テラーノベル
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『スーパーヒーロー』
ヒーローになりたかった
アニメや漫画に出てくるような
悪の組織からみんなを守る
かっこいいヒーローになりたかった
社会に出ると
善悪の境界線が
自分の中にあった正義感が
守りたいと思っていた人たちが
だんだん曖昧になっていった
久々に実家に帰り
自分の部屋でぼーっとしていた
ふと片付けをしようと思い立ち
部屋の中を動き回っていると
ヒーローの変身ベルトが出てきた
埃をかぶって
色褪せてしまっていたが
ベルトをつけて鏡の前に立つと
あの時憧れたヒーローが
鏡の向こうで大きく頷いてくれた気がした
(了)
コメント
1件
読み終わりました。変身ベルトが「色褪せて」いたのに、鏡の前でつけた瞬間に「あの時憧れたヒーローが大きく頷いてくれた」――その一連の流れが、時間を経ても消えない憧れそのものの表現で、とても胸にきました。「社会に出て善悪の境界線が曖昧になった」という一文も、自分を重ねる人が多いんじゃないかな。埃をかぶったベルトが、諦めかけていた気持ちをそっと肯定してくれるような、優しい終わり方にぐっときました。
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