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雲雀side
渡「あっちぃ⋯」
風「ん、アイス」
渡「うわ!さすがだわ」
夏になった。
あと1週間も経てば夏休みらしい。
今日、俺はサボる。
というか、ここ最近サボってなかった
俺を誰か選めて欲しい。
俺がサボろうとすれば、KNTに止められる。
進級できねえぞ?って。
まぁたしかになぁ。なんて思いながら
ココ最近はサボることは無かった。
だから久しぶりのサボり。
止められるの思ったのにあっさりと
了承されて驚いた。
ただ今こいつは俺の隣にいる。
しかもアイスを持って。
どこで買ってきたんだよ。
なんてことは聞かない。
聞いちゃダメな気がする。なんとなく。
KNTから渡されたのはバニラのアイス。
そんでKNTはチョコアイス。
こんなあちぃのに甘ったるいの選ぶ辺り、
KNTらしい。
アイスの封を開けて、1日アイスを口に含む。
甘さが口に広がって、
一気に口の中が涼しくなる。
風「ちょっとちょーだいっ」
渡「ちょ、おい!まだ返事してねぇって」
風「いいじゃーん。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ほら僕のもあげるからさっ」
渡「ん。⋯うわっ!うま!」
風「はは!やっぱり、ひばっていいわ。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎面白い」
アイスを半分食べた頃、
KNTに1口アイスを奪われた。
そしてお返しにチョコアイスを買った。
チョコアイスなんて、
もう暫くは食べてなかったから
いつも以上に美味しく感じた。
溶ける前に食べ終わって、2人で寝転がる。
KNTとこうして毎日いるようになって
初めてだ。
ここに寝転がるのは。
ここで話してから、3ヶ月。
友達を作らなかった俺に友達が出来た。
⋯いや、親友レベル。
風楽奏斗⋯⋯KNT。
なんかふわふわってしてるくせに、
突然男らしくなったり。
とにかく忙しくて。
なのに、女には興味が無いのか
近寄ってくる女を軽くあしらってる。
突然、変な発言をしてみたり
変な行動をしてみたり。
気づけば、KNTといる時の俺は
素の自分だった。
一緒にいて心地良い。
ずっと一緒に居たいやつ。
それと同時に、
なぜかアイツに惹かれてる俺がいて。
遊びに行った時とか、学校帰りとか、
当然あの駅で別れる。
その時に毎回思うんだ。
離れたくねぇまだ一緒に居てぇって。
そんな話を幼なじみのセラおに話せば
『それ、好きってことじゃないの?』と
言われ 『俺も、セラおと付き合う前
そんな感情なった!』と
何故か隣にいるセラおの
彼女のアキラに言われた。
⋯恋?ってやつ?これが?
てか、男なんだから
女を好きになるんじゃねぇの?
男同士の恋愛に偏見を持ってるわけじゃない。
こうして目の前で男同士で
いちゃつかれるんだから。
ただ、俺自身が恋愛対象は
女だと思ってたから。
セ『雲雀。取られちゃうよ?
相手、どんな人か知らないけど』
セラおもアキラも、俺とは高校が違うから
KNTのこと知らない。
取られちゃうよ⋯か。 嫌だな。
渡「それは嫌」
セ『だったら頑張らないと。ね?アキラ』
四『うん。頑張らないと!大丈夫!雲雀なら』
何を根拠に。
なんて悪態を着くけど、心では嬉しかった。
背中を押してくれて。
渡「⋯ん。ありがと」
頑張るって言ったって何をしたらいいか
わかんなすぎてとりあえず
いつも通りKNTの隣に居た。
⋯うん。
なんの進展もない。そりゃそうか。
いつも通りなんだからな。
なんか⋯なんかねえかなあ。
KNTがトイレに行っていて
教室にいない間に考えると
チラッと聞こえてきた声。
モ『夏祭り行かない?』
夏祭り⋯。確か、夏休み始まって
すぐくらいに 夏祭りあった気がすんな。
誘ってみるか⋯。
風「⋯ひば?おーい!ひば!」
いつの間にか戻ってきたらしく、
俺の目の前で手をブンブンと振っていた。
渡「⋯あ、戻ってきたの」
風「なぁに、その反応!泣いちゃう」
なんて泣き真似をし始めた。
渡「勝手に泣いてろ!あ、でさ」
風「うわ!ひばひどい!⋯うん、なに?」
渡「来週の日曜、空いてる?」
風「・・・!」
予定を聞いたのに、
目を見開いてこっちを見て何も言わないKNT。
渡「⋯おい」
風「あぁ⋯!ごめん!日曜ね、空いてるよ」
渡「良かった。夏祭り⋯行かね?」
男同士で夏祭りとかキモイか?
