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「ほとけ!さっきの自転車の男を追うぞ!!」


「わかった!!」

急いで来た方向を見るともう、既に白の自転車は幾つか向こうの路地を曲がっているのがわかった。恐らく、あの男は捕まるのを恐れて、路地を使って逃げるつもりらしいがそれは全くもって無駄なはずだ。こちとらここの街の原住民やぞ。

「あっちの道やとモスの裏道や!行くぞ仏!」


「あいよっ!!」

「うおっ!?」

行くぞと声をかけたかと思うと急に仏が上に飛んだ。いや、詳しくは飛んだと言うより、壁を伝い上へ上がったのだ。傍から見たらただの猿やぞ??

「アニキ!僕は上から行くから、アニキは下からお願い!!」

「はぁ〜、わかったわ、、、」

こっちの身としては危険な事はして欲しくないし、怪我なく終わらせたいのだが。まぁ、やっぱり裏社会の人間の気持ちは分からん。蔑む訳じゃないが、やはり苦手なものだ。

「ほとけ!!絶対ミスるんちゃうぞ!!」

「当たり前じゃん!!!」

大きな声で返答をして、ビルからビルを飛び交う仏。そういえば最近パルクールを始めたとか言っていた気がするがそんなことはどうでもいいだろう。今は、兎に角あいつを追わないといけない。

男が曲がった路地を左に曲がり真っ直ぐ行き三つ目の道を右に曲がる。そうすると、白の自転車が乗り捨ててあった。どうやら、道はこちらであっているらしい。

「アニキ!男見つけた!!」

右斜め上から声をかけられ見ると全力疾走する仏が一瞬だけ見えた。恐らく本気で走れば追いつくだろう。よかった、捕まえられる。

仏が指を指した方向に行くと何かに怯えるように逃げる男を発見した。見つけた。自転車の男だ。

そこからは早かった。俺がスピードをあげ男に近づくと仏が空から降ってきて結束バンドで手を縛りあげた。スピードで言うと5秒にも満たなかった筈だ。男は足技でこちらを攻撃しようとしてきたが、仏には無意味。直ぐに右足を逆方向に曲げてしまった。確かに男の足技は一般人が当たれば修復不可能になってしまうがやはり仏には全く、意味がなかった。

「なんや、俺が来た意味なかったやん。」

「いやいや、アニキが居なかったら、僕この男が何処に行くか分からなかったから(笑)」

「ハハッ、流石、特攻隊長、脳筋脳筋www」

「お前らッッ!!俺が何処の誰だと思ってんだッッ!!」

「ねぇ、アニキこの男どうする???すっごいくだらないこと喚いてるけど、、、」

「、、、取り敢えずコイツ連れてさっきの女性達の所行くぞ」

「りょうか〜い」

仏が男を担ぎ、またスルスルと壁を登っていき、上からさっき着いてきた道を戻って行った。俺はと言うと1人寂しく寒い道をトボトボと歩いて元来た道を帰って行った。


少年と女性のところに戻ると最初に話した時とあまり変わらない様子でこちらを見てきた。ひとつ変わった事と言えば少年の方は寝ているところだろうが。今の時間は深夜の2時、少年は小学生ぐらいに見えさすがにこの時間はおネムのようだった。

「ねぇ、お姉さん。こいつがお姉さんのバック取ったやつ??」

「え!?まぁ、えとはい、そう、、ですが、、」

「おい!お前がこいつら呼んだのか!?やっぱ、裏があんのか!」

「違う!!この人達はたまたまあっただけ!!」

「じゃあ、なんでこんな強いんだよ!!」

「だから違うのッッ!!」

「んまぁ、お兄さん、お姉さん落ち着いてくださいな。言い合っては解決しませんよ。」

取り敢えずこの場を落ち着かせるしかない。夫婦喧嘩なんて犬も食わんからな。恐らくこの男は大麻の重度中毒者だ。目が血走っており、匂いは独特の甘いような匂い。こんな男とはまともに話すことが出来なそうだ。

「チッ、、、!」

「えと、は、い、」

「まずは、、、はい、そちらの女性から!!ドゾッ!!」

「仏、、、巫山戯とる暇ないんよ。」

「あえ〜?」

「んで、あんたの言い分は?」

「私は、、、この男に騙されました。」


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とある凡人の問題解決話

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