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私は、真裏の部屋にいる彼の事が好きだ。
ちょっと馬鹿…いやかなりの馬鹿で、でも運動はできて。
めっちゃかっこよくてモテモテで、女の子を家に連れ込んでは抱いている。
知っている。クズな事なんて。
私が1番知っている。
私「恭平、私の事も抱いてよ」
恭「お前で勃ったらな」
私「試してみる?」
恭「…顔みただけで萎えるから無理」
私「サイテー!このバカ!」
恭「いでっ、うっさいねんこのチビ!」
いつもこの冗談を言い合っている。
私は本気だが、向こうは一切相手にしない。
幼なじみで妹のように扱われてきた私は、ほかの女みたいに初めの印象を良くする術がない。
初めから軽そうな女だったら、私は彼に手を出されていたのかな。
私「…帰る」
恭「え、はやない?」
私「恭平が余計な事言うから萎えたー」
恭「…あっそ」
私「なんであんたが機嫌悪いねん。」
恭「お前が余計なこと言うからや」
私「…ッこっちのセリフやわ!あっかんべー」
恭「ほんっっま可愛ないわー、」
私「黙れヤリチン」
恭「モテへん女は黙って家で自分磨きしときー」
私「…はぁ」
ひとつデカいため息をついて、恭平の部屋から自分の部屋へ窓を飛び移り帰った。
こんな簡単に自分の部屋から彼の部屋へ行けるのに、心の距離なんかは全く縮まらない。
私「はぁ…こんなに好きなのに」
一生伝わらないだろうし、一生叶わないこの恋にどう終止符を付けたら良いのか分からない。
私「…よしっ」
数日後___
今日は髪を巻いた。
休みの日しかしないガッツリメイクを今日は学校へして行く。
制服を着ているが、デートに行くような気合いの入った容姿。
私「自分磨き、しろって言ったもんね。」
可愛くなって、恭平に見つけてもらう。
少しだけで良いから可愛いって思って欲しい。
お願い神様、今日は私に運命を分けて。
私「おはよー!」
友「おは…えぇ!?なにっ可愛い、、どうしたの!?」
私「メイクして髪巻いてみた〜」
友「まじで…ちょっと見んな男子!」
私「…変、?」
友「可愛いから見られてんの、今日1人になんないでよ、?」
私「え、」
友「恭平以外に襲われても知らないよ」
私「そ、そんなこと〜」
友「まじで、知らないからね」
私「…はひ、」
なんだかんだでウケは良くて、男女から褒められテンションはMAX。
だけど恭平の周りには可愛い女ばっか。
私なんか、良くても”まぁまぁ”の部類に入れられそう。
私「…はぁ、」
男「ね、放課後どっか行かない?」
私「あー、そういうのはちょっと」
男「ノリ悪ーwてかなんで急にそんな可愛くなったわけ?」
あー、こいつウザ
私「好きな人が居るから」
男「ふぅん、誰?そいつ」
私「恭平」
男「…恭平ってあの遊びまくってるって言う?」
私「そうだけど、なに?」
男「うっわ…マジかよヤリマンだったの?w」
私「は、?」
男「おーいこいつ恭平先輩が好きらしいぜ!?」
私「ちょっ、」
男2「おいマジかよ、、可愛いと思ったのにもうあいつの餌かー」
女「恭平くんにあれは似合わないっしょw」
女2「あんた抱かれたからってそんな言い方w」
女3「まぁでもそれぐらい可愛くて愛想なきゃって事〜!w」
あ、最悪かも
あんなに褒めてくれてたのに、恭平の話した途端これ。
みんな恭平のこと知らないくせに。
あの女だってたった1回抱かれただけで…
私「ッ、」
友「!待って!!!」
友達の声も聞こえない。
何も聞こえない。
廊下を走る私を止める先生の声も
私の事を”誰?”と噂するみんなの声も
私「っ…ぐすっ、はぁ、ッい”たっ」
最悪、痛い。
コケても走って、走って、逃げて。
聞こえない。全部。
私は恭平だけでいい。
恭平だけでいいから…
私「私…ッ、私は…は、」
恭「…何してんの?」
私「ッ!!」
私はこんなに恭平の事好きなんだよ。
私の事も女の子として見てよ。
私「好きなの…抱いて欲しい」
