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🍬「無理!わかんない!」🧸「いい加減にしてくれ何回言ったらわかんの?」
🍬「無理だもんわかんないもっとわかりやすく!」
有兎家の休日は基本的に家でゲーム大会か買い物に行くか課題に追われるか。そして今日は課題をやる日。
課題をやるだけのはずなのになぜ喧嘩が勃発しているのか。
🍬「あえちゃん教えんの下手くそすぎ!」
🧸「理解度の問題やろ」
🍬「だってわかんないんだからあえちゃんが悪いじゃん!」
🦩「まぁまぁ落ち着いて。一旦冷静にならんと進まんて」
喧嘩の原因は雅の頭が悪すぎること。
比較的高校の時の記憶が新しくて、頭の回転の速い阿英が基本教えているところで、理解が遅すぎるあまり、全然問題が進まず、雅のやる気が尽きかけている。
希那は3年生に教えるのに手一杯で、泰と千流は買い物に行っていて、翔狗と陽桜は仕事。雅に教えるのは阿英しかいない。あと文悟。
🦩「じゃあまず問題もっかい読み上げよっか。どれ?」
🍬「えーっと次の問題は、連続した三つの自然数のうち、最小のものの平方が他の2数の和に等しい。この3数を求めろ。ってやつ」
🦩「あー、これめっちゃ簡単じゃない?」
🍬「難しいから詰まってんでしょうが!」
べチッと文悟の頭を叩いたあと、問題ともう一度睨めっこする。
でもそのあとすぐに天を仰いで寝転がる。
🧸「まず3数を求めんねん」
🍬「それが求められたらそれが答えなわけやん!」
🦩「ちょっと答え見してよ、ある?」
🍬「これ、文鳥にぃ教えてや。あえちゃん役にたたん」
🧸「はぁ?」
文悟は答えと解説を見たあと、ふぅと一息ついてから問題に向き直る。
そして雅の体を起こすと解説を始めた。
🦩「まず、3数を置き換えるところからはじまるのね、一旦最小の数をnとして考えてみて」
🍬「数字をアルファベットに置き換えないでくれる?」
🧸「そう言う単元やねん二次方程式って。」
🦩「そしたら他の二つはどう言うふうに表される?」
🍬「どういうこと?oとp?」
🦩「アルファベット順に並べんな」
雅はもう完全に集中力が切れてしまっていて、ペンを持って紙に何か書いたと思えばそれは猫のイラスト。全く真面目に考える気が消え失せてしまっている。
🧸「あーもうわかった一回お菓子食べよ」
🍬「やったー!おっかしー!」
🦩「何があった?普通にポテチ開けようや」
🍬「さんせーさんせー」
ポテチの袋を開けてみんなでつまむ。まぁもちろん食べた量で喧嘩も勃発するわけで。
高校生3人組の喧嘩が多いのは言わずもがなだが、阿英と雅もすぐ喧嘩する。なんなら一番喧嘩してるかもしれない。ポテチ食べた量なんて、保育園児とかがやるような喧嘩までもするくらいなんだから。
🧸「あーもうええわ、今日課題終わらすまでスマホ禁止で許したるわ」
🍬「ふざけてんのなんで僕だけ悪いみたいになってんの?そのくらいで怒るのが悪くない?心狭くない?」
🦩「課題終わるまでなんだったら終わらせちゃえばいいやん、ほら、座って座って」
自分の隣の椅子をぽんぽんと叩き、立ち上がって阿英に抗議していた雅に座るように促す。
流石にスマホがさわれなくなるのは嫌だったのか、阿英の言うことに縛られるのが嫌だったのか、意外にもすんなり席についた。
🍬「で、なんだっけ」
🧸「連続する三つの自然数で、最小の数がnだったらその他二つの数は何になるん?」
🍬「いやだからどういうこと?」
🦩「最小が1だとして、連続する三つの数は何になるかはわかるよね?」
🍬「2と3でしょ?」
🦩「どうやって求めた?」
🍬「数えt🧸「式にして」え、1+1?と1+2?じゃない?」
🧸「じゃあ最小の数がnのときは?」
🍬「n+1とn+2?」
🦩「お、正解!」
二人の厚いサポートの上でやっと1ステップが進んだ。しかしこの問題はここからが本番、ここからが計算である。
🦩「問題文で示されている条件はなんですか?」
🍬「……最小のものの平方が他の2数の和に等しい?」
🧸「そうやね、それ踏まえて式作ってみて」
🍬「えー、平方ってなに?」
🦩「二乗された数。」
🍬「n^2=(n+1)+(n+2)ってこと?」
🧸「できるやん!それ計算してnの値求めたら答えでるよもう」
🍬「え、🦩「まず括弧外して同類項をまとめる」先読みしないで。2n+3?」
🧸「移項」🍬「なんだっけ、あ、こうだ!n−2n+3!」
🦩「んー惜しい!」🍬「あ、n−2n−3か。」
なんだかんだ言って、雅に全く教養がないわけではない。考える気がなかったり、覚えるのがめんどくさくなったりするだけ。それが致命的なんだけれども。
🍬「まさか、これは二次方程式を解かないといけない……?」
🧸「そう言う単元やから、これが本題なのよなんなら」
🍬「………………1と−3?」🦩「うん、解が?」
🍬「n=−1,3……で、自然数だから3だけだ!3数は3、4、5!!」
🧸「正解!はい次!」
🍬「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
雅のお勉強はまだまだ続きそうです。果たして泰や千流が帰ってくるまで、なんなら日が変わるまでに終わるのだろうか…。