テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#恋愛
ばたっちゅ
20,352
なっつん🐶💚
237
まなこ〜友
189
ハレ_不定期投稿
46
彼から連絡が来ないまま、さらに数日が過ぎた。
私は何度も、LINEを開いた。
彼の名前を見る。
最後にやり取りしたメッセージを読む。
たった数日前まで、普通に話していたはずなのに。
どうして、こんなことになってしまった ん だろう。
私は彼を責めたかったわけじゃない。
奥さんとの話し合いが大切なのも分かっていた。
彼が大変な状況にいることも、分かっていたつもりだった。
ただ、何も分からないことが怖かった。
いつまで待てばいいのか。
彼は今、何を考えているのか。
また会えるのか。
それとも、もう終わってしまったのか。
せめて一言だけでも、何か伝えてほしかった。
「今は連絡できない」
それだけでもよかった。
私は、彼がいない毎日に慣れようとしていた。
でも、仕事終わりに彼と話していた時間を
思い出す。
社員旅行で隣に座っていた彼を思い出す。
寒いと言った私に、上着を貸してくれた彼を
思い出す。
彼の前で、自然に笑えた自分を思い出す。
忘れようとするほど、思い出は鮮明になった。
そして、私は気づいた。
彼がいないことが辛いのは、ただ好きな人に
会えないからだけじゃない。
彼と一緒にいるときの自分が、大好きだったからだ。
人見知りで、自分の気持ちをうまく伝えられなかった私。
誰かと付き合っても、本当の自分を出せなかった私。
そんな私が、初めて心から安心して笑えた。
そのことが、私にとってどれほど大切だったのか。
彼がいなくなってから、初めて分かった。
でも、彼に出会う前の私に戻らなければいけないとしても、出会ったことまで後悔したくなかった。
好きになったことも。
一緒に笑ったことも。
嬉しかったことも。
全部、私の本当の気持ちだったから。
ただ、もう一度だけ願った。
「お願いだから、もう一度だけ、私の前に
現れて…… 」
その願いが届くかどうかなんて、分からなかった。
それでも私は、彼との思い出を抱えながら、
明日を迎えるしかなかった。
コメント
1件
第7話、読み終えました。切ないですね……「彼と一緒にいるときの自分が大好きだった」という気づき、すごく響きました。好きな人がいるから変わっていく自分がいる、でもその変化が自分にとって心地よかった——その感覚、すごくわかります。会えなくなってから初めて気づく自分の気持ちの大きさ。一言だけでも「今は連絡できない」と伝えてほしかった、という台詞にも胸が締めつけられました。出会いを後悔しない、という強さも含めて、主人公がぐっと身近に感じられる回でした。