アビー「これで1人…」
シャル?「成功して良かったね、シャル」
ルカ?「リルにバレたからって思ってたけど成功してよかった…」
ミリーナ「え、え?ルカさんが2人!?」
爆発の煙から出てきたのは本来会場に戻されてるいるはずのシャルロットの姿だった。ミリーナの前にいるルカが指を鳴らしシャルロットがルカに、ルカがシャルロットの姿に変わった。
ルカ「流石俺達だね、全然バレなかった」
ルカ「まぁ、昔の俺の口調がルカに移ったみたいな物だったしやりやすかった」
会場________
ゼナ「はぁぁぁあ!?!?」
ユーリ「分かるわけねぇだろ!!」
ゼナ「いつから!?リルって…もしかしてリルがルカの肩に乗ったとこ!?」
ナターシャ「分かりませんよ…!」
ゼナ「ロイは分かってた?」
ロイ「うーん…リルの行動は気になってたけど…」
ユーリ「あいつら上手すぎだろ…」
______________
アビー「早速1人やったと思ったのに…はぁ、めんどくさい」
アビー「私の属性上位精霊の方でもかなり上の方なのに、ルカ?だっけ?よく耐えたね」
ルカ「うーん…だって俺の方が強いからね?」
アビー「はぁ?」
ニタリと微笑みながらアビーを煽るルカに、アビーは青筋を立てる。
アビーは手に出した火属性でルカを焼く
ルカ「…それだけ?」
避ける事も防御する事もなく火属性を受けてヘラヘラと笑う、アビーはその態度にさらにイラつきが増した。
アビー「…さっさと殺して終わらせる」
ルカ「殺す?殺されるの間違いじゃなくて?」
ルカ「じゃあ期待してるよ、アビーちゃん?」
アビー「殺すっ…!」
ルカとアビーの火属性がぶつかりその場で爆発が起こり煙が広がる。シャルロットはミリーナと向き合い口を開く
シャル「俺達もやります?ミリーナさん」
ミリーナ「は、はい!」
ミリーナ「…では、負けても恨まないでくださいね」
シャル「もちろん」
ミリーナは顔が真剣な表情に変わり、目がギラリと捕食者の目になった。
シャル「俺は捕食されるだけの小動物になる気はありません。」
ミリーナ、の周りに無数の水が球体になり浮く。
ミリーナ「なっ!」
ミリーナ「っ迅雷風烈!」
ミリーナが雷属性をシャルロットに落とすがシャルロットは落とされる前に水属性で身体を包み無効化する。身体に当たらないように貼られた水の膜は雷が感電し完全に横に流された。
シャル「…バンっ」
シャルロットが口に出したと同時に浮かんでいた水が縮み、伸び槍のように飛びミリーナの頬を掠めた。
この技はシャルロットが最近練習したもので、まだ口に出さないと動かせない、それでも口に出せさえすれば威力もコントロールも完璧。
シャル「バンっ」
ミリーナ「うっっ…」
ミリーナはシャルロットの攻撃を避けるが完全には避ける事が出来ず腕や足、顔に切り傷が出き出血が増えていく。
ミリーナ(流され続けたら私が負けるっ)
ミリーナ「迅雷風烈!!!」
ミリーナ(攻撃に魔力を使ってるうちに…全魔力をこの一撃にっ!)
シャル「やば…っ」
ドカンっっ、音を立て落雷がシャルロットに直撃した。ルカは思わずシャルロットの方に視線をやり、叫ぶ
ルカ「シャル!!」
シャル「ひっ、あっぶな…っ」
(もう少し防御が遅れてたら死んでた…
ルカ「シャル!」
シャル「だ、大丈夫!」
魔力が切れ倒れているミリーナが会場に転送されたのを横目で確認し安堵する。
(ミリーナは魔力切れで2対1、押せば勝てる
シャル「ル__」
ルカ「シャルはここにいて、すぐ終わらせるから」
シャル「…え?俺はまだ」
ルカ「大丈夫、俺の実力は1番わかってるよね?」
シャル「…」
ルカ「戻ったら褒めてよ?」
シャル「…分かった。沢山褒めるよ」
シャルロットはルカ達が見える木の下に座り、上で戦っているルカとアビーを眺めながら攻撃を受けた時から取れない身体の痺れを直すことに集中した。
_______________
ルカ「もっと付き合って上げたかったんだけど、俺の恋人の治療しないといけなくなったから早く終わらせるね」
アビー「付き合って上げたかった、ねぇ?まるで私が遊ばれてるみたいに言うね」
ルカ「そうだよ?気づかなかった?」
どかんっっ!!
