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### 第1話「最初の花」
※二次創作・ファンタジー設定(花吐き病)
-–
朝。
目を覚ました瞬間から喉に違和感があった。
「……」
乾燥しているだけだと思った。
ベッドから起き上がり、水を飲む。
だが、喉の奥に引っかかるような感覚は消えない。
不快だった。
まるで何かが詰まっているみたいに。
「チッ……」
舌打ちしながら支度を済ませる。
体調が悪いわけじゃない。
練習に支障が出るほどでもない。
だから気にしないことにした。
-–
ブルーロックの練習場。
いつも通りボールを蹴る。
いつも通りゴールを狙う。
それなのに。
「ゴホッ……!」
突然、咳が込み上げた。
喉が焼けるように熱い。
視界が揺れる。
俺は慌てて誰もいない廊下へ向かった。
そして――
「っ……!」
口を押さえる。
手のひらに落ちたのは。
白い花びらだった。
-–
「……は?」
思考が止まる。
何だこれは。
意味が分からない。
花びらを拾い上げる。
本物だった。
作り物じゃない。
夢でもない。
確かに俺の口から出てきた。
「ふざけるな……」
気味が悪い。
こんなことがあってたまるか。
花びらを握り潰し、ゴミ箱へ捨てた。
誰にも知られるわけにはいかない。
-–
その日の練習後。
更衣室で一人になった瞬間だった。
「凛。」
聞き慣れた声。
振り返ると潔がいた。
「何だ。」
「お前今日ちょっと変じゃね?」
「変じゃない。」
即答する。
だが潔は納得していない顔だった。
「顔色悪かったぞ。」
「気のせいだ。」
「本当に?」
しつこい。
俺はため息を吐いた。
「お前には関係ない。」
そう言って立ち去ろうとした時。
胸の奥が妙にざわついた。
理由は分からない。
ただ。
潔の心配そうな顔が妙に引っかかった。
-–
その夜。
ベッドに横になる。
目を閉じても眠れない。
昼間の出来事が頭から離れなかった。
すると。
再び喉に違和感が走る。
「ゴホッ……!」
咳き込む。
口元を押さえる。
そして。
ぱらり。
白い花びらがシーツの上に落ちた。
一枚。
二枚。
三枚。
どんどん増えていく。
-–
「……何なんだよ。」
初めてだった。
サッカー以外のことで。
どうしていいか分からなくなったのは。
静かな部屋の中。
白い花びらだけが増えていく。
その光景を見つめながら。
俺は知らなかった。
この病気が。
これから俺の心を大きく揺さぶることになるなんて。
-–
第2話へ続く
今回凛ちゃんが吐いたのは
白いリナリアです。
花言葉調べてみてね。
コメント
1件
あおいです、読み終えました……!花吐き病×凛、想像以上にしっくりきました。練習後に潔が“変じゃね?”って声をかけるシーン、凛が心配そうな顔を“妙に引っかかった”と感じるこの距離感、すごく丁寧で好きです。喉の違和感から始まって、花びらが増えていく夜の描写も映像が浮かぶようでした。白いリナリア……花言葉、調べます。続きが気になります!