TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

雫 -SIZUKU- ~星霜夢幻ーー“Emperor the Requiem”~

一覧ページ

「雫 -SIZUKU- ~星霜夢幻ーー“Emperor the Requiem”~」のメインビジュアル

雫 -SIZUKU- ~星霜夢幻ーー“Emperor the Requiem”~

125 - 第125話 急 最終決戦⑩ 決着後の避けられぬ運命

♥

18

2025年07月27日

シェアするシェアする
報告する


「きゃあぁぁ!!」

「いやあぁぁぁ!!」



ミオとアミが同時に悲鳴を上げた。何故なら弾ける様に、ユキの右腕が“刀ごと”吹き飛んだのだから。



「ぐっ!」



無くなった右腕ーー右肩を左手で押さえながら、ユキはその地に膝を着いた。



決着の刻。上回られ、敗北を喫したのはユキの方だったのか。



「……見事だったよーーユキ」



振り返りながらノクティスが、その力を讃える。その手に持つ七星皇剣、グランステュリオンの輝きと共にーー



“ーーっ!?”



誰もが目を疑う異変。それはグランステュリオンの刀身に亀裂が走り、砕け散っていく。それのみならず、ノクティスの胸元には半月に切り裂かれた跡が。流血は無い。代わりに輝く様な傷痕が浸食していくーー全身に。



「やはり私の眼に狂いはなかった。受け入れるよーー敗北を」



上回られ、敗北を喫したのはノクティスの方だった。



「私は君に逢う為に生まれ、時を超えて来たのかもしれないね。私の想いを受け止めてくれて……ありがとう」



敗北を受け入れたノクティスは、自身の“全てを満たしてくれた”ユキへ、感謝の礼を述べる。



「先に……逝っているよーー」



そして何もかもが淡く、光に滲んで消えていく。



「ええ、先に逝っててください」



ノクティスが消え逝く間際、弔いの言葉をユキは贈っていた。それは死後に於ける邂逅の意味だったのか。



そしてノクティス消失後、ある異変が起きるーー



「ーーえっ!?」



それはユーリの姿に於ける異変。突如彼女の姿は、先程までの少女の姿ではなく、大人の女性へと変貌を遂げていたのだ。



「ど、どうなってんの?」



その変貌振りを間近で垣間見たミオが、驚愕の声を挙げた。



「ノクティス様が命を落とした事に依る盟約の終わり。止まっていた時が一気に動き出したのですよ」



その疑問に答えたのはハルだ。



「ユーリ、貴女はまだ狂座入りしてから十年程しか経過してませんから……」



つまりは悠久の刻を生き続ける事はなくなったという事。ユーリの身体年齢は十三年程で止まっていた。その為、十年の時が一気に進んだ事になる。



そしてーー



「ハル!?」



ユーリは思わず目を見張った。それはハルの身体が薄く滲み、崩れていく様。



「私はあの御方と、それこそ途方もない時を過ごしてきました。その分の時が進むという事は、老化という次元を超えて、跡形も無く消え去る事を意味します」



「そ、そんな事って……」



その事実にユーリは愕然とした。同じ直属として共に過ごしてきたのだ。思う処は多々ある。



「間もなく、このエルドアーク宮殿も時空の狭間に消える事でしょう。ユーリ、貴女はこの時代で大切な人達と共に生きてくださいーー」



「うん……ありがとう、ハル。そしてーーさようなら」



消え去る事は避けられない。ユーリはハルへ別れを告げ、それと同時に彼は消えていった。



ノクティスが敗れた事により、あらゆる事が一気に終わりを告げる。当然、ミオの悠久の呪縛も解けた事だろう。



これにて一件落着。全て解決したと思われたが、そうはいかない。



「ごほっーー」



忘れていた訳ではない。あまりに情報量が多過ぎたのだ。



「アミ!?」

「姉様!」



突如アミが吐血する。そうーーノクティスと命をシンクロしていた以上、宿主が死んだという事は、そのままアミの命も終わる事を意味する。



ユーリとミオは彼女へと駆け寄り、何とかしようと試みるが、何ともならないーー“失った心臓”は戻らない。



それだけではないーー



“ーーユキ!?”



右腕を失って膝を着くユキ。彼の身体もノクティスやハルと同様、崩れて消え去ろうとしていた。



「ど、どうして……?」



ユーリとミオは怪訝に思うが、目を背けていただけかもしれない。本当は何処か気付いていた。



ユキは“物理法則”を超える為、完全に人の域を超えてしまった。これが何の代償も無い筈がないと。



その通りだった。摂理に反して超えた代償は、この世の摂理から消える事。即ち、この世界から消失する事を意味していた。



アミの死とユキの死ーー消失。それは決して避けられぬ摂理だった。

loading

この作品はいかがでしたか?

18

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