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「聞く?」
「いいのかよ」
「うん」
私の家は母子家庭だった。
父親は暴力が理由で離婚した
私は母親の一人娘だった
母親は唯一残った私を大切にしてくれた
だけどそんなのは初めだけだった。
私は学校に行かなきゃ行けないから
お昼時は母親1人
母親は仕事を探して毎日毎日家にいなかった
私は1人で家のことをした
洗濯,料理,洗い物,家の掃除
全部全部私ひとりで
でも全然苦しくなかった
母も1人で頑張ってたから。
私も頑張らなきゃ行けないって思ってた
でもある日を境に
母親はギャンブルにハマった
毎日帰ってこないのはそのせいだった
それが発覚したのは私が学校から帰っていた時
帰り道に小さいパチンコ屋があった
そこで偶然店から出てくる母親を見た
初めは人違いなんじゃないかって
すごく疑った….
でも母親で間違いなかった
14年間一緒に暮らしてる親を間違えるはずないから。
絶対そうだと思った
でも私は母親をそんなんじゃ見捨てない。
「お母さん何してるの?」
「お母さんねこのお店にハマっちゃったの!」
「〇〇お母さんねこれでたっくさんお金集めるから」
「幸せになろうね」
「え」
「お母さん?」
「目を覚まして?!」
「そんなんじゃお金だって溜まるかも分からないし」
「幸せになんてなれないよ」
「は?」
「なんで決めつけるの」
「もういいお酒買って帰るから」
「家の事ちゃんとやるのよ?」
「え、」
「え、じゃない!」
「返事は?」
「はい…」
いいの、
そうだよお母さんが幸せなら…
私は我慢出来る
こうやって生きてきたんだから
今まで通り、家のことをちゃんとやって
お母さんが帰るのを待てばいい
でもお母さんはその日、帰ってこなかった
お母さんが帰ってきたのは次の日だった
「あぁ〇〇」
「ただいま」
「お母さん負けちゃった」
「ごめんね〜〇〇」
「負けちゃった?」
「そうパチンコで負けたの」
「だからお金無くなっちゃった〜 」
「え、」
「お母さんさ、」
「そろそろ目覚ませば?」
「馬鹿じゃないの?!」
「パチンコなんて行ってさ1回も家の事やらないで何してんの? 」
「仕事探してるのかなって、」
「お母さん頑張ってるんだったら私も頑張らなきゃって思ったらこれ」
「なに?」
「だったら何よ!」
「私は休憩もしたらダメなの?」
「お父さんがいたらもっと楽なのにね」
「全部お父さんが悪いのよ?」
「もういい」
「〇〇?」
「お母さんを置いてかないでね?」
「お母さん、〇〇がいないと生きてけない」
お母さんが私がいないと生きていけないのは
私の事が好きだからじゃない
ただ単に家事をしてくれるから。
でしょ
私は所詮お母さんの召使い
こき使われても文句は言えない。
「お母さん」 なんて呼びたくない
大っ嫌い。
「ねぇ」
「〇〇さ成績、なんでこんなに悪いの?」
「ごめんなさい」
「ちゃんと努力はしてる、」
「努力してる人はねこんな成績にならないの」
「はぁ、」
「出来損ないの子」
「え?」
「あんたなんて産まなきゃ良かった」
「いらない」
「こんな子」
「いらない」
私も。
こんなお母さん
いらない
嫌い。
私の事なんて微塵も好きじゃないくせに
私の名前を呼んで
家のことは全部やらせて。
パチンコに行くためのお金は私が汗水垂らしてバイトしたお金
中学生でバイトなんて、
聞いたことないから。
あんたのせい。
全部、全部
「あんたのせいでしょ?!」
「あんたが私を見てくれないから」
「放っておくから」
「どうせ自分の子供なんて1ミリ も思ったことないくせに 」
「私の名前を読んで、」
「あんたが遊んでるお金、」
「誰が払ってると思ってんの?」
「家の家賃も、」
「私だから、」
「あんた?」
「そう、貴方は私のお母さんじゃない」
「自分で言ったんじゃん」
「お母さんはね」
「〇〇のこと大好きだから」
「お願い」
「どこにも行かないで」
「お母さんを置いていかないで」
父親と離婚したのは
私が6歳の時。
あの時は何が起きてるのか分からなかった
ただ、父親がすごく嫌いだった
だから6歳ながら気を使って、気を使って
相手の顔色伺って生きてた。
それは父親がいない今でも。
なんだよ、
なんにも変わらないじゃん。
ただの召使い。 だもんね
私が7歳になった時。
そう、母親と二人きりの生活になってから
1年。
初めて事件が起きた
母親はやっぱり
暴力をするような『父親』という存在でも
急に居なくなることは精神をおかしくしたらしい
7歳。
私が朝起きると荷造りをする母親。
「なにしてるのーお母さん!」
「どこかいくの?」
「うるさい!」
「黙ってなさい」
「もうお母さんはあんたのお母さんじゃないの」
「さよなら〇〇」
「まって!」
「お母さん、」
「おいてかないでよ!!」
「いかないで」
「いったらだめ!」
1度出ていこうとしたくせに。
それがなかったかのように
次の日に母親は帰ってきた。
「ごめんね〇〇」
「お母さん、〇〇のこと大好きだから」
「お母さんのこと見捨てないでね」
「うん!」
「わたしもお母さんのこと大好き!」
今考えると、
騙されすぎてた
お母さんが私に対して「大好き」って言ってくれるだけで本当に嬉しくて。
その日は最高の日。
とか思ってた,,, でも今は違う。
そんな日が数年続いた
そしてある日。母親は帰ってこなかった。
前みたいに次の日に帰ってくる こともなく。
ずっと、
ずっと、
何日経っても
母親は、
私の知らないところで新しい彼氏でも作ってるのかな
それとももう、
亡くなってるかな。
私を覚えてるのかな
もう召使いじゃなくていいんだよね。
私は自由。
誰の指図も受けない。
そんなことを思い出して今日も夢を見た。