テラーノベル
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そろそろ日付が回りそうになった頃、俺は気づいた。
終電、無くね?
サッと血の気が引いた。
プレゼント交換もまだしてないし、めちゃくちゃ楽しく飲んでいた途中だったのだが、ふと時計をみると11:45…。
終電、間に合わなくね?
いや別にダッシュでいける距離だが、二駅だし。
まあ行けるかー、と呑気なことを思っていると、龍さんが気づいた。
「あれ、終電…」
「二駅なんで大丈夫です。30分?くらい?」
「泊まってく?」
「ぶふッッ…ゲホッ…え??」
「ん?龍ちゃんは泊まるよ」
あっ、なるほど。てっきり二人かと思ってしまった…。
でもお泊まりセットは無いので、丁寧に断ろうとした。
「服とか全部家なんで、まあ大丈夫です。運動になるだろうし」
ニコリと笑ってそう言うと、ジンさんは笑って頷いた。
が、龍さんがなぜか立ち上がってこちらへ歩いて来て、肩に手を置いて耳元でこう言った。。
「ジンさんが人家に呼ぶの珍しいんです。あと、オモロいこと絶対あるんで泊まれください」
ほぼ脅し。
ジンさんは何が起きているか分かってなさそうだが、俺はYESしか言えなかった。
「アー、ヤッパリィ…お言葉に甘えようカナァ…今から30分…遠いしなぁ…」
チラチラとジンさんの顔色を伺うと、少し明るく笑った。
「そっか!確かに遠いもんなぁ、服とかは安心して?新しいのあったはずやから。客室もあるから好きな方使ってな!」
客室あんの…?二つは確定ってこと?
何度目かわからない驚きを体感していると、横からの圧は消え満足そうに頷いていた。
クリスマスが終わる前にプレゼント交換を始める。
「えっと…こっちが龍さんで、こっちがジンさんです」
「俺もですか」
「はい!」
「ありがとうございます…嬉しいです」
「シンくん優しい~」
と言いつつ、お二人もしっかり二つ用意してくれていた。
すごい持ち上げてくれるこの人達。
それぞれプレゼントを貰ってから、中を見てみる。
「お、シャーペンと手帳」
「何が良いか分からなかったので…」
「ちょうど買いに行こうとしてたので、嬉しいです」
「あ、それいつも龍ちゃん使っとうやつやん」
「はい。流石ですね」
「いやいやいや…」
かなりお高めのを選んだのだが。
「ジンさんは…」
自分の分を開ける龍さんを、ジンさんはニコニコと見守る。
箱の中身はハムスターのコップと、大人なレターセットだった。
「この前割ってたやろ~?やからコップ」
「…俺のこと分かりすぎてて腹立ちます」
「えぇ?」
喜んで…?もらえたようで、ジンさんは満足そうに笑った。
次にジンさんが龍さんからの箱を開けると、中身は人形とペンだった。
まん丸手の平サイズのもちもちとした黒猫の人形、茶色の猫が沢山書かれたペン。
それを見たジンさんは嬉しそうに笑った。
「あはっ、かわいこれ。ありがと龍ちゃん」
「いえ」
随分気に入ったようで、少し人形を触ってから俺の箱を開けた。
中はキーホルダーとコップ。
ジンさんそっくりの猫のキーホルダーと、こちらも猫の書かれたシャボン色でガラス製のオシャレなコップ。
期間限定というのでつい…。
喜んでくれるだろうかとドキドキしていると、ジンさんは嬉しそうに声をあげた。
「かわい!このコップ高かったやろ?買おうか迷っとったんよ…えぇかわいい、ありがとシンくん」
いつもより声をワントーン高くしてそう言った。
羽海汐遠
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龍さんに顔で自慢している。
ホッとしていると、自分が開けていないことに気づいて紐をほどいた。
龍さんからは、美味しそうなコーヒーとクッキーを貰った。
これまた良いところの…。
「消え物がいいかと思いまして」
「ありがとうございます、美味しくいただきます!」
明日の3時を楽しみにして、ジンさんの方をゆっくり開けてみる。
中にはホットアイマスク、ハンカチ、手袋が入っていた。
「手袋ないって言ってたからさ」
「よく覚えてましたねそんなこと!うわカッコええ…!」
マッサージ、温熱、コードレス!!
絶対高いやん。
さっきから値段しか見れていない気がするが。
アイマスクはマジで買う予定だったのでめちゃ嬉しい。もちろん他もめちゃくちゃ嬉しい。
センスが良すぎる。
ハンカチは犬が刺繍されていて、手触りもとても滑らかだ。
吸水えぐそう。
手袋もとても暖かいのに蒸れないしゴワゴワせず、見た目もカッコよくてスッキリしている。
「ありがとうございます全部めちゃ嬉しいです!」
「んふ、良かった」
ジンさんは、嬉しそうに優しく笑った。
全員丁寧に箱になおしたあと、またお酒をいただいた。
ジンさんは早速コップを使ってくれた。
すでに日付はまわっていたが、構わず飲んだ。
「コップ可愛いからより美味しく感じるわ」
「そう言って貰えると嬉しいです」
三人楽しく飲む。
おつまみもいただいたりなんかしちゃって。
一晩中のんでいるので流石に酔いがまわってきたのか、全身が火照ってきた。
「シンくんちょっと顔赤いでw」
「ジンさんも赤いっすよ」
「全員赤いですね」
今までで一番じゃないかというほど飲んだ。
高いお酒は優しいから飲み過ぎてしまう。
初めて知った。
誰かが眠るまで、クリスマスパーティーは続いた。
お酒は強い方だと思っていたが、二人の方が強かったらしい。
眠ったのは俺だった。
…と思う。
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