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その頃、エリミアら三人はヴェルリナ達が住んでいたあの家、そして複数の悪魔崇拝者達の信仰、儀式場として使用されていたと思われる場所を見つけ出し、そこから放たれている怨念や呪いを断ち切り、封印と祭壇の破壊を開始する。
「ヴェルリナちゃん達、大丈夫だと良いんだけど……何とか私達が戻るまで持ち堪えられてるかしら」
「それは分からない、とにかく俺達は今目の前にある我々のやるべき事だけに集中しよう、呪物の封印と祭壇の破壊、それとそこにある怨念と呪いを祓えばあの少女に取り憑いている悪魔の力は何れ弱まる筈だ」
「ええ、そうね」
ヴェルリナや、その両親達の状況の方が気にかかるが、今は一刻も早くヴェルリナを悪魔によって長きに渡ってる苦しみから救うためにも立ち止まって居る訳にもいかない、急いで彼女の全てを狂わせ、破滅へと追い込む無数の悪魔と呪物の対処を迅速に行う必要がある。
呪物や祭壇などがあると思われる場所は既に目星がついており、その場所への案内はベラティスにして貰う事にした二人。
そこで、先ずは一つ目の場所。
手始めに、ルビネット一家にある地下の儀式場の祭壇と呪物の封印と除霊から手をつける事に。
「此処が……あの一家の自宅……」
「ええ、それにしても随分久方振りに来たわね、さあ入って早く一つ目の祭壇の破壊と呪物を回収して呪いと怨念を祓いましょう」
「案内を頼む」
そうして三人は家の間取り図を頼りに封鎖されてであろう秘密の隠し部屋に通じる通路を探す。
間取り図に目をやりながら、そして家中至るところに色んな物が散乱してすっかりと荒れてしまった部屋の風景に目を向け、改めて今回の悪魔事件の恐ろしさとその現実を再確認した三人。
向かいながら、「……………‥随分荒れてる、まるで空き巣にでも入られたみたい……この惨状は上手く言葉には表現出来ないわね……」
「これが悪魔事件の実態さ、悪魔に憑依されると自分ではない別人格に支配され……暴力的になったり普段では有り得ないような奇行に走る、なんて事は悪魔憑依による事象上では良くあるケースパターンだ」
あるベスのこの言葉を聞いて悪魔という存在の凶悪さに思わず言葉を失うベラティス。
悪魔によって平穏な普通の日常が一瞬にして崩壊した一家の事を思うと、胸が張り裂けそうになる……そんな気持ちを抱く。
更に足を進めていると、「どうやら此処みたい、間取り図にある印と位置が合致してる」
「恐らくこの扉の先にある部屋に地下に通じる通路があるに違いない、行こう」
「ええ」
早速彼女らは目の前にあるドアの施錠を解き、その次に目の前に飛び込んできたのは予測通り……ポツンと一箇所にだけ明らかに違う構造の空間があり、其処へ近付いて そっと覗いてみると、地下に続く階段らしき物が見えた。
「推測は当たってたみたいだな、やっぱり悪魔崇拝の儀式を知られたくないが為に巧妙な細工で隠した……といったところだろう」
そしてゆっくりと地下の方へ足を踏み入れる。地下の方へ向かっていくと其処は一切の灯りがなく、蝋燭や懐中電灯がないとまともに歩けない程に足元や周囲は見る限り何処もかしこも真っ暗闇だ。
「不気味な雰囲気を感じる……やっぱり呪術師や悪魔崇拝者達の存在は本当だったのね、でも人の気配を感じない……」
「別の場所に儀式拠点を移したか、または怨念と呪いの力が限度を超えた事にによって全員死んだか……全ては大昔の事、そうなると信者や崇拝者の生き残りがいたとしても……それは限りなく少数だと思う」
そんな会話を交えながら地下へと降りていく、その先には………見つけた。そう悪魔を降霊させる儀式場が其処にはあった。
「見つけた、此処が悪魔の呪いの儀式をやっていた場所…呪物が幾つもある。それに魔術書……儀式の工程で使用する道具が放置されたまま……どうやら、此処が一つ目の儀式場で間違いなさそうだ」
