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頭がぼーっとする。
(…らだぁはさ、どうしたいの?)
誰かが話しかけてくる。朦朧とした意識のまま、俺は問いかけに答えた。
(決まってる。あの偶像を使って俺の願いを…)
「どうして?」
(…)
(そんなモノまで使って、何を叶えたいの?)
(俺は天乃が…。”お前”が死んだあの時間まで…)
『お前を助けに行きたいんだ』
(みんなを殺した真っ赤なその手で?)
(!!!)
はっとなり我に返る。
「あははっ!僕を助けるって?何言ってるんだよ」
黄色の服を身にまとい、拳銃を手にした”大人の天乃絵斗”が目の前にいた。
『あま、の?』
「…今まさに、殺そうとしてるのはお前じゃん」
『……ぇ』
自分の手を見た。…天乃の言うとおり、真っ赤に染まっていた。
『違うって言うならその手で証明してよ、ねぇ!!』
そう言うと天乃は俺に銃口を向ける。
俺はすぐに距離を詰めて、鎌を振り上げた。…なんで”笑顔”でこんな事をしてるんだっけ?
「ほら、嘘つき。何が”助ける”だよ。お前のせいで僕達は、この歪んだ世界から抜け出せない」
あぁ、そうか。こっちの世界では生きてるんだな、天乃。でもそろそろ死ぬだろうな。…俺が殺すかラ。
『ごめんな…』
そのまま俺は、鎌を振り下ろした。
「…あやま..る、くらいな、ら..やめ..ろ、よ…」
…?やはり、この世界はオカシイ。首だけになった人間が話すことは、普通ならできないはずだが…。…天乃絵斗が倒れている。そこから少し離れたところに天乃の頭がある。声が聞こえなくなったから、さすがに死んだかな。
… 切る直前に気づいたことだが、天乃の首にはつなぎ目があった。あれは前に首を斬られて死んだ証拠だ。…俺の前に誰かが殺した証拠…まぁ、またすぐニ起き上がるだろうし、その時に聞けバいいかな。俺を封印しないかぎり、身体が死ぬことは無い。精神的には死ぬかもしれないが。
天乃は俺に気づいているのだろうか。昔よく一緒にいた、猿山らだ男だと。…まぁ、気づいていたのならもう少し躊躇うか。あいつの場合、過剰防衛の可能性はあるが。…いや、今回は先にやったのは俺なのだから、正当防衛になるか。昔からあいつは…。……そんなことはドウデモイイ。早くみんなを殺さないト。ネガイを叶えナけれバ。