なんかねぇ〜
考えてて黒幕どおしよっかなぁ〜って(笑)
太宰さんの予測を超える人だからさぁ
そんな居ないと思うんだよね((ていうか居ない、ドス君辺りの少人数ww
まぁ進めとけばなんとなく姿を表してくるから(?)大丈夫だよね!?
あと先刻確認したらもう♥100いってた〜
皆ありがと〜!モチベあがる!
あと、もう直ぐフォロワーが200人いきそうなんですよね!
100人達成の時気付かなくて何もできなかったので、今回は何かします!!
リクエストとかしようかなって思うので!
その時はリクエスト沢山ください!おねがいします!
それでは、続きをどうぞ〜!
***
月に照らされ、自身が影となる者達が居た。
その二つの影は、或る大きな建物をビルの屋上から見下ろしていた。
建物は彼方此方から赤、白などの光を放ち、その夜景は正に“ダイヤの光”のようだった。
一つの影が薄っすらと笑みを浮かべる。
黒帽子をかぶった男だった。赭色の髪が、月光によって反射され、金に近い色になる。
青い瞳は、何も無い静かな海のように透明で、月の色とは正反対に浮き立った。
「手前の云う通り一気に畳み掛けるが、構わねェよな?」
男の名は中原中也____重力を操る異能力者であり、双黒の片割れである。
「嗚呼…構わない。できるだけ敵を素早く片付けて、その間に私は敵の情報を掴む」
静かに言葉を発したのは太宰治。中也と同じ双黒のもう一つの片割れであり、異能力者である。
太宰の能力は、触れた凡百異能を無効化する。それ故、太宰は中也のもう一つの『安全装置』に当たるのであった。
太宰の闇を吸い込んだかのような漆黒の瞳は、月光や夜景の輝かしい光などを、一片も入れなかった。
この夜には相応しいものだった。
「それじゃあタイミングは君に任せるよ、相棒」
太宰がそう言葉を放つ。中也は一瞬太宰の方に顔を向け、そしてもう一度前を向いた。
「おう、任せろ相棒」
一歩、中也は太宰より前に出る。
『――汝、陰鬱なる汚濁の許容よ』
中也は地面に落ちるような落ち着いた声で、言葉を発する。
静かに手袋を取り、放り投げる。然しその動作に荒々しさはなく、何方かと云えば美しく儚さを感じた。
『更めて、我目覚ますことなかれ』
赤黒く禍々しいラインが、中也の体を纏う。異能痕が浮き上がった。
帽子は空気中に浮かび上がり、中也が立つ地面は重力に圧縮され、“立った場所以外”が潰れる。
熱気が立ち昇った。
宙に浮かび、流された黒帽子を太宰は掴む。
地面が割れる音が響いた。
中也が勢い良く踏み出したのだ。乾いた笑い声を響かせ、両手に周辺の重力子を圧縮させたブラックホールを作り出す。
凡百質量を飲み込むブラックホール。
二つのブラックホールを合わせ、巨大なブラックホールを完成させた中也は、思いっ切り振りかぶった。
「好きに暴れろ、中也」
其の言葉は届く事なく、ブラックホールに飲み込まれたようだった。
***
叫び声。
銃声。
轟音。
爆発音。
破砕音。
そして、灰色の煙。
表で__光の中に生きる人間は見た事がない光景だった。普通なら悲鳴を上げて此処から逃げ出すだろう。
然し彼等にとっては当たり前の光景だった。只々見慣れた光景。何時もと何も変わらない光景。それだけだ。
凡ての音が籠もって聞こえ、光景は一枚の硝子越しに瞳に映った。
紙をめくる乾いた音が、一室に響く。
敵の本拠地にある部屋だった。其処には様々な情報が記載されている資料が山のようにある。
結局は潰す組織、資料を持ち帰る必要は無い。太宰は敵が何を隠しているのか暴く為に、資料に目を通していた。
リミットは、中也の汚濁形態の限界数秒前まで。太宰は素早く頁をめくる。然し、一文字一文字を丁寧に瞳に移した。
突如、太宰が顔を上げる。然し、直ぐに先程の平然とした表情に戻った。
「____…」
外套の影で、太宰は銃を取り出した。
後ろを向く。冷徹な瞳に、美しさを感じさせる笑みを浮かべながら、太宰は銃を構えた。
「…!!」隠れて太宰を撃ち殺そうと企んだ敵が、其の事が相手にバレたのだと気付く。
何か声を上げた。
然しその前に『ばんっ』という、黒に生きる人間なら誰しもが聞いた事のある、儚い音が、その声を遮った。
「ぐぁっ…!」
銃弾が敵の脳髄を貫く。スローモーションのように、ゆっくりと床に倒れた。
「………」
再び太宰は資料に目を移す。
「……ウイルス?」口から言葉がこぼれた。
其れは敵の研究所で作られていた、或るウイルスについての記載だった。
ウイルスによる致死量を、徐々に敵の研究者__“異能力者”達は上げていった。
【一週間】
其の単語が目に入った。
敵が開発したウイルスは、四日で全身を巡って細胞を破壊していき、二日で脳の細胞を殺し、機能を停止__脳死させる。そして最後は痛みを感じさせる事無く、命を奪う。そしてその後、ウイルスは体内から外部に出る事なく、完全に消滅する。
そう。其のウイルスは一週間で感染した人間を殺すのだ。正に、感染者を殺す為だけのウイルス。
目を疑った。
一週間で人間を殺すウイルス。そんなものが存在するのだから。
「………」
《ばんっ》
一つの銃声が妙に耳に響いた。
その音に惹かれたかのように、太宰はゆっくりと窓の外を見る。
敵の一人が空に向かって銃口を向けていた。そう。男は天に銃を発砲したのだ。
(何故……)
銃を発泡した男が、中也が作り出した重力指弾__ブラックホールによって飲み込まれる。
然し飲み込まれる一瞬、男はニヤッと笑みを浮かべた。
その瞬間、太宰の脳に一つの単語が浮かび上がった。
(合図…!!)
資料を机に放り投げ、太宰は走り出した。
そう。敵が天に発泡したのは合図だったのだ。最後の切り札とも云える、ウイルスを使う合図。
太宰は勢い良く扉を開ける。
「中也っ!!!」酷く焦った太宰の声が、静かな夜に響いた。太宰の外套が床に落ちる。
ウイルスに感染したのが判るのは体の表面に浮き出る模様であった。
「…!!」
太宰は目を疑った。中也の首元に、黒い四葉のクローバーが浮き出ているのだ。不幸そのものを表すような、黒い四葉のクローバーが。
足を早める。
太宰は一刻も疾く、中也に触れる必要があった。
然し中也との距離が縮まる前に、太宰の視界が歪んだ。
「は…」思わず声が漏れる。
刹那、血の味がした。どぷっと口内から気管に入った血が溢れ出す。
太宰の顔色が変わった。そして瞬時に脳が回転する。
(何だ?何が起こった?)
「っ!…ゲホッ…ゲホッ!!」
(真逆…ウイルス?何故私に迄__)
何かに気付いたかのように目を丸くした太宰は、ゆっくりと先程まで居た建物の方を見た。
瞳が微かに揺れ動く。
そう。ウイルスは異能ではなかったのである。
『シュッパイした』
その言葉が、太宰の頭に埋め尽くされた。
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