数十分間ルカとアビーの火属性がぶつかり合い爆発が何度も起きたり台風のような竜巻がアビーを襲ったり…ルカ達の戦っている下の森はもう跡形もなく抉れていた。
突然目の前から風属性の攻撃魔法が飛んできた、咄嗟の事に防御が出来なかったがルカの加護が付いていたおかげで攻撃を受けずに済んだ。
攻撃が飛んできた方を見るとチッ、と舌打ちをする声が聞こえそれが誰なのかすぐに分かった。
シャル「ルーム学園の …」
エディ「初めまして、シャルロット王子、私はルーム学園の代表者エディ・クワルツです。」
デニス「自己紹介とかいいから、さっさと終わらそうぜ」
長い杖を持った男性が一礼し礼儀正しく挨拶をする。
(面倒くさがりが多いいな…
シャル「クワルツさん、初めまして。貴方は、デニスさんですよね?」
デニス「お坊っちゃん育ちはみんなれーぎがいいなぁ?」
デニス「そんなんじゃ戦場で一発で死ぬ、なぁ、そう思うよな?オウジサマ?」
あ
殺される。そう思った時にはもう遅かった。デニスの手は目の前に来ていて防御は間に合いそうになかった…ルカ1人に任せることになるのが悔しくて仕方がなかった。
無意識にその名を呼んだ。
シャル「るかぁ…っ」
「恋人に触るなら許可取ってくれる?」
目の前に来ていた手はなくなりデニスが吹き飛ばされ血を吐く、何が起こったのか分からなかったが声を聞いて、目の前にいるルカを見て助けられたのだと分かった。
ルカ「俺の方は終わったよ、大丈夫?痛い所ない?」
シャル「だい、大丈夫」
ルカ「良かった、もう離れないから安心して」
デニス「げほっ…ははっ!結局は護ってもらうだけのお坊っちゃんだな」
ルカ「別に護られることは悪いことじゃないと思うけど?」
デニス「護られることしか出来ない奴がよく代表者になれたよな、裏でヤリでもしたか?w」
ケラケラと笑うデニスの後ろにある木が折れ、霧が出始める。
今まで見た事の無いような表情をして殺気が溢れ出しているルカにエディは顔を青ざめデニスは少し顔を歪め舌打ちをした。
ルカはシャルロットに背を向け前に踏み出した
ルカ「……そんなに死に急ぎたいならお望み通りにしてやるよ」
ルカ「良かったなぁ、ここじゃ死んでも会場に戻されるだけで、だから手加減せずに済む」
デニス「…手加減、舐めてくれるじゃねぇか!」
ルカ「さっきも似たことを言ったやつに付き合ってやってたけどさ、今もう付き合う余裕ねんだわ」
ピキ
会場_____
『…え?』
会場全体に見えるように映し出されていたスクリーンが異常じゃないほどの霧により妨害された。ザァー、と何も映らなくなったスクリーンに会場がパニックになる、ただかけられた魔法によって声だけは聴こえた。
『皆さん申し訳ありません!こちらのミスによりスクリーンの映像が乱れてしまいました!直ちに治しますので少々の間は声だけでお楽しみください!』
『ルカ、ダメだっ!』
_____________
シャル「ルカ、ダメだっ!」
ルカ「うん、シャルちゃんと分かってるよ」
此方を見ず、殺意を出したまま大量の火属性を剣の形にしてデニスとエディに向ける
デニスは避けようとしたが何故か足が動かなかった、デニスが確認するため目線を足に向けた時にはもうルカの手が降ろされ剣が2人に刺さる_____会場に戻される一瞬デニスが見たのは氷だった、氷など属性には存在しない。筈だ
全種族は火属性、水属性、風属性、雷属性、光属性、闇属性が使え、人間は属性能力に長け。獣人は体術に長け。妖怪は幻術、変化に長け。
氷属性を使える種族など居ないのだ。本来なら
