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もちぷよ
987
270
きゅー
2,024
彼の大きな身体が、もう二度と離さないと誓うような強さで、僕のことをぎゅっと抱きしめ返してくる。
「じゅう、……愛してる」
囁きと一緒に僕の顎を優しい指先で上を向かせ、ゆっくりと顔を近づけてくる。
恋人として重ねる、静かで優しい口づけ。
一度離れた唇がどちらからともなく再び引き寄せられ、今度は深く、お互いの心が完全に通じ合ったことを確かめ合うように何度も何度も重なった。
呼吸が深く絡み合うなかで、閉ざされたリビングの温度が一気に跳ね上がっていく。
繋がったままの熱い吐息のなか、しゅんの手がもどかしく一枚の薄紙を扱うような慎重さで僕のシャツのボタンへと指先を滑らせていく。
指先が微かに震えているのは、これ以上抑えきれない狂おしい欲望と、僕を絶対に傷つけたくないという強い自制心が彼の内側で激しく鬩ぎ合っている証拠だった。
衣服が床に落ち完全に露わになった僕の身体を、しゅんは泣き出しそうなほど愛おしそうな瞳で見つめた。
「っ……あんまり、見ないで……」
「……なんで? 見せて、じゅう。……じゅうの全部が、ほんまに愛おしくてたまらんのさ……っ」
「……しゅん、……っ」
掠れた僕の声に答える代わりに、しゅんはそっと僕をベッドへと押し倒した。
唇が重なった瞬間、優しく触れるだけだったはずの口づけが、一瞬にして深いものへと変わる。
お互いの舌が絡み合い、お互いの呼吸を奪い合うたびに、身体の芯からじわじわと甘い熱が広がっていった。
一度唇が離れ、しゅんの熱い吐息が至近距離で僕の顔に降り注ぐ。
これから先、彼の手が僕の肌に触れて、もっと深く重なり合うのだと、その確かな予感に心臓が破裂しそうなほど跳ね上がる。
「……あ、は……っ、ねぇ…しゅん……、もっと、」
もどかしさと熱さに耐えかねて、僕のほうが小さく腕を伸ばして強請ると、しゅんはハッと息を呑んで僕の肩を掴んだまま動きを止めた。
その大きな瞳に、切ないほどの葛藤が揺れる。
「っ、ダメや……。じゅう、今日退院したばかりやろ……? ……俺、これ以上はちゃんと我慢するから。な……?」
しゅんはそう言って、荒い呼吸を必死に押し殺しながら、僕を壊さないように、ただじっと抱きしめて堪えようとした。
僕の身体を何よりも最優先に労わろうとしてくれる、彼のその健気な自制心が痛いほど伝わってくる。
……でも、もう嫌だった。
これ以上大好きな人の前で、お互いに我慢なんてしなくていい。
付き合っていない言い訳も、臆病な殻も、すべて壊して心が通じ合った今、胸の奥から溢れ出る”好き”の熱量が僕の理性を完全に追い越していた。
「……我慢、しないで、?」
僕はしゅんの背中に回した手にぎゅっと力を込め、彼を引き寄せるようにして自分から腰を押し付けた。
「しゅんの全部が欲しい……っ。……お願い、最後まで……、しよ…?」
僕から仕掛けた想定外の誘惑に、しゅんは喉の奥で低く息を呑んだ。
ベッドに膝をつき僕を見下ろすしゅんの瞳から、さっきまでの優しい自制の光が静かに消え去っていく。
その代わりに向き剥き出しになったのは、限界まで張り詰め、獣のように据わった熱い”男の目”だった。
「……じゅう、あんま煽んなって言うたやろ……っ、」
「……はやく…っ、」
「…はぁ…… もう我慢できん……っ!」
しゅんは掠れた声で低く呟くと、僕の腰を両手で強く固定した。
「じゅう、力抜いてな……? 痛いこと、絶対せぇへんから、な?」
