ソファの背もたれに身を預けて、寝息を立てるしょっぴーに静かに近づく
滑らかな頬に手を伸ばすと、ぴくりと体が反応するものの目を覚ます様子はない
ソファの座面に片膝をついて覆い被さる
薄く開いた唇に引き込まれるように、熱を重ねた
「っん」
僅かに声が漏れる
(起きてる……?)
唇を離すのと同時に、まつ毛がゆっくりと上がって、大きな瞳に自分の顔が映り込む
吐息が混じるほどの距離
(嫌がりも、驚きもしないんだ)
見つめあって数秒、しょっぴーが口を開く
「めめ、もしかしてだけどさ」
「ん?」
「あの日も、キスした?」
しょっぴーは平静を装ってるけど、じわじわと耳から頬が染まっていく
「…起きてたの?」
「ほぼ寝てたよ。だから、夢かと思ってたんだけど……」
「けど?」
「なんか感触がリアルだったし、、朝も抱きしめられてたし、、だから、なんか、その」
「もしかして、確認したいことってそれ?」
「うん」
「それで、寝たフリ?大胆だね」
「……だって」
ついに顔が真っ赤になる
添えたままの手から熱さが伝わってくる
親指でしょっぴーの唇をなぞった
「しょっぴーは、そんなふうに無防備にくちびるを許しちゃうの?」
「そんなわけないじゃん、……めめだからだよ」
手を添えたのと反対に顔を逸らして、手の甲で口を隠す
これはもうそういうことだ、ここで逃げるなんて選択肢はない
「しょっぴー、好きだよ。俺はしょっぴーが好きだからキスした」
「………………」
「嫌だった?」
「………嫌じゃないから困ってる」
「困るの?」
「だって………」
「なに?」
「…………俺の片思いかと思ってたから、その…………嬉しすぎて」
パッと顔を覆う両手も、隙間から見える顔も、髪から覗く耳も、紅葉色に染まっている
「しょっぴー、顔見たい」
「やだ」
「だめ」
しょっぴーの手首を掴んで顔の前から退ける
上に手を滑らせて両手とも指を絡ませてぎゅっと握ると、そっと握り返してくれる
恥ずかしさに首まで真っ赤に染めながらも、期待に煌めく瞳が見上げてくる
「しょっぴー、キスしていい?」
「…………いちいち聞くな」
「じゃあ遠慮なく」
そっと口付けて柔らかさを味わう
触れるだけのキスから、至近距離で視線が絡めば、今度はしょっぴーの方からもう一度
何度か角度を変えて触れるだけのキスを繰り返す
くちびるが離れるたびに、交わる目線は徐々に熱が上がっていく
「んんっ」
しょっぴーから声が漏れたのを合図に、顔を離して、片手でもう一度頬を撫でる
「しょっぴー、聞かせて?」
「…………………」
目元を親指で軽く撫でれば、潤んだ瞳の奥で光が揺れる
「ねぇ?」
「………………おれも………めめが……すき」
「嬉しい。しょっぴー、俺と付き合ってくれる?」
「………うん」
「ふふ、大事にする」
「……………ん」
繋がれたままの片手がぎゅっと握られる
「…………めめ」
熱の上がった双眸が揺れる
(なんだろ?……キスしたいのかな)
「ふふ、もう1回ね?」
「ん」
少し口角が上がって嬉しそうな顔をする
さっきよりもゆっくりと重ねるだけのキスを繰り返して、しょっぴーの花唇を味わう
「………………ぎゅってして」
「おいで」
小さくつぶやいて、腕を伸ばしてくるしょっぴーを抱き寄せて、俺の膝の上に向かい合わせに乗せる
少し目線が高くなったしょっぴーと視線がぶつかる
その瞳の潤みが甘く蕩けて見える
しょっぴーが少しだけわがままになったのを感じ取って、それがなんだか胸を躍らせる
コメント
4件
紅葉色!!!気づかなかった😳

