俺の名前は小峠華太
華太「……」
目の前の誘惑に誘われている武闘派の極道だ。
華太「別に…少しくらいならいい…よな。」
リストカット……通称、リスカ。
過去、少しやっていた事はあった。だが姐さんに見つかって辞めさせられてしまったのだ。
少しくらいなら。 そして俺は……それに手を染めた。
シューッ、シューッ…
華太「綺麗…だ」
俺は手首に包帯を巻き、天羽組事務所へ向かった。
風邪薬もカバンにひっそり忍び込ませた。
事務所に着くと、既に青山の兄貴と矢部の兄貴が居た。
青山「ちゃんかぶ!!その……昨日は、本当に…その」
カシラたち、話したんだな……。
俺は少しため息を吐いてから大丈夫だと伝え、仕事に戻った。
昨日みたいに。フワフワする感覚を…求めていた。
だから風邪薬をカバンにひっそり忍び込ませたのだ。
風邪と偽って飲めばいつでもフワフワした感覚になれる。
ゴクッ
華太「っ…ふぅ…」
気持ちいい。ただその感覚だけが俺の脳内を蝕んだ。
俺はタバコを吸いに少し屋上へ向かう。
そしてタバコを吸い終わった後、包帯を解き残った炎を手首の皮膚に押し当てる。
気持ちいい…もっと。もっと…
俺は室内に戻った後、風邪薬を異常なくらい飲み始めた。
ただ、快楽だけを求めて。
そのまま1瓶飲み干して、俺はようやく正気に戻った。
華太「飲みすぎた…買ってこないと。」
そして…夜。俺はベッドの上に寝転がっていた。睡眠薬を大量に摂り、快楽に包まれて眠った。
それから一週間ほど。
俺の手首はとても醜くなっていた。
ドスで抉った傷、炙った傷。根性焼きも、カッターで切った傷も。
手首にも、その外側にも。
手首を一周して、その傷は俺の手首を呑み込んでいた。
華太「……きったねぇなぁ……」
俺は少し包帯をめくり呟く。
机には風邪薬が3瓶、鍵付きの引き出しの中にはカッターも、包丁も入ってる。タバコは常にポケットに入ってるし、引き出しには火を付ける為のライターだってある。
そして風邪薬を大量に飲んだ後、俺は机に突っ伏して少し眠ってしまった。
おっ…俺の名前は速水泰輝!天羽組の舎弟のペーペーヤクザです!
そんな俺はとあるものを見つけてしまいました……!!
小峠の兄貴の腕の包帯…何か滲んでいるんです……!
色を見るに血らしいです… そもそもあんなところに包帯を巻いていたのも知らなかった!
飯豊「速水、お前なにしてんの?」
速水「い、飯豊くん!!しーっ!!」
ほらっ!ほら!と言うように、俺は兄貴の腕を指差しました。
すると飯豊くんも何かに気づいたようで、驚きの表情を浮かべていました。
飯豊「えっと…ほら!カチコミの時に出来た傷…とか!!」
速水「いや…でも最近小峠の兄貴ってカチコミ行ってたっけ……」
そう、兄貴は最近カチコミには行っていない。つまり、カチコミで出来た傷という線は完全に潰えた。
……って…ことは…
速水「~~~~~っ!?」
飯豊くんはまだ察していないようです!
そして俺は飯豊くんに伝えました。小峠の兄貴はきっと…
自傷行為をしてる…と。
そう俺が伝えると飯豊くんはまたまた驚きの表情を浮かべました。
そして誰か兄貴に伝えて傷の手当てをしてもらおうと言う話になりました。
速水「須永の兄貴と小林の兄貴は絶対ダメだと思う!なんかやばいことになる気がする!」
飯豊「野田のカシラも絶対ダメだと思う。あと和中の兄貴は……どうだろ。」
そして話し合った結果、青山の兄貴、香月の兄貴、どちらかならきっと大丈夫だと言う話になりました。今の時間は2人とも道場で稽古をしている時だったので、早速道場へ向かいました!
……To be continued
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