古い校舎、人気はない。
2人っきり、、
恭「…誰に泣かされた」
私「…コケた」
恭「嘘つくなや」
私「…ボロボロになっちゃった」
恭「なにが?」
私「頑張ったのに…可愛くなろうって」
恭「…可愛ええから、」
私「嘘…つかないでよ。」
恭「ッ…ちょっとこっち来い」
私「痛いッ!離し、んっ」
恭「…は、分かったからちょっと黙れって!」
私「…最悪」
恭「…ごめん、膝赤いし、一旦保健室行こうや」
私「…ん」
こんなボロボロで、ボサボサで。
目だって泣きじゃくって真っ赤だろうし。
こんな顔でキスなんかされたくない。
もっと完璧な状態で、
もっと可愛い状態で、、
恭「誰もおらんのかい」
私「今日は保健室無人だよ」
恭「なんで知ってんねん、てか言えや」
私「無人の保健室ってやらしいじゃん?」
恭「…あのなぁ、」
私「メイク直して、髪も友達にコテ借りて直すから、ちょっとまってて。」
恭「はぁ?なんで」
私「この後、保健室には誰も来ないから。だから私の事、」
恭「抱かんよ」
私「…え?」
声が震える。
拒否されるって分かってたけど、やっぱりこんなハッキリ言われると傷付くなぁ。
魅力が無いなんて、とっくの昔にわかってた。
私はコイツの都合のいい女達みたいにはなれないんだって。
その中に入れないほど魅力が無いって。
恭「抱かんよ。こんな時に」
私「…どういう意味?」
恭「そのまま。ほら、 はよ入れや」
結局そのまま膝に絆創膏を貼られたりなんたりして、顔も涙を拭われてかなりファンデが落ちた。
私「やっぱさ、魅力ないって事だよね」
恭「なんの話やねん」
私「恭平って色んな女抱くでしょ?」
恭「…やめろその話」
私「事実じゃん。ヤリチン」
恭「…せやな、俺はヤリチンやな」
私「自分で言うのキモイね」
恭「ひど、、」
こいつは馬鹿で、女の子から告白されたらいつも抱いてる。
付き合わない癖に。
好きでも無いくせに。
私「好きでも無い女でおっ勃ててる癖に、私では勃たないなんてとんだ悪口だよね」
恭「…事実やから。」
私「ほんとに勃たないんだ」
恭「勃たんし抱けん」
私「…そっか、じゃあ私は失恋したワケだ」
恭「…なんで泣いてたん?」
泣いていた経緯を話して、私は彼の事が好きだということも告げた。
見上げた顔は、とても苦しそうで。
私に告白されるのそんなに嫌だったんだって
と言うか、告白された女の事全員抱いてんだもんね。私の事は抱かなくていいよ
私「私、両思いの人に抱かれたい。だから私のことは今までの女の子みたいに抱かなくていいよ。気にしないで…」
恭「…俺、」
私「じゃ、今日は帰る。」
恭「…ッ、」
もう終わった。
元通りにもなれない気がする。
さよなら私の恋。
ドロドロだった。
ボロボロだった。
もう二度と恋なんてしたくない。
そう思いながら保健室のドアノブを掴もうとした時
恭「待って、」
グッと後ろに引き寄せられ、自分より大きな体に後ろから包まれている。
私「離して」
恭「いやや、」
私「何が嫌なの。抱きたくなった?」
恭「…抱きたくなった」
私「…どこまでクズなの」
恭「ずっと抱きたいと思ってんねん」
私「へ、?ちょ、離して!」
グイグイと腕を引っ張られ、ベッドに押し倒される。
なんで、私の事なんて興味無いって風に扱ったのはそっちじゃん。
私「どういうつもりなの…」
恭「…俺も分からへん」
好きな人に見下ろされる感覚はとても胸が 苦しくなる。
だけど、彼の表情のせいでもっと
もっともっともっともっと…
私「…苦しい」
恭「俺も…」
保健室の、明かりもついてない薄暗い部屋で、ぎゅっと2人体を抱き寄せた。
くっつきすぎて1つになりそうなほど。
私「…なんで私はあんたの事好きなんだろ」
恭「好きに理由とかないやろ」
そんな言葉を投げ合っているけど、2人ともなんだか涙が止まらない。
私「なんで泣いてんの、あんたが」
恭「…なんでやろ」
私「なんか隠してる、?」
恭「ずっと隠してる」
私「…教えて」
恭「…あかん」
