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「我が姫…もう俺から離れて行かないでくれ…」
もう…?
何を言ってるの、この人?
平気で敵の首を刎ね、味方さえも見殺しにする。
そんな冷酷非道な騎士だと聞いていた。
だけど、私の前のこの人は…
私に熱い視線を送っているようだ…?
私はその瞳を見ると、また、不思議な気分になるのだ。
私は顔を背け、言った。
「ここにお邪魔したのは、本意ではありませんわ。
そろそろお暇させていただきます。」
そう言って立ちあがろうとする私。
ふらつきながらも、何とか立てた。
「ほぉ…」
レイゼン様が少しの驚きの声を上げた。
「なぜ、驚かれるのですか?
レストランの食事に何かいかがわしい物でも混ぜたのでは?」
私は鋭く睨みつけてそう言った。
「俺がそのようなせこい事をする男に見えるか?
そちらこそ、俺の色香に酔ったのでは?」
嫌味ったらしく言い返して来るレイゼン様にカチンときた。
しかし…
「いや、悪かった。
喧嘩別れはごめんだ。
俺は君を心から好いている。
どうか、それを考えながら帰路に付いてくれ。
馬車はこちらで用意する。」
レイゼン様は私の手を取りキスを空に落とし、完璧に華麗な別れの挨拶をした。
「いえ、私こそ、介抱していただいたのに、少し感情的になりすぎたかと思いますわ…
では、また…」
私はレイゼン様の少し落ち込んだ顔を見て、そう言わずにはいられなかった。
「ありがとう…
キャメラ…」
そう言う彼に冷酷非道な所は見当たらなかった。
だが…
戦場では、”そう”なのだ。