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𝑷𝒓𝒐𝒍𝒐𝒈___
𝒈𝒐⤵︎ ︎
異変に気づいたのは、入浴しようと服を脱いだ時だった。
「ふぃ〜……つっかれたぁ」
その日も賑やかな動画撮影を終え、メンバーとの雑談でひとしきり盛り上がった後、うりは自室に戻っていた。
温かい湯船に浸かり、今日の疲れを流そうとバスルームへ向かう。
慣れた手つきでTシャツを脱ぎ、ズボンを下ろす。
いつものように鏡に映った自分の姿を確認しようとした、その時だった。
「……なにこれ」
左の肩甲骨の下あたりに、それはあった。
皮膚の表面に浮かび上がった、まるで墨を散らしたような黒い斑点。
不規則な形でありながら、よく見るとそれは、小さな桜のように見えた。
しかし、色はまるで闇夜の底から這い出てきたような漆黒で、美しいというよりは不気味な印象を放っている。
触れても痛みはない。熱を持っているわけでもない。
ただ、そこにある、というだけ。
「うわ、なんかかっけーじゃん。タトゥーシール貼ったみたい」
ファッションタトゥーのような感覚で、彼は不思議な紋様をまじまじと見つめた。
まさかこれが後々、自分を、そして大切な仲間たちを深く蝕む呪いの始まりだとは、この時のうりは知る由もなかった。
「まぁ、いっか」
そう呟いて、うりはいつも通り、湯船へと身を沈めた。
見てくれてありがとう!
🌸𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