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ゆゆゆゆ
バーベキュー前日。
「……買い出し、付き合って」
それは、ジェーンからだった。
「えっ、あ、はい!!」
ジョン・ドウは一瞬で立ち上がる。
(買い出し!?2人で!?)
頭の中が一気に騒がしくなる。
会社を出て、並んで歩く。
普段の社内とは違う空気。
人通りもあって、少しだけ距離が近い気がする。
(近くない!?いや普通!?)
横を見る。
ジェーンはいつも通り無表情。
でも、どこか少しだけラフな雰囲気。
(私服……じゃないけど……なんか違う……)
「……何」
「えっ」
「見てる」
「すみません!!」
即謝罪。
ジェーンは小さく息をつく。
「別にいいけど」
(いいんだ……)
それだけでちょっと安心する。
スーパーの中。
カートを押すジョンと、隣で食材を選ぶジェーン。
「肉、どれがいい」
「え、あ、はい!」
慌ててパックを見る。
「えっと……この辺りが……」
「理由は」
「脂と赤身のバランスがいいので……焼いたときに——」
途中で気づく。
(語りすぎた!?)
ジェーンは黙って聞いている。
「……なるほど」
短く頷く。
(通った!?)
「じゃあそれ」
「はい!!」
ちょっと嬉しい。
野菜コーナー。
「ピーマンいれる?」
「苦手な人いそうですね……」
「じゃあ少なめ」
淡々と決めていく。
でも。
ちゃんと“みんな”を考えてる。
(優しいな……)
「……何」
「いえ!!」
また見てたのバレた。
途中。
少し重い荷物を持とうとするジェーン。
「持ちます!」
「いい」
「持たせてください!!」
半ば強引に受け取る。
「……無理しなくていい」
「無理してないです!」
むしろ嬉しい。
ジェーンは少しだけ黙る。
「……ありがと」
小さく。
聞き逃しそうなくらい。
「っ……!!」
ジョンの動きが一瞬止まる。
(また言った……)
前より自然に。
前より距離が近い“ありがとう”。
レジを抜けて、外へ。
少しだけ夕方の空気。
「……結構買った」
「ですね」
自然に並んで歩く。
沈黙。
でも、嫌じゃない。
むしろ——落ち着く。
「……ジョン」
「はい」
「明日」
少しだけ間を置いて。
「ちゃんと焼いて」
「はい!!任せてください!!」
勢いよく答える。
ジェーンは少しだけ視線を逸らす。
「……期待してる」
——その一言。
完全に、不意打ち。
「……っ」
言葉が出ない。
(期待されてる……)
ただそれだけで、胸がいっぱいになった。
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