SnowMan 短編集
①episode __1 人魚姫
あらすじ
__王子様を助けた人魚姫。
人魚姫は王子様が好きだけれど、これが両想いになることは、なかった。
登場人物
深澤 辰哉 ( フカザワ タツヤ )
アイドルグループ、SnowManに所属。
女性恐怖症。体が弱く、過呼吸になりやすい。
モテ男だった過去はない。
有中 香澄 ( アリナカ カスミ )
SnowManが好き。 深澤辰哉にリア恋をこじらせ、近づきたくてスタッフに。
心優しい、人気者。
新咲 美羅 ( シンザキ ミラ )
深澤辰哉が好きで、ストーカーをしている。
注意 失敗作
過呼吸表現あり
深澤side
「きゃあぁぁぁぁぁあ……‼️」
溢れかえる声援の中、ドアが閉まる。
岩「ライブ、疲れたな、笑」
佐「次は三日後だもんねぇ、〜!」
宮「楽しみだね」
今、国立競技場のライブが終わったばかり。
岩「ふっか、大丈夫?」
深「あ、うんっ、かひゅっ、はッ、はぁッ、」
最後のダンスがグランドールだったこともあって、フラフラする。
視界が反転する。
岩「ふ、っか、、!」
深「んはッ、はァ、ハァ、」
酸素を求めてパクパクする口に、何かが注ぎ込まれた。
薄く目を開けると、酸素ボンベが。
深「っ、はなれ、てっ、」
女だった。
俺は女性恐怖症。
最近、ストーカーに悩まされてるからだ。
しかも、あの笑顔の奥に隠れている裏の顔。
それが怖くてしょうがない。
でも、今は不思議と怖くない。
優しいことをしているからか、目が、優しいからか。
深「んはぁ、はぁっ、はぁ、」
意識がスッキリした頃には、もういなくなっていた。
残っているのは、背中に残る微かな温もりだった。
岩「大丈夫かっ、?」
深「あ、うん、笑 へーき。笑」
目「よかった、無理しないでくださいね?」
深「うん、ありがと、目黒。。」
また、会いたい。
会って、お礼を言いたい。
会ったら、連絡先を交換したい。
もっと、知りたい。
「きゃあぁぁぁぁぁぁ…‼️」
阿「やっぱり、歓声すごいね。」
岩「ふっか、大丈夫か、。」
段取りを決めたのは俺と阿部。
最後は盛り上げるために、ダンスバチバチの曲にしたから。
深「ごめッ、」
?「喋らないで、ください。吸って、吐いて……」
優しく、温かい声。
そのままに、ひたすら言うことを聞く。
また離れて行こうとしたので、頑張って目を開けた。
酸素ボンベを持っている女の人が目に入った。
タイプではなかったし、なんなら苦手なタイプだけど、
優しい、あの人ならいける気がした。
佐「ふっか…?最近考え事多いよ?」
深「あ、ごめん…!」
最近頭にあるのは、あの人と会いたい。
それだけだった。
その出会いは、意外にも早く訪れた。
ラ「ありがとうございました〜!。」
向「コップンカー!」
宮「なんでタイなの、笑」
普通の収録の後、みんなで休憩していたら、隣の休憩室に人影が見えた。
のぞくと、あの日のあの人だった。
深「あ、えた…!」
岩「え??」
深「ちょっと、先、いってて、!」
阿「う、うん…?」
そういって一目散に向かった。
深「あのッ、、」
?「え、?深澤っ、!?。」
深「その、あなた、私、あなたのことずっと探してました…!
好きです、付き合ってください、!」
?「え、?」
深「あ、すみません、急でッ、」
?「いい、ですよ、?」
深「え、?あ、名前は…?」
?「新咲美羅です、」
深「連絡先…!」
?「はい、」
全体的に威圧的で、苦手なタイプだったけど。
あの人ならッ、
そして、人生初彼女ができた。
美羅、さん…!
