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いつもと変わらない家族
いつもと変わらない活動仲間
いつもと変わらない友人達
いつもと変わらない日常──────……
『なぁぺいんと!』
『これ、めっちゃおもろくね?!w」
いつもと変わらなかったはずの日常がこの海のように綺麗な青い瞳に魅入ってしまい180度変わってしまった。
画面を開けば大好きな彼と愉快な仲間たちがいる。今日はみんなで雑談後ヴァロをする予定だ。
pn「わりぃ!ちょっと遅れたわ!w」
「ぺんさんじゃーーん」
gt「もしかして編集してたんすか?w」
pn「そーそ!wまじ今回の動画しにがみくん何言ってるか全く分かんなくて…www」
gt「www」
らっだぁも通話にいるはずなのに挨拶がこないなと思っていたらポロンというミュート解除の音がした。
rd「あれ?!ぺんちゃんいつの間にいたの?!」
pn「お、らっだぁじゃん!トイレでもしてたの?w」
トイレ実況?wと茶化せばいつもの調子で煽られる。こうやって彼と笑い合える日々がずっと続けばいいのに。
───────────
────────
───……
rd「おつかれっした〜」ポロン
「お疲れ〜」ポロン
カニピンとらっだぁが通話から切れたのを確認し、俺はぐちーつに愚痴をこぼす。
pn「ぐちーつぅ〜…」
gt「なんすかなんすかw」
pn「今日もらっだぁがかっこよかった……」
gt「よかったっすねwww」
ぐちーつは俺が唯一らっだぁが恋愛的に好きだと知っている人だ。日常組のみんなにも言おうかとは思ったが、しにがみくん辺りにバレたらめんどくさそうだと思ったのでやめた。
pn「てかいつも思うんだけどさ…、カニピンとらっだぁ仲良すぎじゃね?!」
gt「まー…確かにそうっすね〜…」
いつも二人で話してたり喧嘩してたりしてカニピンとらっだぁは付き合ってるのではないかと思うほどに二人は仲良しだ。正直羨ましくてしょうがない。
pn「…本当は同居してて付き合ってたとしたら、どうしよう………」
gt「いやいや!ないですよ!そんなこと!」
俺がぽろっと溢してしまった言葉にも反応してくれて、慰めてくれる。俺はいい友を持ったなぁと心の底から思った。
pn「とりあえず今日はもう寝ることにするよ…ぐちーつありがと」
gt「別に俺なんもしてないっすよwじゃ!お疲れ様でした〜」ポロン
俺はスマホを手に取り、椅子の背もたれに身を任せる。X(旧Twitter)を開いて『#らだぺん』で検索。するとファンアートたちで画面が溢れかえる。いいねは押さずに画面をスクロールしながらイラスト達を見る。
pn「ぉわ!!!すっげぇ!!!!!」
画面にはこれぞ神絵!というほど上手なイラスト。よくこんなに上手なイラスト描けるなぁと尊敬しつつ俺もらっだぁの密着具合を見て口が緩くなっていく。
気づけばもう深夜3時になっており俺は慌ててスマホを閉じてベットに潜る。
早く寝て明日の配信に備えよう、俺は明日もらっだぁといられる喜びに胸を弾ませながら夢に落ちた。
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───────────
─────……………
sn「じゃ!お疲れ様でした〜!」
kr「お疲れ〜」
tr「お疲れ様で〜す」
pn「みんなお疲れ〜」
締めの挨拶をして各々のタイミングで通話から抜ける。俺は通話を抜け次第今度投稿予定の動画の編集に取り掛かる。明朝体とゴシック体のところを見極め、カットの場所やピー音など編集が必要なところをどんどん変えていく。
編集が終わり、ふぅっと一息をついて飲み物を飲み眼鏡を外す。編集の時は効率を図るために眼鏡を掛けることにしている。その方が画面も見やすいしなにより仕事出来る人って感じがしてかっこいい。俺は動画の自己採点をし、今回の出来栄えを噛み締めていると一通の連絡が届く。
pn「ぐちーつからだ…『ぺんさんもう約束の時間ですよ』?!?!」
時刻は約束の時間から1時間も過ぎていた。俺は慌ててDiscordを開いて通話に参加する。二日連続で遅刻するとか…時間ルーズ過ぎるだろ!!