まぁ、友達としてなら行ってくれるかな。
そんなことを考えてると突然、
ガタッと音がした。
風「行く!」
そして割と大きめな声で、返事をされた。
⋯恥ず。
みんなこっち見てんだけど。
てか、そんな嬉しそうな顔⋯。
もしかして⋯KNTも。
⋯いや、そんなわけない。
そう思いつつも期待をしてしまう自分。
とりあえず、
夏祭りに行くという予定はGETした。
⋯後は、服装だな。
セラおにでも聞きゃあいいか。
なんて浮かれているうちに
あっという間に時はすぎ夏休みに入った。
高校2年の夏。
俺は初めて恋を知った。
夏休みに入って2日。
KNTとはなんだかんだ
毎日連絡を取り合ってる。
今日は何したー。とか、
あちぃとかくだらないこと。
明後日には夏祭りが迫ってきていて、
俺の心臓はバクバクしてる。
何を着てけばいいか分からずにセラおに
相談すれば
『いつも通りの雲雀でいいんじゃない』って
言われた。
いつも通りの俺ってなんだ?!
別に告白する訳でもないし、
男ふたりがただ夏祭りを楽しむだけ。
服装なんてって思うけど、
なんとなく私服で会うのは初めてだし
着飾りたくなる。
この2日を使ってどうにか服を決めた。
結局、いつも俺が着てる服をきた。
待ち合わせは5時。
あと10分で5時になる。
家にいてもソワソワするだけで、
変になりそうで早めに出てきてしまった。
それが行けなかったのか、
周りはカップルだらけ。
イチャイチャしやがって。
とは思うけど、羨ましいとは思わない。
恋愛対象が男って少し苦しいかも⋯な。
風「ひばー!!」
現実から目を逸らすように
下を向いた途端に聞こえる声。
その方に顔を向ければ笑顔で
ブンブンと手を振って走ってくるKNT。
風「ごめん!待った?」
渡「いや、大丈夫」
風「そっか。なら良かった。
︎︎︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ね、俺、焼きそば食べたい!」
着いてそうそう、焼きそばの屋台へ
一直線に向かおうとする。
それなりに人も多いし、
はぐれねぇか心配だけど。
早足に俺の前を歩くKNTの後ろから
ゆっくりと着いていくと突然腕を掴まれる。
渡「うぉ?!⋯え?ちょ、KNT!」
風「え?なに?はぐれないように!
︎︎︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ひば、迷子になりそうじゃん?」
当たり前かのように俺の腕を掴んだまま、
突き進んでいく。
繋がれてる腕を見て、
ブワッと顔が熱くなるのが分かった。
付き合えたら堂々と手とか繋げんのかな。
KNTが俺のこと好き⋯とかそういう奇跡、
起きてくんないかな。
ボーッとしながら、
その腕を見つめながら引かれるがまま歩いた。
焼きそばの匂いが強くなってきた時、
バッと掴まれていた手を離された。
渡「あっ⋯」
風「ん?」
渡「いや」
一気に軽くなる腕。そして寂しくなる腕。
寂しくて、まだ繋いでいたくて
思わず声が出ていた。
焼きそばを買って、2人でシェアして
他愛もない事で笑って。
風「ん一っ、はぁ。楽しかったな」
渡「だな」
風「夏休み中、暇な時会わね?」
一通り夏祭りを楽しんで、
ついでに花火も楽しんで駅まで歩く。
渡「⋯うん、いいよ」
風「やったね。俺、
︎︎︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎連れていきたいとこあんだよね。 ひばを」
渡「連れていきたいとこ?」
風「うん、そう。楽しみにしててよ」
どこだろう。KNTが連れていきたいとことか
ゲーセンくらいしか思いつかないんだけど。
ゲーセンだったらどうしよう。
風「あ、今、ゲーセンだったら
︎︎︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎︎︎どうしようとか思ったべ?」
渡「はぇ?!なんで⋯」
風「そんな顔してた」
なんかこんな会話前もしたな⋯。
あ、あれだ初めて話した時だ。
そんな俺、顔に出やすいか?
そしてまた
風「かわいい」
そう俺の頭をクシャッと撫でる。
その手で俺以外にも
こーゆうことしてんのかな。
俺だけにしてたらいいのに。
そう思うなら早く告ればいいのに。
そんな声が聞こえそう。
分かってんだよ。俺も。
ただ、怖ぇじゃん?
振られて、この関係崩れたらさ。
だから、いいんだよ。
このままで。
多少、モヤモヤする時もあるだろうけど。
風「じゃ、また連絡するわ」
渡「ん、じゃ」
いつもの駅。いつものように背を向ける。
いつもと違うのは、
夏休みだから毎日会えないことくらい。
やべぇじゃん、俺。
すげぇKNTのこと好きじゃん。
考えてもなかったな。
俺が男を好きになるなんて。
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