吉田さんのインスタを拝見し、こんなプライベートがあればで執筆しております。
2022.12.21のインスタライブを拝見後、お読みいただければさらに楽しめると思われます。
インスタライブでの料理配信も無事に終わり、現在の時刻は22時45分。きらりの配信も勇斗が23時くらいに帰って来るというのでそれを目途に終わろうかなーとご飯を食べ進める。
「今日は50分くらいに終わろうかと思います」
コメントには『明日の仕事嫌だー』や『終わってほしくない』『今日、泊まるんですか?』などのコメントが次々流れてくる。
「仕事頑張ってえらいですね。明日も頑張りましょう」
「またやりますから。次も来てください」
「泊まりませんよ。僕も皆さんと一緒で明日もお仕事ですから」
なんてコメント返ししながら時間は過ぎていく。
「じゃ、今日はこの辺で」
ファンの皆さんに別れを告げ配信を切る。
「よっし。やるかー」
立ち上がって大きく伸びをした。
俺には今からやらなくてはいけないことがある。
そんな大層な事ではないが、喜んでくれっかなーとかまぁ思わなくもない。
揚げパンみたいなソファーに乗り上げそれでも少し手が届かないため更に背伸びをして、カーテンのフックをひとつずつ外していく。
「これ、一人でやるの意外と大変?」
外す作業だけで薄っすらと汗をかく。
この後に付ける作業も待っていると考えると少々めんどくささを感じたがやりきる以外の選択肢はなかった。
「よっしゃ。できたわ」
完成したカーテンを見ていい感じじゃんと満足気に眺めているとガチャっと玄関が開く音がした。勇斗が帰って来たのだ。本当は帰って来る前にカーテンを付け替え、退散する予定だったのに時刻は23時半を回ろうとしていた。そりゃ帰って来るはなーと時間がかかりすぎて待っていたみたいな状態になっていたたまれなくなる。
「じんとー」
玄関から俺を呼ぶ声がする。待っていたわけじゃないがインスタライブでした会話が思い出されてなんだか照れ臭く返事が遅れるとまた玄関から呼ばれる。
「じんとー」
「なんだよ」
しょうがないので、キッチンを借りた家主を玄関まで出迎えに行く。
玄関につくと少し頬を赤く染めた勇斗が玄関に座っていた。
「ただいまー」
酒に酔っているのか白い歯を剝き出しにし、屈託のない笑顔を向けてくる。
「はいはい。おかえりなさい」
酔っぱらいの介抱なんて御免だというように返事を返す。
へへっとデレっと笑う勇斗は本当に自分よりも2つも年上の男には見えない。
「じんとー不法侵入はいけないんだー」
「はいはい。悪うござんしたー」
「いいよー」
あまり悪びれた感じなく謝ったつもりにも関わらず、勇斗は突っかかってくることもなく玄関に腰をおろしたまま俺を許す。これはだいぶ飲まされたのであろう。これはめんどくさくなる前に早く帰らなければ。
「とりあえず、靴脱いで入れよ」
客人が家主を招き入れるという変な構図で勇斗に声をかけるが
「んー?うーん」
と曖昧な返事しか返ってこない。
玄関に勇斗がいると俺が帰れないため、どうにか家の中に入ってほしいのだがその重い腰は一向に上がる気配を見せない。
一旦、キッチンに戻りコップに水を汲む。その間も『じんとー』『じんとー』と止めどなく呼ばれる。そんなに呼ぶなら入ってくればいいものをと思いながらもコップを片手に玄関へ戻る。
「なんですかー?佐野さん」
俺が戻ってきたのが嬉しいのかまたへへっと笑う。なんだこいつー!
ちょっと絆されそうになるを堪え、持ってきた水を差しだす。
「はい。佐野さん。水、飲んでください」
「はい」
素直に受け取り、喉が渇いていたのか一気に飲み干していく。
水を飲んだことで少し酔いが冷めたのか顔からも少しだけ赤みが引いている。
「じんと、あんがと」
「どーいたしまして。立てます?」
「うん」
やっとふらふらと立ち上がった勇斗は少しおぼつかない足取りで寝室に向かう。
勇斗は明日珍しくオフで、現場で化粧を落としてご飯に行ったみたいなので風呂は明日の朝でいいだろうと判断し素直にベッドへと見送った。
家を借りたわけだし、片付けと掃除をおこない帰り支度を済ませ寝室を覗く。布団にも入らず、眠りにつく勇斗。さすがに明日がオフだからとって現在の四季は冬。このまま朝を迎えれば風邪をひく可能性も否定できないため、勇斗の身体の下から布団を引っ張り出そうと格闘するが成人男性の意識のない身体の重さは半端じゃない。
諦めて、風邪をひいたとしても俺のせいじゃないと言い聞かせ。
「帰るかー」
と呟いた途端。
「寒い」
力強く手首を引かれ、目の前の世界が反転する。
「へ?」
気付いた時には既に勇斗にがっちりとホールドされた状態でベッドに横たわっていた。
ビクともしない腕に巻き付けられた足。
明日は仕事だというのにこの男は…と恨めしく見つめるがすやすやと眠る勇斗を叩き起こす気にもなれず、パワーゴリラに敵うわけもなく早々に帰宅を諦める羽目になった。
明日のことは明日考えよう。
「おやすみ」
深い眠りについている勇斗に聞こえないであろう挨拶をし俺も眠りにつく。
END
~おまけ~
目が覚めると隣にはすやすやと眠る仁人。
は?なんでこいついんの?と首をかしげるが思い出せない。
昨日の服のままの俺と仁人。全然思い出せねぇ。
ふと、時計に目をやると時刻は7時半。
俺はオフだし、仁人はーとメンバーで共有しているスケジュールを思い浮かべて
「おい!仁!起きろ!起きろって、仁人!」
「ん?んー…」
伸びをしながら目覚めた仁人。
「今7時半!お前今日9時半から仕事だろ!」
「は?え?」
寝起きの仁人に時間を告げると軽くパニック状態。
ポケっとした顔可愛い。って、んな場合じゃねぇー。
家に帰る時間はぎりぎりある。マネージャーは仁人ん家に迎えに来る。
総合して早く俺の家を出なければならない。
「おい!仁人急げ」
「え?あ、うん」
ベッドの脇に置いてあった荷物を持ち、仁人が玄関へ急ぐ。
見送りのため、俺も後に続く。
靴を履き、玄関から出る直前。
「あ、勇斗キッチンありがとな。助かった。けど、あーゆーコメントはやめろ照れるから」
「照れんだ。わかった。仕事頑張ってな」
頬を染めながら照れるという仁人が可愛くて、頭を撫でながら誤魔化し見送る。
どうやって朝の現状が出来上がったかどうしても思い出せないが可愛いものが朝から見れ浮足立った俺がリビングに行き、ちょっと早いクリスマスプレゼントに驚愕するのはもうちょっと後。
(あ、カーテンの感想聞けてないけど、いいか)
ちょっとめんどくさい出来事はもっと後。
END
コメント
2件
本当に凄く良いシナリオです😊 付き合ってからのイチャイチャ💛🩷や18禁も良いんだけど、 この何とも言えない距離感や雰囲気が最高です。