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第24話 翠雨に伝う子守唄
md side
広間に戻るとオーディーンが3人を圧倒していた。大分押されてるみたいだった。
でも皆は本気で戦ってない。なぜなら本気で戦えば建物ごと壊して更地にでもするから。広い場所ならそれなりに規模の大きい魔法も使えるが、ここは広間といってもそこまで大きくない上に地下にある。ここで建物が壊れれば上にいる教徒達にも被害が出る。
ラダオ・ヴェルディオン(rd)
「みんな!大丈夫…?」
アイリス・シルフィーヌ(ir)
「えぇ、怪我はしてないので。」
ナハト(nc)
「でも…精神的に疲れてる。魔法を駆使して、戦っても…回復される。」
トロン・フォグナー(tr)
「それに、あのグングニルも厄介です。まずあのグングニルを無力化したいところなんですが…。」
ガイスト(md)
「…大丈夫、策はある。多分疲弊してるのを見て、大技を放つと思う。そこを狙う。とりあえず3人には、大技を誘発させるように動いてほしいんだけど。」
ir
「…分かったよ。ガイストは無策で戦うような人じゃないしね。もうひと頑張りしますかね!」
nc
「分かった。」
tr
「僕らであのキメラを討伐しましょう。」
そして3人は僕の言う通りにオーディーンの気を引いてくれてる。そして僕は、広間に最初に来る前に仕掛けておいたものを発動させるための詠唱を開始した。
教皇
「さて、そろそろ終わりにしましょう。さぁオーディーン、奴らに神の鉄槌を!」
神のキメラ<オーディーン(or)>
「………。」
オーディーンは手に持つグングニルを上に掲げ、魔法の詠唱を素早く開始した。そして詠唱が進むにつれ、広間の床一面に魔法陣が展開された。
教皇
「…さようなら、第三王子に七つの王冠の諸君!」
そしてオーディーンが魔法を発動した。…が、魔法陣が壊れ魔法は不発に終わった。
教皇
「な、何だと…!?」
md
「…セーフ。思ってた以上に詠唱早くてビックリしたけど、間に合った。」
そもそも基本、魔法を発動するのに詠唱は必要。けど、ここ最近は詠唱破棄でも魔法を発動することができる。ただし、それは魔術師としての力量によって左右される。詠唱破棄自体できない人もいれば、簡単なものだけ、ひいては難しいものもというように、かなり差がある。そして力量によってされるものがもう1つある。それは杖の有無だ。杖があると魔法が失敗しにくい…というより安定性があると言った方がいい。もちろん杖なしでも魔法は発動できるが、特に何かを狙って魔法を放つ時、照準を合わせやすいのも杖を持つメリットでもある。最近だと、杖そのものの完成度や性能の高さが魔術師のレベルを表している…なんて言われるが、結局のところそれに見合う力量を持っていないと宝の持ち腐れもいい所。一見、杖持ちの方がよく見えるが杖なしもちゃんとメリットはある。それは魔法の自由性が高くなること。つまり、魔法+αのアレンジがしやすくなる。七つの王冠にいるメンバーのほとんどは普段杖なしで魔法を使う。もちろん僕も。だけど今回みたいな大規模な魔法を使う時は杖を使うし、詠唱もする。だから柄にもなく、自分の背丈よりも少し大きい杖を持って詠唱していた。
nc
「ちょっと…焦った。」
md
「ごめんごめん。」
教皇
「な…なぜ、魔法が無力化されたのだ!」
md
「簡単。あの大技、この地下空間を形成しているエネルギーそのものも使ってるよね。」
rd
「空間…」
md
「この広間に初めて来る前に、壁に小さく魔法陣描いてあるのを見つけて書き換えといた。そのエネルギーを吸われてもあるべき場所に還元されるように。さらに灯り代わりに使われてた魔石にも細工してたのを確認したからそれもね。」
ir
「全然分からなかった…。」
md
「じゃあ今度はこっちの番。覚悟して。」
その魔法を放つための詠唱は完了している。この手で僕…僕達は神を倒す。
md
「翠雨に伝う子守唄」
この魔法は、新緑に輝く宝石のような雨を降らせる。そして子守唄を聞いて眠るように、痛みをあまり与えることなく倒す。痛い、痛くないはともかく、僕のほぼ全ての魔力がこもったこの魔法で倒されてほしい。
or
「………。」
オーディーンは僕が降らせた雨をただ見つめていたように見えた。そしてどこか虚空を見据えていた。そしてオーディーンは倒れた。そしてその雨でオーディーンの体を形成していた肉塊は崩れ、コアは壊れた。
教皇
「嘘だ…我らの、神が……。」
教皇は力なく膝をついていた。その瞬間を逃すことなく、アイリスは教皇を拘束した。
その後、アイリスは王家やエレナ達に今回の事件は解決したと連絡を入れた。教会の今後については議論するところがあるが、教会の上層部は解体され、新たな体制を築くそうだ。
僕はアイリスが連絡するし終わるのを見計らって、声をかけた。僕は確かめないといけない。
md
「アイリス。」
ir
「ん?」
md
「…アイリスは、誰を助けようとしてるの?」
To Be Continued………
ふゅう@低浮上
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