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テラーノベル(Teller Novel)
スノ短編集

スノ短編集

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5

大人の味💜🤍

♥

20

2023年11月12日

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※ラウール成人前の設定です!



とある日の楽屋。僕はふと甘いものが飲みたくなり、飲み物を買いに行こうと立ち上がった。すると俺の動きに反応して、スマホをいじっていたふっかさんが顔をあげた。

💜「ん?ラウどこ行くの〜?」

🤍「ちょっと飲み物買いに行こっかなって」

💜「あ、俺も行くー!さっき全部飲んじゃったんだよね」

そう言って、ふっかさんはカバンをごそごそしてお財布を取り出した。

🤍「そうなの?じゃ一緒に行こう!」

💛「あれ、2人ともどうした?」

少し離れたところにいた岩本くんが、僕たちの様子に気づいて声をかけてきた。

💜「ちょっとラウと飲み物買ってくるわ〜」

💛「ん、わかった」

💜「行こっか、ラウ!」

🤍「うん!」


他愛ない話をしていると、あっという間に自販機の前に到着した。

💜「ラウは何飲むの?」

🤍「んー、オレンジジュースかなぁ」

お金を入れてボタンをポチッと押すと、ガコン!と雑に出てくるジュース。

💜「俺どうしよっかな〜。あ、コーヒーにしよ」

そう言って、ふっかさんはブラックコーヒーのボタンをポチッと押す。

まだ1度も飲んだことのないブラックコーヒー。どんな味なんだろう、と缶を開けて飲んでいるふっかさんを見つめる。すると、ふっかさんと目が合ってしまった。

💜「ん?どった、ラウ」

🤍「え、いやあ、ブラックコーヒーってどんな味なのかなーって」

ふっかさんは少し考える素振りを見せた後、笑って言った。

💜「たぶん……ラウにはまだ早いんじゃないかな〜」

俺はふっかさんの言葉に少しムッとして返した。

🤍「何それー。1口飲ませてよ、絶対飲めるから」

💜「いや、やめといた方がいいんじゃ……」

🤍「大丈夫だから!」

俺はふっかさんの手から強引に缶を取ると、その勢いのまま数口飲んだ。口の中に広がる苦味……

🤍「……うわぁ」

思わず顔をしかめる俺。ふっかさんは俺の様子を見て、ダハハハ!と笑う。

💜「だから言ったじゃん!ラウールにはまだ早いって。今すっごい顔してるよー?」

🤍「うう……いけると思ったのになぁ」

💜「まあ、もうちょい大きくなったら飲めるようになるよ」

そして得意気な表情でコーヒーを飲むふっかさん。すごくイラッとしたけど、俺が飲めなかったことは事実なので何も言い返せなかった。

💜「んじゃ、戻ろっか。撮影そろそろでしょ」

コーヒーを片手に歩くふっかさん。その背中が、さっきの口に広がった苦味と相まっていつも以上に大人に見えた。

💜「んー?ラウー?」

気づかない内に足が止まっていたようで。ふっかさんが柔らかい笑顔を浮かべて振り向いた。

🤍「あ、ごめんごめん」

慌てて追いかけて、隣に並ぶ。

💜「ぼーっとしてたけど大丈夫?あ、もしかして俺に見惚れてた?」

🤍「……まあ、そんなとこ」

💜「ええ!?否定しないんだ、珍しい!」

🤍「いや、ふっかさんはいつもかっこいいよ」

そう言って真剣な眼差しでふっかさんを見つめると、ふっかさんは顔を赤くして照れる。

💜「ちょ、やめてよラウ……」

🤍「アハッ、ふっかさん照れた〜」


2人並んで楽屋までの道を歩く。コーヒーを飲むふっかさんを片目に、甘いオレンジジュースを1口飲む。……俺にはまだ、大人の味が似合う男の人にはなれそうになかった。

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