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『三章 パラノイド・ノイズ』
【2階 カラオケ】
2階に着くと、食堂よりはマシだが少し傷跡があった。
愛「ここにも誰かいるかな?」
秘「…あそこだけ電気がついてないか?」
愛「…確かに、誰かいる…」
秘「…行ってみよう」
愛「気をつけてよ、罠かもしれないから」
俺たちは恐る恐る部屋を開けた
【カラオケ部屋A】
秘「…」
部屋の中にいたのは、怯えた飯田橋だった
秘「大丈夫か?飯田橋」
飯「…僕は大丈夫。それより由鶴が…」
愛「なんかあったの?」
飯「さっき僕の部屋に猫又さんが来て…由鶴が庇ってくれたんだ…」
飯「それで…由鶴は打たれちゃって…」
秘「…」
飯「なんとか逃げてきたんだ…」
愛「…いくらなんでもやりすぎでしょ。」
秘「だな…」
その時だった。
誰かが部屋に入ってきた
秘「…!忍…!?」
飯「ど、どうしよう…僕のせいで…」
猫「これで…後一人…」
フラフラとしていて、意識が朦朧している
愛「…アンタ大丈夫?」
猫「…………もちろ……ん」
言い終えると忍は倒れてしまった
飯「えっ……死んだ?」
秘「……流石にな」
瑛美が忍の首を触った
愛「死んでる」
飯「え………あ…今すぐ燃やさないと!」
秘「落ち着け飯田橋。別に俺たちが殺したわけじゃない」
飯「で…でも…!とりあいず焼却炉にぶち込もう…!」
愛「嘘だよ。全然息してるし」
飯「よ、よかった…」
秘「びっくりさせるなよ!」
愛「ごめんごめん。…多分疲労で寝ちゃったんだと思う、少し熱も出てるっぽいし」
秘「…なら一旦部屋で寝かせるか?」
愛「それがいいと思う。飯田橋、猫又背負える?」
飯「僕?…行けるかな…」
愛「…無理そうなら私が背負う。秘田は蛇足迎えに行くでしょ?」
秘「あぁ、吾郎を迎えに行ってからそっちに行くよ」
愛「じゃあ私は飯田橋とアンタの部屋に戻る。…充分気をつけて行ってね」
秘「わかった。二人も気をつけろよ」
愛「私は大丈夫、なんかあったら飯田橋が守ってくれるもんね」
飯「がんばるね…出来る限り」
瑛美も随分冗談を言うようになったな…
そう思いながら俺は吾郎を迎えに行った
【食堂】
秘「吾郎…!大丈夫か?」
蛇「本当に迎えにきてくれたんですか…?」
秘「あぁ、足はどうだ?」
蛇「…あまりよくないですね。一応歩けますけど…」
吾郎は無理やり立ち上がり、右足を引き摺りながら歩こうとした
秘「無理に歩かないほうがいい、俺が背負って行くから」
蛇「申し訳ないです…」
秘「いいんだ、気にするな」
俺は吾郎を背負い、自分の部屋まで戻った
そして一晩交代で見張りをしながらその日を過ごした