しゅんは僕の耳元で優しく囁きながら、僕の緊張を解きほぐすように、何度も何度も首筋や鎖骨に甘いキスを落とした。
そして彼の温かい手のひらが僕の太ももを割り、ゆっくりと内側の柔らかな肌をなぞりながら僕の身体の最も奥まった秘密の場所へと辿り着く。
「……ん…、…っ」
指先がそっと僕の最奥へと触れた瞬間、身体が条件反射のようにビクッと強張った。
大学時代のあの夏の夜の恐怖が、一瞬だけ脳裏をかすめる。
しゅんは僕の様子を見て、決して無理に進めようとはしなかった。
「大丈夫、大丈夫やよ、じゅう。俺を見て?」
しゅんは僕の手をきつく握りしめ、どこまでも優しい瞳で僕をじっと見つめ続けた。
彼の指先が僕の身体を傷つけないように、時間をかけてじっくりと丁寧に、内側の硬さをほぐしていく。
熱を帯びた指が一本、二本と増え、僕のなかをゆっくりと掻き回すたびに不思議なほどに恐怖は薄れていった。
身体の奥が徐々に解かされ、自分のものとは思えないほど熱い蜜で満たされていくのが分かった。
しゅんの指がゆっくりと引き抜かれる。
「…あぁ……、ん……っ、」
途張り詰めた密室のなかに、彼の熱く昂ったソレが衣服を介さずに僕の肌へと直接触れ合う。
しゅんはそれを僕の狭い入り口へとそっと押し当て、円を描くようにしてお互いの熱をじっくりと馴染ませていく。
「じゅう……痛くない? しんどかったら、いつでも言うてな……?」
彼は僕の手をもう一度きつく握りしめ、僕の体を気遣うように優しい声をかけて顔を覗き込んでくる。
「ん……、だいじょうぶ……っ、」
僕は逃げずに彼の綺麗な瞳を見つめ返し、大きく深く息を吐き出して、彼を受け入れるために身体の力を完全に抜いた。
しゅんも僕のその合図に合わせるように、深く、長く呼吸を重ねる。
そして彼の熱く昂ったソレの先端が、ゆっくりと僕の狭い入り口を押し広げるようにして中へと侵入してきた。
しゅんは一気に押し進めるようなことはせず、僕の中が彼の質量を少しずつ覚えて受け入れていくのを待つように、1センチ、また1センチと、じわりじわりと慎重に奥へと滑り込ませていく。
身体の芯を内側からゆっくりと押し広げられていく、圧倒的な圧迫感に耐えるように声が漏れてしまう。
「……んっ、…はぁ、」
その痛みに近い感覚に、僕は思わず顔を顰め、しゅんの背中に回した手に思いきり力を込めて爪を立てた。
「じゅう、ごめん……っ、痛いよな……? ほんまにゆっくり行くから、しんどかったらすぐ言ってな……っ」
しゅんは僕の額ににじんだ汗を大きな手のひらで優しく拭い、愛おしそうに僕の目元や髪にそっとキスを落としながら、僕のなかが完全に彼を迎え入れて柔らかく解れるまで、何度も何度も途中で動きを止め、優しく僕を抱きしめて息を合わせてくれた。
すると、あんなに息苦しかったはずの違和感が、彼の身体と完全に重なり合ったという確かな充足感へと、じわじわと変化していった。
そうして気が遠くなるほどの時間をかけて、しゅんの熱く昂ったソレは、僕の狭い入り口をすべて押し広げて、ついにその根元まで僕の最奥へと全部入りきった。
「……はぁ、っ……じゅう、……全部、入った……。大丈夫……?」
しゅんは僕の首元に顔を埋めたまま息を荒く切らし、僕の身体を労わるように抱きしめてくれる。
「……うん、っ……だ……、だいじょうぶ」
身体の芯をこれ以上ないほどの質量で満たされている圧倒的な熱さに、僕はじわりと涙を滲ませながら、彼の背中にしがみついた。
彼の熱いモノが僕の中に入っている。
やっと彼と繋がれた、そう思うと嬉しくてたまらなかった。