龍人なら、龍しかつかえない属性を扱えるのかもしれない。ただ確認方法がなかった龍人は人間界に一切顔を見せない、もしかしたら見せてはいたのかもしれない
龍人は半分は人であるため人間に擬態することなんて容易い。
『…映像が戻りました!会場に転移され次第順位を発表させていただきます!』
次に目に開けた時は会場の真ん中、森に入るためにくぐったゲートの目の前だった。シャルロットは真っ先に目の前にいたルカの腕を掴み人が居ない場所に移動する。
シャル「…すみません、少し失礼します、進めてくださって構いません」
『?分かりました、それでは___』
ルカ「…シャル」
シャル「…んで」
ルカ「…?」
シャル「なんで…」
ルカ「シャル…泣かないで、俺はこの力がシャルの役に立つなら好きになれるよ」
シャル「その力は、ルカが絶対に使いたくない力だろ」
シャル「おれが…俺が弱いから使わせて…」
ルカ「違う」
ルカ「それは違うよシャル、シャルは強いよ」
ルカ「…確かに俺はこの力が嫌い、大事な人達を殺した力だから」
シャル「…」
シャル「ルカは、ルカは俺と会えて幸せ?本物のシャルロットじゃない上に嫌いな力まで使わせて」
ルカ「愚問、俺はシャル…碧と会えて良かった、碧のおかげでこの力が好きになれるから」
シャル「そっ、か」
ルカ「次の夏はこの氷削って自家製シロップで食べようねー?」
シャル「え?…その氷って食べれるのか!?」
ルカ「うーん、食べれるんじゃないかな?」
ルカ「龍人の番の印としてもう氷属性教えた方がいいかな…」
シャル「龍人は番と自分の子にその龍だけの属性を使えるように出来る、だったよね?」
龍は個体ずつ使える属性が異なる。氷、雪、毒、音
それらを番、自分の子に血を分け与え属性を覚えさせる事が出来る。
ルカ「…あの学園にも龍人いるし、先に俺のって印付けとこうかな 」
シャル「ルカ…?」
ルカ「俺の番に他の龍人の匂いが着くなんて無理、そもそもあの時点で少し着いてるし」
ブツブツと何かを呟くルカに困惑する。ルカがシャルロットの首筋に顔を当て、1呼吸吸うだけで気持ちが悪くなるような毒の匂いに顔を顰める。同じ龍人によるものだとすぐにわかった
ガブッ
シャル「っ、痛…!?」
噛まれた事に驚き1歩下がる、首筋に手を当てるとヒヤ、とした冷たさが手に伝わった。
(な、なんでヤンデレルートの時の顔に!?
ルカ「…ねぇシャル魔道大会が終わったら属性付与させてくれない?」
シャル「え、いいけど…なんで噛んだの?」
ルカ「そろそろ最終戦始まるよ、行こうシャル」
シャル「え、いや首」
ルカ「ん? 」
シャル「ア、イエ、ナンデモアリマセン」
『今年の第三試合は2対2の決闘になります!』
______________
2章 9話 エンド 1⁄11
4500文字超えて満足です。少し分かりにくい説明になってしまい申し訳ありません😭おかしい所を見つけたらすぐに治します
投稿してから大分経って気づきましたが雷と水なら雷の方が強かったです😉なので精霊が上位だと下級精霊はほぼ手出し出来ないってことにしておいて下さい
エイベルVSデニス(Winデニス)
ルカVSアビー(Winルカ)
シャルロットVSミリーナ(Winシャルロット)
ルカ・シャルロットVSデニス・エディ(Winルカ・シャルロット)
カーラ(自主退場)
コメント
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幻さんの文書は、イラストがなくても読むとスッと内容が入ってきて、とてもわかりやすいですよね(ㅅ´∀` )✨