私「大丈夫だから…優しいの知ってるよ」
恭「ッ…ごめん、」
そう言って彼は、私に全てを話した。
女の子を片っ端から抱き続けていたのは、好きな人を忘れるため。
好きな人と付き合えないのは、自分がその人を幸せに出来る自信がなかったから。
友達としてそばに居られれば良いと思っていたから、その人に好きだと言われても冷たい態度を取ってしまっていた。
そしてその好きな人は、私だった。
私「…なんで言ってくれないの」
恭「…言ったら説得してくるやん」
私「付き合いたくないの?」
恭「…付き合いたくない。幸せには出来へん。もう俺汚いし…」
私「私は…恭平の事汚いって思った事ないよ。女適当に抱きまくってても、酷いこと言われても、私はずっと好きでいたよ。 」
恭「せやけどそれとこれとは話がちゃう。」
私「…私の事1番好きなら、キスして?さっきみたいに。」
恭「き…いや、さっきは衝動で、」
私「好きじゃないんだ、、」
恭「ッ、あ〜もう、 」
私「んっ…んぅ、♡」
恭「、あんま声出すな」
私「なんで?外には聞こえないよ?」
恭「…」
私「あぁ、勃つから?」
恭「ッ、ん 」
私「ふ、ぅん…んぁ♡」
恭「は、だから声、」
私「ん、すき…もっと♡」
恭「ッ…もうええやろ、好きならキスしろって言うたからしたんや。」
あぁ、愛されてるなって分かるキスだった。
みんなにこんな風なの?
私にだけ?
こんなに奥手なのは私にだけだよね。
遊びじゃないよね。
私「…勃ってる」
恭「…勃つやろ、好きなんやから」
でも…
私「他の女の子でも勃ってたし、女の子なら勃つんだね?」
恭「…お前やと思ってたら勃つからみんな勃つねん」
私「…えっそういう事?」
恭「俺が抱くって言うたのに勃たんの申し訳ないやろ。最終手段でお前のこと想像してた。まぁいっつもやけど。」
私「ふーんえっちーほぼズリネタじゃん」
恭「なんやねん…ほんま」
私「ふふ、本物が居るのに抱かないんだ」
恭「…あんまそういう事ばっか言うならほんまに抱くで」
私「ビビると思った?抱いてよ。いいから」
恭「…もしかして初めてやないん?」
私「…どうかな」
初めてに決まってる。
私なんか好きになる人いない。
抱きたいって思う人も居ない。
私だって抱かれたいのは恭平だけだったんだから。
だけど…どうするかな。初めてじゃないって言ったら。
恭「…どっちなん」
私「…初めてじゃ…ない…かも?」
…あ、怒ってる顔してる
ほんとに好きなんだな、ちゃんと。
恭「抱き潰す」
私「本気?」
恭「誰に抱かれたんや」
私「恭平が私の事見てくれないから練習がてら相手してもらった。色んなテクニック教えて貰ったよ?」
恭「…何人」
私「んー…恭平には負ける」
恭「…ほんまに嫌や」
私「なに、自分は女抱いてるくせにッんん!」
恭「…それ以上喋らせん。俺が1番気持ち良くしたる」
恭「…お前嘘ついたな」
私「はぁ、ここでバレるんだ」
恭「めっちゃ狭いやん、ふざけんな」
私「けど最後までしてね?恭平もここで辞められないでしょ。」
恭「はめやがって…ごめん、優しくする」
私「え、いいのに…」
恭「ドMなん?」
私「そんなわけ。でも恭平ならいいよ♡」
恭「馬鹿か。先に言えよ痛かったやろ指2本」
私「痛いけど恭平が入ってきたらもっと痛いでしょ?」
恭「…ふぅ、あんま煽らんといて」
結局バレたけど、全然普通に優しく抱かれた。
最後までしてくれた。
情けだったのかな。
でも…多分違う。
私「気持ちよかった?」
恭「過去1」
私「ふは、おもろ」
恭「ほんまに可愛ええ」
私「メイクも髪もボロボロなのに?」
恭「全部お前よりずっと前から好きやねん。」
私「私の初めて奪った責任とってね」
恭「…そこが狙いか」
私「当たり前♡」
恭「俺じゃ幸せになれへんかも。」
私「幸せだよ、昔も今も恭平の事好きで。 」
恭「…俺も幸せ」
またぎゅっと2人、1つになりそうなほどくっ付いて抱き合った。
私「大好き」
恭「俺も」
《抱けない》