テラーノベル
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その日は実家に帰省するために車を走らせていた。
「いつぶりだろうか、実家に帰るのは。」
下道から高速へと入る。
「思えば高速に乗るのも久しぶりだな。」
俺は5年前から地方の公務員として役所仕事をしており、友達はいないため、車に乗るのも滅多にはなかった。
正直実家に帰るのは億劫ではあった。
賑やかな場所ではあるが、俺には少々うるさい場所でもある。
だが、そんな賑やかさに助けられていたのも事実である。
そのおかげもあり、今こうして職にありつけていると言っても過言ではない。
慣れない手付きで高速入口に着きカードを取る。
車に滅多に乗らないので当然ETCは付けていない。
ゲートが開き、遠心力を感じながら坂道を登る。
「よかった。うまく合流できそうだ。」
一番危惧していた車線への合流だが、ちょうど車が走っていないタイミングであったので、問題はなかった。
一気に車を加速させ、俺の車は第一車線へと合流した。
久しぶりの高速は恐怖と少しの高揚感があった。
なぜなら、普段は60km/hまでしか出してはいけないところを、70, 80, 90と好きに速度を上げて良いからである。
しっかりとアクセルを踏み込みどんどん加速していく。
「先にBGMでもかけておくんだったな。」
もう100km/hとなる車の中で、BGMをかけようとするのはかなり危険な行為である。
ここから3時間は車を走らせる必要があるため、できればどこかのパーキングで車を停めたい。
俺は高速に乗って早々にパーキングへ停めることにした。
ついでにトイレとお土産の購入も済ませることにした。
左ウィンカーを出し、パーキングへの道へ車線変更する。
そこのパーキングには何台かの車が停まっており、人も何人かいた。
俺は車を停め、まずはトイレに行くことにした。
「どこのトイレも広いな、、」
パーキングエリア特有のトイレの広さを感じつつ、手をズボンに擦り、お土産エリアへと向かう。
あまりバライティは豊富でなかったが、とりあえず無難なクッキーを選んだ。
俺は店員さんはどこでこのアルバイトを知り、どこから出勤していて、時給は良いのか、などの多少の疑問を抱えながら会計を済ませて車に戻った。
「BGMは適当にボカロにしておくか。」
俺は特段好きな曲がない。
ボカロ曲にした理由は、アップテンポの曲が多い印象があったからだ。
高速道路を走るとどうしても退屈になってしまう。
その退屈さを軽減するのに有効なのが元気な曲である。
この曲にノリ続けることで退屈を軽減しようとする魂胆である。
早速てきとうなプレイリストを選び、BGMを流し始めた。
俺はパーキングを出て、颯爽と合流をした。
最初は緊張したが、2度目ということもあり、特に戸惑うこともなかった。
「さて、ここから長くなるぞ。」
俺は徐々に車を加速させ、法定速度を少し超えるぐらいの速度で走行した。
そしてそれは突然の出来事であった。
「うわっ!」
前方からいきなり車が猛スピードで突っ込んできたのである。
俺は咄嗟にハンドルを切り、衝突を免れた。
「高速で逆走はやばいだろ、、危なかった、、」
俺は鼓動を高鳴らせ、少し車のスピードを落としながらスマートフォンで110をかけた。
「〇〇パーキング出口付近で逆走車が走っている。」
警察はすぐに対処すると言って電話を切った。
迅速な対応に感謝しつつ、冷静に車を走らせた。
だが、しばらく車を走らせていると、またもや前方から車が走ってきた。
今度は隣の車線であったため、ハンドルを切ることはなく、そのまま走らせた。
休む暇なく何台も車が通り過ぎていく。
中にはハイビームやクラクションをしてくる車もあった。
「流石に治安悪すぎだろ!」
俺は大きく怒鳴り、心臓を強く動かし車を走らせた。
そこからもずっと逆走車は止まらず、俺は恐怖と少しの高揚感に駆られていた。
なぜなら、これほどまでに逆走車を見ることは、これから先無いことであるからだ。
だが、このまま事故に遭ったら洒落にならないので、俺は急いで高速を降りることにした。
翌日、50台を超える自動車が高速道路逆走で大量検挙されたらしい。
事故に巻き込まれなくて良かった。
家族とテレビを見る1日であった。
コメント
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書いてみたんだね

そのままのお話でした。 逆ミスリードです(?)