へと向かっていた。
そのまま後をついて行ってたどり着いたのは、
出会った場所。
屋上。
出会ったと言っても、
僕の一方的な出会いだけど。
ガチャと扉を開けて、当たりを見渡せば
少し離れたところに空を見上げて座っていた。
ゆっくりと近づく。
この距離で気づかないとか凄くない?
あと数メートル。
渡「はぁ⋯だる」
突然と話し始めるから驚いて、
え?気づかれた?と思ったけど
どうやら独り言のようで。
ホッとする。
⋯いやいや、ホッとしてちゃダメだろ風楽。
風「それなぁ」
僕にはこれが精一杯だった。
僕が突然反応したもんだから
目が飛び出るんじゃねぇかってくらい
驚いてた。
かわいい⋯。
營戒心丸出しだったから、
自己紹介をして少しづつ警戒心を
無くしていく。
名前を聞いた時「知ってる」って
答えた時なんで?
って顔したから理由を話せば
渡「声⋯漏れてた?」
なんて聞いてきて、違う、
顔がそう言ってたと 言えばフリーズ。
風「かわいいね」
僕は自然とクシャッと頭を撫でていた。
あれ、なんでこんな自然としてんだ僕。
だけど反応を見れば、嫌がる様子はなくて
少し期待してしまう。
少し話したあと、サボった理由を聞かれて
「話したかったから」なんていう
在り来りなことを言ってみた。
けど教室で話せばよくね?
なんて言われてしまって。
そうしたかったよ。だけど、寝てんじゃん?
だからさ。
あとは⋯あとは⋯。
風「あ!2人きりで話してみたかった!
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎だから、教室じゃ意味ないじゃん?」
なんで少し意識させるようなことも
言ってみた。
まあ、意識されずそのままスルーされたけど。
その後2人で教室に戻れば、
全てが終わったあとで担任がドンと
待ち構えていた。
まぁ、僕、慣れてるし?サボり常習犯だし?
⋯ こう下向いて⋯ って反省してる風を装う。
早く終わりてぇ。
先『おい!渡会!』
突然担任が大きな声を出す。
渡「んぇ?」
その声に、どこかに意識が行っていたのか
ふわっと返事をした。
はあ⋯可愛い。
思わずニヤけそうになったけど
それを必死に止めて何とか
説教タイムが終わった。
渡「⋯ごめん」
説教タイムが終わって、
すぐに何故か謝られる。
なんで?
風「なんでよ」
そう聞き返せば
渡「俺がサボらなければ、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎お前が屋上に来ることもなかっただろ」
とボソッと言われて。
まあ、確かにそうなんだけど。
そうなんだけど、違うんだよなあ。
僕は屋上に行ってくれてラッキーって
思ってたし。
それに僕
風『意外と僕怒られ慣れてるよ?』
渡会くんと同じでサボり魔だからね。
下向いてたじゃんなんて言われたから
あーしとけば反省してるって思われるからね。
と得意げにいえば、
心配して損したわ⋯ みたいな顔をされた。
はは、と笑って自分の席に戻って
カバンを持ってついでに渡会くんのも
取って渡し
風『ほい。一緒に帰ろーぜ』
そう声をかけた。
教室を出て、玄関まで特に話すこともなく
歩いていれば嫌でも聞こえてくる声。
【風楽くんっ!】
【かなと!】
いや、誰?
