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「あ、あの。この辺で大丈夫です…。」
恐る恐る言ってみたが、先輩は顔をしかめて言った。
「そうはいかない。最近は物騒な事件が多いから。」
そういえば、最近この辺りで女子高生が暴行にあったという事件を聞いた。この辺でこんな事件が歩かんて珍しいな、と思いながらニュースを見ていたのを覚えている。でも家はあと100メートルほどで着く。
「すぐそこなので本当に大丈夫ですよ。」
と言ってみたが、スルーされてしまった。
「本当にありがとうございました。」
結局家まで送ってもらったので、しっかりとお礼を言った。ちょうどその時、
「あ!お姉ちゃーーーーん!!!!」
と、妹の呼ぶ声がした。それを追うように弟が駆け寄ってくる。
「ただいま!」
なんて可愛い姉弟。
「この人誰ー?」
「あたしの学校の先輩。こんにちは言って?」
『こんにちは!』
「…こんにちは…」
なんと!先輩がこんにちはって言った!しっかりとした挨拶を聞いたのは初めてだ!
「じゃあ、帰る」
「あ、はい!本当、ありがとうございました!」
「…ん。」
「今日、夕弦のとこでご飯食べれるって!」
「本当!?」
「やったぁ!!!僕、夕弦君のお母さんのご飯好き!」
「雪も雪も!」
「うん、あたしも!」
「じゃあ、お家行こっか!」
『うん!』
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