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#シングルマザー
水羽凛
1,182
「追放者の生首」
そう。
これは「楽園の追放者の生首」
訂正しましょう。
かつて楽園の追放者だった者
…………かな?
まぁいいわ。
緋薔薇ちゃん。
本当に何も知らないのね。
可愛い子
緋薔薇
「……夜華。
お前、それ本当の生首なのか?」
夜華
「えぇ、ばっちり生首よ」
緋薔薇ちゃんの顔が
真っ青になってきた。
刺激が強かったかな?
緋薔薇
「おまッ!!
そこまでする必要は…」
夜華
「あるのよ。殺し….切断する必要が。」
楽園の追放者は私達と同じ「人間」なのよ
何故、切断したのか。
そんな顔をしているのね。
夜華
「緋薔薇ちゃん。
私達にはチップを組み込まれたわよね?」
緋薔薇
「あぁ。たしか。
首、左右どちらかの手首、胸
どれかに組まれる。裁定者の配下って名乗る
黒ずくめの女の子に触られた。」
夜華
「正解。偉いわ〜
そう、少しだけ正解、少しだけハズレ」
やっぱり、裁定者は黙ってるのね。
ほんっとうに美しくない。
汚い人………
夜華
「緋薔薇ちゃん。
首の部屋に知り合いは行ったかな?」
緋薔薇
「いや、わかんない」
そう。そうよね___
7年前、私がした時と同じなら
真っ暗な部屋から始まり
目を開けた時には。黒ずくめの女の子がいる。
夜華
「緋薔薇ちゃん。
少し残酷な話をするわ。嫌なら話さない。
どうしよっか?」
緋薔薇
「優しいんだな。夜華……
私はもう見たくない現実を見た
覚悟なら出来てるよ。」
夜華
「…強い子。
とても綺麗な子。」
私は女の子には綺麗なまま散って欲しい
だけど。
緋薔薇ちゃん、この子になら
私は殺して欲しい。
美しくも燃えるような瞳
弱気に見えて、恐らく人に言えない衝動を
抱えているのね
見たら分かるわ。
この子になら話そう
きっと「壊れない」から
夜華
「よく聞いてね。
緋薔薇ちゃんが触られた手首以外に__」
この世界はね
緋薔薇ちゃん。
弱気が排除されて、強気が上に立つ。
剣闘士は。
選ばれて指定された場所に着くと
いつの間にか意識が闇に落ちてるの。
気がつくと
見た事ない会場で目を覚まし
黒ずくめの女の子に誘導される。
誘導してくれた女の子に触られて
チップを埋められる。
右手首。左手首。
胸、心臓の真上。そして後ろ首
右手首、左手首はね
私達みたいに「想い人」になれるの。
だけど_
首にチップを埋められた子は
「楽園の追放者」に改造されるの。
「楽園」これは。恐らく彼女達は
快楽に支配されている状態。
なにも考えてない、常にハイの状態よ。
だってそれ以外に回路が機能してないもの。
だから「楽園」って比喩。
「追放者」これは。「人間」を辞めた者
言わば、裁定者の「傀儡人形」のような扱い
だから「追放者」って比喩 。
それを踏まえて
熟練の剣闘士の子達は。
「楽園の追放者」って呼んでるの。
緋薔薇
「は?は?嘘だ………
嘘付くなよ!!なぁ!!
なんで命を賭して戦う剣闘士の道以外に
改造されて想い人を襲わないといけないんだ」
夜華
「緋薔薇ちゃん。
私は最初に説明したよ?」
「想い人」になれば裁定者「から」は手を出されないけと、「違う危険」も生じるから
「私が守る」って
その危険が、深夜から早朝にかけて
数体、「想い人」の私達に
楽園の追放者が仕向けられる。
夜華
「いい?ここからは私の仮説」
裁定者はチップを埋めた剣闘士を
監視している。
剣闘士は最高裁定者や裁定者の
娯楽として扱われている。
だから毎年決まって18歳の子が現れる。
剣闘士の数や
私みたいな年長者もチップにより管理出来てるからこの世界の「美徳」維持が通じる。
理解したかしら?
緋薔薇
「理解…..したくねぇよ。なんだよ。
なんで、昼とかじゃないんだよ」
夜華
「これも、私の仮説」
楽園の追放者が来るのは
深夜〜早朝
なんでだと思う?
剣闘士達は、だいたい
昼〜夕方にかけて殺し会いを始めるの。
そして、きちんと決着をつける。
でも、
「想い人」は違う
「想い人になれば、3年間はいつでもお互いを
殺し合える。だけど最高裁定者や裁定者から
攻撃や命令もされない。」
だったら………
3年間、安全に過ごせるのでは?
そう考えて、制度を利用する剣闘士が
たくさんいた。
3年間ぬくぬく生活をした後、
ようやく殺し合う。
だけどズルをする剣闘士達が居たから。
「楽園の追放者」が仕組まれた。
これは「お前達が制度を利用して戦いを避けるなら、別の犠牲者を増やすぞ」
っていう脅し。
深夜〜早朝にかけて
「剣闘士に安全な生活」は無いって証明
だって、精神がすり減ればどうなると思う?
どれだけ大切な人でも
どれだけ愛し合っても
追いつづければ………
「想い人」同士でも、殺し合うでしょ?
緋薔薇
「…ひっ」
夜華
「私の仮説って伝えたでしょ?」
私は返り血を拭きながら
「今」伝えれる範囲を説明した。
簡単よ。
最高裁定者達は
「娯楽」に従順なんだから。
醜く壊れたらいい。
きっと。これだ。
裁定者の考えは。
私達はただの玩具(おもちゃ)。
コメント
1件
うわ、今回は情報量がすごかった……! 「楽園の追放者」っていう改造の正体、そして「想い人」制度の裏にあった監視と脅しの仕組み。首のチップと手首のチップで意味が違うっていうのは、確かに伏線っぽくてゾッとした。夜華が「仮説」って繰り返すのも、彼女なりにこの理不尽な世界を理解しようとしてる現れなんだろうな。緋薔薇ちゃんが「理解したくねぇ」って拒否する気持ち、すごく分かるよ……。