祭壇や魔法陣には円を描くように配置された規則的に立っている蝋燭、その中心部には憎悪と怨念、怨みが詰め込められた程に悍ましい呪いを放つ呪物が複数個無造作に置かれており、呪物から放たれる怨念や怨み、憎悪のオーラがかなり強く、近づき難い程に強力だ。
「これを………どうするの?」
「悪魔の邪気や怨念を祓い、そして封印するんだ。呪物に封じ込められた呪いの効力を弱体化させれば、あの少女に憑依している悪魔の力も弱まる筈だ」
「え……?でも、悪魔は呪物や怨みで力を得る、呪物を清めるとなるとかえって悪魔の怒りを買う事になるんじゃ……ほんとに大丈夫なの……?」
「悪魔は呪いの源である呪物や呪術師のような怨みを物達が術者となり呼び寄せてる、そもそも何らかの未練があって恨みや憎しみ、怒りに変わって悪魔に変貌する……つまりは呪物は悪魔や死者にとってエネルギー源のようなもの」
そう言ってエリミア、アルベスは呪物が置いてある祭壇に近づいて呪いを封印する為に悪魔祓いの詠唱を行った。
エリミア達が封印と祈祷の儀式を実行している間、一方その頃ヴェルリナ達は…………。
「ヴェルリナ…………」
大切な娘が生死を彷徨う窮地に陥り、悪魔に憑依され…呪いをかけられた事によって日に日に衰弱していく様をただ、こうして見守る事しか出来ない事に母親はそっと涙を流した。
「…………………………………………」
ヴェルリナは孤独感が強まり、更に無性に湧き上がってくる苛立ちで一切の口利きもしなくなり、心の底では大好きだと思っている両親に対し、完全に心を閉ざしてしまった。
ヴェルリナの状態が深刻的になってしまわない為にも…………っと一人の祓魔師が近付いてきて、彼女が気に障らないように、そっと……。
「ヴェルリナちゃん、君は決して一人なんかじゃないんだよ、君のご両親やそれに俺達だって……そして今君を救おうと立ち向かい続けてくれてるあの二人だって君の味方だよ、だから悪魔の誘惑に負けないで、大丈夫……君は孤独の身じゃない」
と優しい声掛けをした。
「お願いだから……放っておいてよ、私はもう孤独で良いの……私は……私はこの世に生きてる価値なんてないんだよ……」
ヴェルリナは聞く耳を持たず、自責してただ自己否定感だけが高まって悲観的感情から離れようとしない。
相当悪魔の呪いで全身心身共に疲弊して悪魔の囁きや言葉に逆らう抵抗力さえも衰退。意気消沈な状況。しかし、このままの状態が持続してしまうと悪魔の侵食が進行してヴェルリナの身体は益々死へと追い込んで地獄の道連れにするのが狙いだ。
道連れの犠牲を起こさせない為にも、そう思い……施設に居るシスターや祓魔師、そして両親の二人は疲弊している、躁鬱状態のヴェルリナの心に寄り添い続け、『一人じゃない』
そう何度も彼女に言い、安心感を与えて悲観的な思考から引き離すようにした。
ヴェルリナはポツリ、ポツリッ……大粒の涙を流し、泣きながら、「どうして……どうして皆んな揃って私なんかに構うの?意味わかんない…‥私……私なんか……」
「君は決して一人じゃない、君には君の事を何よりも大切に愛し、守ってくれる人がこんなにも居る、君の存在一つで幸せだと、喜びを感じてる人だって居る、だから要らない子じゃない、自分を否定し続けないで良いんだよ」
そう青年の祓魔師はヴェルリナに対し、優しい声掛けを常に心掛けヴェルリナを襲う孤独感、悲壮感に陥らないように寄り添っている。
「ううう…………ううう、ぐすっ…… 」
彼女はポツリ、ポツリと涙を溢す。苦しみと襲いくる孤独感から来る悲哀の感情、寂しさで涙が延々と流れてくる。
「悲しいのなら、その気持ちが消えるまで思いっきり泣いて良いよ、此処にいる皆んなは君の味方だから。悲しくなったり辛くなる事は考えないで、良い事や嬉しい事、楽しくなるような事を考えてみない? 」
彼はヴェルリナの事を責めたり、怒ったりもせずにただ優しくヴェルリナの心に寄り添い、ヴェルリナの心を救おうと積極的に前向きになるように声掛けをしていく。
「……………………ありがとう」
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斐ウィ神@低浮上