テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
131
41
『私とわたし』
子供の頃
人は死んだらどうなるんだろうって
寝る前とかに考えてしまって
無性に怖くなることが何度かあった
見回りに来た母が
どうしたのと問うてきたので
人は死んだらどうなるか不安なんだと答えた
母は
何も言わず頭を撫でてくれた
思えば
あのとき母が何も言わなかったのは
母も死んだあとのことなんてわからないし
嘘は言わないようにしようという
母なりの誠実さなのかもしれなかった
そんな私ももう大人だが
まだ私の中には
子供の頃のわたしがいて
人が平等に老いるという事実を
恐れていたりもする
もし私に子供ができたとして
人は死んだらどうなるか不安なんだと言われたら
わたしは何と返してあげられるのだろうか
(了)
コメント
1件
もうっ…沁みる…😢💕 子供の頃の“わたし”が今も大人の“私”の中にいて、死への怖さとか老いることへの不安をずっと抱えてるって描写、めちゃくちゃリアルで胸にくるよ…!お母さんが何も言わず撫でてくれたエピソードも、沈黙に込めた誠実さが感じられてじーんとした🥺💞 もし子どもに同じこと聞かれたら…って問いかけ、すごく響いた。短いのに深い物語、ありがとうございます📚✨