pn「ごめんまじまた遅れ─────」
rd「ちょ…ッwなるせやめろwww」
「お前こそやめろよ!!www」
俺が入ってきたことに気づいてない?それくらい2人でお話しするのが楽しい?やっぱり俺なんか────………
けほっ
ただの咳、そう思っていたのに口から出てきたのは唾液ではなく花びらだった。少し淡めの青い花びらは宙を舞って手の甲に落ちる。俺は思わず声を出す。
rd「あれ、ぺいんと?!いたの?!てかどうしたんだよ間抜けな声出してw」
「ぺんさん大丈夫そ?」
pn「ぁ、いや…大丈夫大丈夫!w」
改めて時間を見てそんな経ってたかぁって思っただけだと誤魔化せばみんな騙されて俺が遅刻してきたことを茶化してくる。だが、いつもなら真っ先に茶化してくるらっだぁだけ無言だったことに俺は全く気づかなかった。
「カバー頼む!」
rd「やったやった!!」
pn「こっちも倒した!!…けほっ」
またひらりひらりと花びらが宙を舞い、手元が咳で狂って敵に殺されてしまった。ゲームに支障が出てしまうのなら明日は病院か…なんて思っているとぐちーつが心配そうに話す。
gt「ぺんさん大丈────あ″あ″あ″あ″!!!」
が、会話の途中で敵が来たのかほぼノイキャンされた断末魔が響く。
rd「www」
pn「ぐちーつぅ!!w」
gt「すんません…ッすんません…ッ」
rd「フハハwww」
「wwwwww」
彼の目によく似た海のように綺麗な青色の花びらがひらひらと宙を舞う。先程の淡い色とは比べ物にならないくらい鮮やかな青。ぼーっとその彼の瞳のような花びらを眺めていると俺を呼ぶ声がした。
rd「ぺいんと〜??」
pn「へッ?!なに?!」
rd「ああwいや無言だったからw」
pn「ごめんめっちゃぼーっとしてたわw」
嘘ではないが、「お前の瞳のようで見惚れていた」なんて言えるわけない。花びらが口から出てきたことも言っていないため、もしも見惚れていたなんて言ったとしてなんの話だよってなるだけである。
「ぺんちゃぁんぼーっとしてちゃ殺されちゃうぞぉ?」
gt「なんなら俺らが殺しに行きますよw」
pn「仲間割れしようとすんなってw」
rd「ゥハハwwwゥ ″ゲッホwwwwww」
pn「らっだぁ笑いすぎだろwww」
なんてまたに体調の心配はされるものいつもの雰囲気が続き、深夜2時をまわる。
rd「いや〜GGw」
「いやまじぺんちゃんナイスすぎた最後w」
gt「発狂しながらのキルwww」
pn「やめろってwww」
rd「ぅ〜し、じゃあキリがいいんで終わりま〜す。明日は〜…デルタルーンの方やろうかなぁ〜って感じ。」
gt「お疲れ様でした〜」
「お疲れ〜」
pn「みんなお疲れ様〜!」
rd「おっつ〜」
らっだぁが配信を切った合図を出すとみんな一気に脱力感に襲われる。そして各々明日の予定を確認したりツイートしたりする。
pn「ぐちーつ明日暇だったりする?」
gt「夜すか?」
pn「いや昼」
gt「何もないっすよ」
pn「じゃあ明日一緒に出かけようよ」
gt「お!いいすよ〜」
rd「え″〜!!!ぐちつぼだけずるい!!ぺんちゃん俺も一緒に行きたいんだけど!!」
pn「じゃあみんなで行かね??」
「え?おれも行っていいかんじ?」
pn「そりゃあ『みんな』だからね。なるせだけハブにするわけないだろ!w」
「え、ぺんさんイケメン」
rd「いーや俺の方がイケメン」
gt「らっだぁは顔面土砂崩れの間違いだろw」
rd「はぁ″?!」
pn「wwwwww」
pn「じゃあ明日の14時頃東京な!!」
rd「おっけ〜じゃあ俺寝るわ〜」
「俺も今日は寝ようかな〜みんなお疲れ〜」
二人が通話から抜けるとぐちーつは心配そうに口を開く。
gt「咳…大丈夫ですか…?あと昼に出かけるなんて何かやっぱりあった感じ…?」
俺はありのまま起きた事を話した。するとぐちーつは悩み込んだあとに言いにくそうに言った。
gt「その〜…それって…、『花吐き病』ってやつじゃないすか…?」
pn「花吐き病…?」
症状とまんま同じ名前過ぎて驚きつつも詳細を聞く。
