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「……」
俺は机の下で拳をしっかりと握る。
今から、樹とのことをメンバーに話すのだ。
「あの…樹とのことなんだけど…」
メンバーが静かに頷いた。
重い空気が俺にのしかかってきて、呼吸がなぜか苦しくなる。
「ぅ…ふぅ…ケホッ」
隣に座っている樹が優しく背中をさすってくれる。
『どうしたの?』
大我が心配しているような怪訝そうな顔で俺を見つめる。
「いや…ぁ…」
『大丈夫大丈夫。』
小さな子供をなだめるように樹が声をかける。
「ふぅっ…あのさ、俺と樹…」
『付き合ってるんでしょ?』
俺の話を遮るように北斗が言う。
「へ?」
思ってもいなかったメンバーの発言に、腑抜けた声が出る。
『みんなわかってたよ笑。わかりやす過ぎ』
ゆっくりと樹と顔を合わせ、“ぷっ”っと吹き出す。
「まじかよ…」
『でもさ、ジェシーが本気で伝えたい事はそれじゃないでしょ?』
全てを見透かしているように高地が言う。
ほんと…さすがだなメンバーは…
しみじみと思う。やはりメンバーに隠し事はできないようだ。
「樹にも言ってなかったんだけど、俺…樹に依存してるんだよね。」
『え?依存?』
樹が俺に聞く。
「そう、依存。樹がいなかったらどんなことにも集中できないし、息ができなくなる。」
『あ…だから…』
『だから?』
思い当たる節があった樹に慎太郎が聞き返すと、樹は静かに微笑んだ。
『言わないよ。ジェスのためっ』
普段は言わないような樹の言動に、他のメンバーは笑ったが、俺は思わず俯いた。
全部…俺のためなんだろうな
「でも…!俺はこれからのSixTONESのためにも気持ちを整理して、依存症?って言うのかな、を治し たいと思ってる。だから応援してくれない?」
一気に自分の気持ちを話すと、心にまとわりついていた鉛のようなものが軽くなった気がした。
『勿論だよ。絶対応援するし、俺たちと一緒に頑張ろう。』
『ジェシーなら必ずできる。』
『依存を完璧に無くさなくても、程々になるように頑張ったらいいと思うよ。』
『みんなジェシーのこと大好きだから、樹だけじゃなくて俺たちのことも想ってよね!』
メンバーがそれぞれの言葉で俺を応援してくれる。
だが樹だけは、浮かない表情をしていた。
『依存したままがいいな…』
「え?」
『ジェシーが俺に依存してるって考えてたら…なんかすっごい幸せで…』
「ふっまじで?じゃあ樹に依存しとこっかな〜」
『いやだめだって!仕事に支障きたすよー』
『でも依存されてたいー』
「どうしよっかなー」
『ねぇジェシー! 』
これまでのSixTONESの空気に戻ることができたように感じた。
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