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D組・川井みわ
中学3年に進級したと共にクラス替えが行われた
D組には3年目にして初めて同じクラスになる友達のさわやその他にも何らかの接点がある人が多く居た
さわと一緒にクラス発表を見た後私たちは懐かしい話をしながら同じ教室に入っていった
さわと初めて会ったのは小学校4年生の時
お互い4年生の春に転校してきた
クラスの子からは「みわさわ」と呼ばれており、それがきっかけで仲良くなった
さわは元気で誰とでも分け隔てなく接することの出来る根っからの良い奴だった
体育会系でちょっぴり勉強が苦手な所がある
男女共に好かれるさわを私は尊敬していた
教室に入ったら色んな人に声をかけられた小学校の時同じピアノ教室に通っていた佐々木さんや3年連続同じクラスの高山さん
さわは教室にいる全員に片っ端から声をかけていた。そのうち、さわの周りには人だかりができていた
なんやかんや良い人達が多くて安心した
柔らかい中学生らしい声が響く教室は心地よかった
春の温かさと人の暖かさを同時に感じながら教室を見渡す
その中1人空気を壊すように教室に入ってきた人がいた。私はその瞬間息が詰まった
さっきまで動いていた秒針が進まない
時が止まったこの教室でたった1人さわはその子の元に駆け寄って話しかけた
どうやら知り合いのようだった 不器用なのかあまり会話が成り立っているようには見えなかった
私はその子が誰なのか知りたくて声をかけた。声をかけたのは本人じゃなくてさわだけど…
「知り合い?」とさわに声をかけたら色々説明をしてくれた
周りの子も別に聞く気は無いという感じを出しつつ耳を傾けていた
彼女はみおなちゃんと言うらしい。親同士が仲良くて結構2人もよく話したりするという
ではさっき感じた不器用さはそういう訳ではなくて周りの重い空気、何人もの目線が気になっていただけなのかな?
みおなちゃんは私に軽くお辞儀をして自分の席を確認しに行った
きっと誰もが惹かれたであろう
汚れを知らない黒い髪
制服からはみ出た華奢な腕と足
どれもきっと女の子が本来憧れる像そのものなんだと思った
私が欲しかったものを全部持っていたみおなちゃんは今日から私の憧れとなった
中学校最後の年
良いクラスメイトがいて楽しいイベントが待っていて憧れの人が出来て
これからの学校生活が楽しみでしかない