馴れ馴れしくあだ名で呼んでくんなよ。
軽くスルーして玄関に着けば、またボソッと
渡「⋯お前、モテんだな」
そう言ってきた。
風『モテねーよ、あんなのただ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎僕の機嫌取りだよ』
風『なぁに、渡会くん、嫉妬?』
渡「んなわけねぇだろ」
風『はは、ごめんごめん』
嫉妬?なんてする訳ないのに。
今日初めて見た奴に嫉妬する方が可笑しい。
それから校舎を出て、
特に話すことも無く駅まで歩いていく。
駅について「俺こっちだから」と、
僕と反対を指さした。
なんだ。一緒が良かったな。
渡「じゃ」
風「明日ね、渡会くん」
僕より先に別れの挨拶を言ったくせに
そこから動かないから先に僕が背を向けた。
急に1人になって、寂しくなる。
特に話すわけでも無いけど、
あの空気が好きだった。
心地よかった。
あぁ、僕、好きになった人
間違ってなかったわ。
そう思えた1日だった。
それから僕は、渡会くんにくっつくように
常に一緒にいた。
すぐに寝ようとするのを一生懸命阻止して、
会話をする。
すっげぇくだらねぇこと。
そんなことを続けて、早1ヶ月。
風「なぁ、ひば~」
僕は『ひば』と呼ぶようになった。
雲雀の「ひば』ね。
なんから渡会くんってよそよそしいし、
なんか僕には性に合わなくて。
初めて『ひば」って呼んだ時、
驚いた顔をして
「そんなあだ名で呼ぶのお前だけだよ」
なんて 笑ってくれて。
僕だけ⋯。
なんか嬉しくて「まじ〜?嬉し~!」
なんて はしゃいで。
逆に、ひばは僕の事を『かなと』と
呼ぶようになった。
距離が少し近くなった気がした。
あの日、屋上で寝ていてくれてありがとう。
そうじゃなきゃ僕、こんな楽しくなかったよ。
風「今日の放課後、ゲーセン行かね?」
渡「いいけど」
風「じゃ!今日はなに取ろうかな~」
ここ最近、ほぼ毎日ひばを誘って
どこかに行ってる。
昨日はカラオケ、その前はタピオカ。
そして今日はゲーセン。
2人で行くのは初めてだなぁ。
なんかテンション上がっちゃう。
ひばは最近、よく笑うようになった。
自惚れかもだけど、
なんか僕といる時が1番笑ってる。
くだらないことしてこんなに笑ってくれんの
ひばくらいだよ。
渡「ホッホホッ↑」
初めて僕の前で爆笑した時の笑い方。
なんかすげえ独特で、なんか面白くて。
『独特な笑い方すんね』と笑っていえば
頭の上にハテナが見えそうなくらい
混乱した顔をしていて。
ああ、やっぱり可愛い。
なんてまた思って。
授業が終わって、
ゲーセンへとひばを連れてく。
風「今日はなに取ろうかな〜」
あ、この前新作のぬいぐるみ出たって
なんか聞いたなあ。
それ取ろうかな~。
なんて僕の頭は、犬のキャラクター達で
いっぱい。
ゲーセンについてそのぬいぐるみの機械探し。
少しフラフラして見つけた僕はひばを呼んだ。
風「ひば!早く!」
渡「ん」
あ。置いてったくせに。て顔してる。
わかりやすいなあ。
風「僕、これ5回で取る」
少しでも気を引きたくて、そんな宜言をした。
クレーンゲームは昔から得意だったし
行けるっしょ位の軽い気持ちで。
そしたら本当に5回でそのぬいぐるみを
GETできて。
渡「すげぇ」
隣で見てたひばがキラキラと
目を輝かせて僕を見ていた。
この顔、ずっと見ててえなあ。
そう思って僕は次から次へとGETしていく。
その度に、毎回「すげぇ!」「うわっ!」とか
いろんな反応をしてくれる。
何個も取っていくうちに気づいた。
ひばが何も言わずに、
自然とその景品たちを
持ってくれていることに。
なんかそれが嬉しくて、
つい帰りの駅まで持ってもらってしまった。
駅について、何個か僕が持って帰るのを
厳選して残りはひばに渡す。
少しでも家で僕の事思い出して欲しくて。
風「ひばそれあげる!」
正直、「要らねぇ」って返されると思ってた。
なのにひばはそれを素直に受け取った。
珍しく素直で、可愛くて。
はぁ⋯ もう僕のものにしたい。
そんな気持ちをグッと抑えて
僕はまた「かぁいいね」そう言って
クシャッと撫でた。