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――今日の有兎家。
🦔「あれ?なんか足りなくない?」
そんな泰の一言からこの騒動は始まった。
🍬「足りない……?」
🍄「なんで?どういうこと?」
何が足りないのか。そう、プリンである。
8人兄弟の有兎家は三個パックのプリン三つないと足りない。その時、もちろん一つ余るはずなのだ。
しかし、その一つ余る、が足りないのだ。
🍬「だれ?マジで僕の二個目のプリン取ったんだれ?」
⚔️「名乗り出ずにもう一個食べようとしてるってこと?」
🐸「ぬこ?」
🍬「違うって!そんな卑怯なことしない!ちゃんとみんなの同意得てから食べてるやんいつも!」
🧸「泣き叫んでるけど。それほんまに同意か?」
プリンを食べ始める前に、まずは犯人探し。犯人を炙り出さない限りそいつが二つ食べることになるのは避けなければいけない。
容疑者は全員。ただ勝手にプリンを食べそうな人はそこから絞られてくる。
🏋️「まぁ、高校生3人の誰かでしょ」
🍄「これしょーぐんさんかもしれんぞ」
🏋️「え?」
⚔️「その可能性あるか普通に」
🍬「自分逃れようとしたな今!!」
🏋️「えぇ…?」
こういう時は連携しだす高校生3人に翔狗も思わず困惑する。
そして、有兎家は何事にも全員がガチである。特に食べ物に関しては。
🦔「えー、犯行予想時刻はいつなんですか?」
🍬「僕が学校から帰ってきて冷蔵庫見た時はまだあったよ。6時過ぎくらいかな?」
🐸「てかさっき夜ご飯作った時にもあったな、7時半とかまではあった。」
🧸「え、てことはみんなリビングにおるのに食ってるってこと?」
🍄「バケモンやん」
千流の証言を正とするのであれば。
千流が冷蔵庫から食材を出し終わったあと、料理してみんなで夜ご飯を食べる、その1時間半くらいの間にプリンが盗み出されたことになる。
ここで有兎家の間取りの話。有兎家はキッチンからダイニングが見える間取りで、つまりダイニングからキッチンを見ることもできる。
料理中なら千流がキッチンにいる。そして食事中なのであればキッチンに行くのは食器を片付ける時のみ。それ以外で誰かがプリンを盗み出すことはできない。
🦂「不可能に近くない?てか、食べる時間なくない?」
🦔「じゃあ身体検査でもする?」
🍬「てか僕は絶対に無理じゃない?最後までご飯てべてて、僕が食器片付けた時泰さんが洗い物してたもん」
🦔「そうだね、ぬこちゃんは絶対に無理だね。」
🐸「じゃあぬこちゃんがみんなの身体検査するか」
🍬「りょ。」
一人ずつ一人ずつ、雅が身体検査をしていく。
🍬「いや、誰も持ってないな……」
❄️「んー、じゃあ部屋に隠したとか」
🐸「まぁ、瞬間移動系の能力持ちはうちに居ないからリビング、キッチン、トイレのどっかかな。」
🦂「もしトイレにあるんだったらなめこくんか俺か文鳥の3択になるけど」
⚔️「僕も行ってるな」
🦩「じゃあ四択か」
リビングの至る所、トイレ、キッチンの方も捜索を始める、と。
🍬「あ、?」
⚔️「あった?」
🍬「ゴミがあった。ほら」
🦩「食べてんの?!」
キッチンの家具の影。長さの計測不足でできたデススペース。そこにプリンのゴミとぬいぐるみが一つ。
🍬「まさかお前が犯人なのか、みーちゃん。ついに自我が芽生えてしまったか」
❄️「うっそでしょ」
🏋️「そんなことあり得るの?」
🍬「まぁ、使ってるの魔法の毛糸だからね。自分で動き出してもおかしくはないかも。」
魔法っていうのは何が起こるかわからない。魔法の毛糸も、未だに詳細な効果が分かってない。
このぬいぐるみに自我があるんだとしたら、やはり子は親に似るのか。雅が食いしん坊だからその雅の作ったぬいぐるみも食いしん坊になっている可能性は大いに高い。
みーちゃんという名前がつけられた雅が魔法の毛糸で初めて作った猫のぬいぐるみ。プリンのゴミと一緒にいたのと、その口元と手にプリンがついてたことでほぼ犯人確定になった。
🍄「てことはぬこちゃんが犯人ってこと?」
🍬「違くない?!」
🏋️「まぁ、全員分はあるんだし、誰かが二個食べてることもないしいいんじゃない?」
🍄「今回は許したるか」
🍬「だから違くない?!僕犯人じゃないでしょどう考えても!」
⚔️「うるさい」
🍬「はぁ?」
みーちゃんが雅の腕に飛び乗り、肩までよじ登ってくる。
新しい家族(?)が増えた有兎家は今日も平和な空気が流れている。
🍬「てかみーちゃん僕のプリンかえしてよ」
⚔️「たまには一個で我慢しなよ」
🍬「えー」
🦩「はい、ぬこみやくんぶどうあめ」
🍬「やったー」
🍄「はぁ?ぬこちゃんだけずるない???」
🍬「残念だったな」
喧嘩してるのに平和なのかって?
それはもちろん、有兎家での喧嘩は平和の象徴なので。