gt「『花吐き病』。奇病の一つですよ。原因は人それぞれなんですが…ぺんさんの話を聞く限り今回の原因は『嫉妬』だと思います。」
そうか、俺は成瀬くんがらっだぁと仲良さそうだったから嫉妬したのか。今更そんなことに気づき無言でいるとぐちーつは明るい口調で「明日病院で診てもらいましょう!きっと処方箋出してくれますよ!」と言ってくれた。やはりいい友を持ったものだと思う。俺は一言お礼を告げて通話を切った。
名古屋から東京となれば時間は相当かかるため今日はもう寝てしまおうとベッドに潜り込んだ。
─────そう、ぐちーつとらっだぁが話しているとは知らずに…。
・ ・ ・
厄介なやつに捕まったと我ながら思う。
gt「なんすか…」
rd「別に。」
深夜2時を回り解散後、ぺんさんの慰め会を終えた今、俺はらっだぁに呼び出された。「今暇?」といつものお誘いが来て「今暇」と答えた瞬間通話がかかってきて出てみたら殺気の篭った声で「もしもし?」と言われた。きっとぺんさんのことで殺気立っているのだろう。とてもめんどくさい。
gt「要件があるならさっさと言ってくれます…?」
rd「分かってんだろ。」
ドスの効いた低い声。そんなに気になるなら本人から聞けばいいのに、なんて思うが口に出してはいけない。──そう、この人はぺんさんのことが恋愛感情で好きなのだ。
gt「ぺんさんの咳、ですよね。多分『花吐き病』かなぁって感じ。一応明日二人で病院に行くことになってる。」
rd「変なことしたら許さねぇからな」
gt「らっだぁが狙ってる相手に手は出さねぇってw」
rd「あっそ〜ぉ。ならいいけど。じゃあぺいんとのことよろしくね」ポロン
本当に嵐のような人だ。突然連絡してきて面倒臭い絡みされて話が終わったらすぐ通話を切る。いつも二人を慰める俺の身になって欲しい。嗚呼、本当に早く付き合って仕舞えばいいのに。
・ ・ ・
「らっだぁ!」
「んー?どーしたのぺんちゃん」
「これ見ろよ!この海、お前の瞳みたいじゃね?!」
彼のそんな柔らかな笑顔は俺の心を貫いた。
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────……
ぐちつぼとの通話を終えてベッドに横たわる。が、酷い吐き気に見舞われて急いでゴミ箱を手に取り嘔吐する。だが口に広がるのは胃液特有の酸っぱいような匂いではなく花の蜜の匂い。ゴミ箱の中も胃液と食べたものの混ざった吐瀉物ではなく花や花弁。
───そう、俺は重度の花吐き病なのだ。
原因なんて分かりきっている。ぺいんとへ抱く恋心のせいだ。あの海を見に行った日、俺は恋に落ちた。何度も叶わぬ恋だと諦めようとした。でもあいつはいつも思わせぶりな行動をして俺を釘付けにする。ふわふわとした太陽の色を吸ったようなオレンジっぽいくせっ毛の髪も彼のメンバーカラーである明るい黄色の瞳も一般男性よりすこしふくよかな体格のせいで女の子みたいな身体も凄く怖がりなところも誰にでも優しく正義感に溢れているところもたまに見せるふにゃりとした笑みもあいつの全てが好きで好きでしょうがない。思い出すだけで俺はまた何かが体内から迫り上がってくる感覚を感じる。あぁ、薬を飲まなくては。俺は処方箋を口に含み水で流す。すると酷い吐き気が少しずつなくなっていく。明日はみんなと出かけるし吐き気が無くなったら寝るか。俺はまたベッドに横たわり、朦朧とした意識の中でぺいんとのことをぼんやりと思い浮かべた。
以上です!続きはなるべく早く完成できるように頑張ります!!あと補足なのですが…重度の花吐き病だからといって人体に大きな影響が出るわけではないです!ただ体内が少し花に蝕まわれて食欲低下と定期的に酷い吐き気がくるって感じです!あとrdの方が何年も何十年も前に恋に落ちてます!で、花吐き病が起こったのも恋に落ちた翌日です!本編に入れる予定ではあったのですが、受験生という身で余裕がなく補足として最後にお伝えするだけになってしまい申し訳ありません!なるべく頑張りますので気長にお待ちいただけると幸いです!
では〜!