それからデートを重ねたが、それ以上好きになることはなかった。
あの日助けてくれたこと。
それが俺らを繋いでいるみたいだった。
俺が憧れてた“愛 恋 ” とは違った。
だけどこういう形もあるのか、と知った。
?side
A子「ねぇ、またあの話聞かせてよ、笑」
美羅「いいわよ、深澤辰哉が、私がストーカーしてたら一目惚れしたっぽくて。
告白したきた話でしょ❓笑」
羨ましい、
やっぱ、世の中は顔なんだ。
深澤辰哉に会いたくて、この世界に来て、スタッフをやったけれど。
付き合うなんて、夢のまた夢。
王子様みたいな、遠い存在なんだ。
深澤side
岩「ふっか、大丈夫?最近、おかしくない、?。
え、?いやぁ、笑」
実は、最近。
美羅の束縛が激しい。
好き度は、変わらない。
あの記憶は残っているけど、それが美羅だと信じられない。
だけど、それで振るのは、申し訳ない。
どうにも、できない、…
美羅「辰哉ぁ、〜❤︎」
深「み、美羅…!」
公の場で当たり前のようにキスをしてくる。
気持ち悪い。嫌だ。
深「っ、」
美羅「っ、!? 辰哉っ、? なんでっ、突き飛ばすのっ、。」
深「あ、ごめ…」
注意
スタッフ「はい、すみません、出番です…!」
美羅「は?ていうか、あんたが私の辰哉を…!?」
暴れる美羅を横目に、撮影を開始した。
「はい、カット〜!」
ばたぁぁん、
グルン、という感じがする。
岩「ふっかっ、!」
美羅「辰哉ぁ、、!?」
近づいてくる気配がする。
嫌だ、近づかないで。
やだ、やだっ、
口に何かを感じ、外そうとする。
?「動かないで❓大丈夫です、から、」
温かい声が聞こえる。
求めてた、声。
これ、美羅、なのかな。
だとしたら…
そう思って目を開けた。
そこにいたのは、落ち着いた清楚系の、女の人だった。
美羅じゃ、なかった。
深「ッ、!」
?「っ、待ってください、無理せず…!」
深「あのッ、!」
危ない、浮気するとこだった。
深「……美羅、別れよう、?」
美羅「……は?」
流れたのは、無機質な冷たい声だった。
深「俺が、好きなのは美羅じゃなかった。」
美羅「は?ストーカーまでしたのに?ねぇッ、!」
深「は、?」
ストーカー、美羅だったの?
美羅「ずっと好きだったのにッ、、!」
深「……でもごめん俺が好きなのは、この人だった。」
?「っ、!?」
深「、……好きです、付き合ってください…!」
振られるのはわかってる。
俺は軽い男って見られてることも。
だけど、本気なんだよ……‼️
?「お願い、します…!」
深「へッ、?」
?「……でも、言わなきゃいけない、ことがっ、」
深「…はい、?」
?「私、スノ担、で…深澤さんが、好きで…!」
深「え、?」
?「リア恋で、スタッフになっちゃったんです、」
深「でも、好きです。」
?「よかったです、笑」
深「笑、名前は?」
?「香織、です」
深「香織……」
香織「辰哉……?」
深「っ、…///」
香織「あ、すみません、いきなり…」
深「いいですよ、笑 …てれちゃって。……敬語、無くしません、?」
なんか、初々しい、というか。
カップルとは思えないけど。
あったかくて、なんか、愛ってこれか、って思えた。
“ 人魚姫は、王子様を刺すことができませんでした。
泡になって、ぐんぐん登っていきました。 ”
でも、もう一通り、ハッピーエンドがあってもいいはず。
“人魚姫は、無事王子様に見つけてもらいました。
二人はいつまでも、幸せに、暮らしました__”
END __
コメント
6件
素敵な話すぎるよ〜‼️💖