次第に僕の内側の粘膜が、彼の熱いソレの形を覚えて馴染んでいくのを感じた。
「じゅうの中……、あったかい……幸せや、」
しゅんはそう呟き、僕の唇に触れるだけの優しいキスをした。
僕は愛おしい彼を見つめ、彼の頬を両手で優しく包むように触れる。
「……しゅん、……もう、動いて……っ?」
僕が耳元でそう告げた瞬間、しゅんはハッと激しく生唾を呑み込んだ。
「っ……、じゅう、!」
狂おしいほどの愛おしさを剥き出しにして、彼はそのまま、一気に僕の最奥を深く突き上げた。
「うぐっ、……っ!」
あまりの衝撃に、目がチカチカする。
思わずしゅんの方へ手を伸ばし、大好きな彼の体温を求めた。
彼は僕の手を優しく握り返してくれた。
求めたらすぐに応えてくれることが嬉しかった。
「しゅん、好き……」
気付くと僕は彼への愛を口にしていた。
それを聞いた彼は、張り詰めていた理性の糸が完全に千切れたかのように、容赦ない力強さで僕の最奥を深く、激しく、何度も突き上げ始めた。
「んあっ、……っ! あ、はぁっ、……しゅんっ、しゅ、ん……っ!!」
鋭い衝撃が身体の芯を貫くたびに、脳内が真っ白に染まっていく。
最初はただの違和感でしかなかったはずの感覚が、彼のソレが激しく擦れ、僕のなかの一番敏感な場所を容赦なく抉るたびに、強烈な、頭がどうにかなりそうなほどの甘い快楽へと完全に化けていく。
病上がりの僕の身体を気遣うように、激しさの中にも、僕を壊さないための彼なりの必死な優しさと温度が常に混ざり合っているのが分かった。
彼が深く突いてくれるたびに、かつて心を縛り付けていた暗いトラウマの記憶が、すべて心地よい快感の熱によって跡形もなく融かされ、綺麗に上書きされていくのが分かった。
もう恐怖なんてどこにもない。
しゅんがその強い質量と溢れんばかりの情熱のすべてで僕を丸ごと支配してくれているから。
愛してくれるから……。
「んぁっ、……ぁっ、そこ、……ダメ、頭おかしくなる……っ!」
「……はっ、ダメやないやろ。…もっと俺を、いっぱい感じて……っ」
「んっ、……はぁん……ダメ、っ」
「はぁ……っ、じゅう、かわいい…」
激しく重なり合う吐息は次第に荒い獣のような呼吸へと変わり、ベッドが激しくきしむ音と、肌と肌が激しくぶつかり合う生々しい音が静かな部屋に鳴り響く。
しゅんは僕を激しく抱きつぶしながら、理性を完全に失くした目で、何度も、何度も、狂ったように僕の最奥を深く、深く突き続けた。
あまりの快感の波に腰が勝手に跳ね、シーツを握りしめる指先がガタガタと震える。
「じゅう、大好きやよ。一生、俺だけのモノやからな……っ、誰にも渡さへん……っ!」
耳元で独占欲を剥き出しにした、しゅんの低く掠れた本音が響く。
その激しい愛がたまらなく愛おしくて、僕は彼から与えられる揺るぎない、暴力的なまでの愛情にすべてを委ね、もっと奥まで欲しいと、彼を締め付けるように本能のままに腰を揺らして応えた。
月明かりに照らされた部屋の中で、僕たちは互いの身体が壊れてしまうほどに何度も熱く、深く想いを確かめ合い、その確かな存在を、生涯消えない愛の証として、互いの心と身体の最奥へと深く、深く、刻み込んでいった。
to be continued…
コメント
6件
お読みいただきありがとうございます! やっとですね😮💨❤️🤍 この物語も残すところあとわずか。 最後までお付き合いいただけると嬉しいです! よろしくお願いいたします!
何時も楽しく拝読させて頂いております。 やっと結ばれましたね^_^ 次のお話しも楽しみです😊