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道中も二人は終始楽しそうだった。
そんな中で、これまであまり触れていなかった話題を亜佑美が切り出した。
「そういえば、弟くん……大丈夫だったの? 無事お父さんと仲直り出来た?」
それは朝陽の弟のことで、あの日一晩泊めた朝陽は翌日共に実家へ出向き、父親と弟を仲直りさせたのだと言う。
「まあ、いつものことなんですよ。親父は基本放任主義ではあるんですけど、弟は反抗期なのか全然話を聞かないらしくて。しかも、結構遊び歩いているのでそれを咎めたら弟がキレて……。だから弟が悪いんですけどね、一度言い合いになったら俺が間に入らないと終わらないので……困ってるんですよ、本当に」
朝陽の弟なら聞き分けが良くて優等生のイメージだが、話を聞く限り結構やんちゃな性格なんだなと亜佑美は思っていた。
「朝陽くんの弟くんってそんな感じなんだね。何か意外だな」
「俺だって昔は親父に反抗したこともありますよ?」
「えぇー? 想像出来ないなぁ」
「よく言われます。けどまあ、高校生くらいだとやっぱり親のことを鬱陶しく思うんですよね。心配してくれてるのは分かってるんですけど」
「まあ、確かにね。私もそのくらいの頃はよくお母さんと言い合いしてたかも」
「ですよね」
年相応ということなのだろうと亜佑美は納得しつつも、朝陽の弟にすっかり興味津々だった。
「ねぇ、弟くんの写真とかないの? 見てみたいな。似てる?」
「写真は無いですね。弟、写真撮るの嫌いなんですよ。似てるかって言われると似てるかも? けど、俺は母さん似で弟は親父似なのであまり似てないかもしれないです。あ、そういえば、弟に亜佑美さんのこと話したんですよ」
「え!?」
「その、この前何処に言ってたんだってしつこく聞かれて、彼女のところに行ってたって言ったら流石の弟も悪かったと思ったみたいで……」
「そ、そうなんだね」
まさか弟に彼女として紹介されていたとは思わなかった亜佑美は少し照れくさくなったものの、家族に紹介してくれたことが嬉しかった。
「それで……今度弟が亜佑美さんに会ってみたいって言ってるんですよね……」
「え!? 会いたい! 是非!」
一度会ってみたいという思いから亜佑美が即答すると朝陽は、
「……なんか、亜佑美さん、嬉しそうですね……」
どこか面白くなさそうな表情を浮かべていた。
「え? そんなことはないけど……朝陽くんの弟くんだし、会えたら嬉しいなって……思ったんだけど……もしかして、嫌だった?」
「……そうじゃないですけど……なんていうか弟は俺と違って異性にも慣れてるんで、亜佑美さんが弟に惚れないか不安で……」
どうやらヤキモチを妬いているようなのだが、本人にはその自覚がないらしい。
そんな朝陽を目の当たりにした亜佑美は、
「大丈夫だよ、私は朝陽くん一筋だから。それに弟くん、高校生でしょ? 歳も私とはほぼひと回り違うし、好きになるなんて有り得ないよ」
どうにか安心してもらいたくて言葉を選びながら伝えていく。
「……すみません、弟に嫉妬とかみっともないですよね……」
「そんなことないよ。でもね、朝陽くんにはもっと自信を持って欲しいの」
「え?」
「朝陽くんは誰よりも格好良いし、私にとって王子様のような人だし、朝陽くんが思ってる以上に、私は朝陽くんのことが好きなんだよ? だからね、そんなに不安にならないで欲しいな」
「……亜佑美さん……」
ちょうど信号待ちで車が止まり、朝陽は亜佑美の方へ視線を向ける。
「……そんな風に言ってもらえて……俺、嬉しいです! その、運転中で良かったかも」
「え?」
「そうじゃないと、キス、したくなってたから……」
「……っ!」
それだけ言うと、信号が青になったことで朝陽は再び前を向いて車を走らせた。
「…………それなら、運転中じゃない方が良かったな……」
「え!?」
「……だって、私はキス、して欲しかったから……」
「…………そういうこと言うの、狡いです」
「朝陽くんだって狡いよ……」
言いながら亜佑美が朝陽の方を見ると、物凄く顔を赤く染めて動揺している朝陽の姿があり、そんな彼が可愛いなと思って思わず笑みを浮かべていた。
#イケメン
蒼乃 月
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瑠璃マリコ
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コメント
1件
亜佑美が弟の話を聞いて「会いたい!是非!」って即答したところ、朝陽くんが嫉妬しちゃうの可愛すぎたわ。そして「運転中で良かったかも」→「運転中じゃない方が良かったな」の照れ合戦、最高すぎる。二人とも好きが溢れすぎててこっちまで照れる🔥 こんなに真っ直ぐ想い合えるカップル、尊い……続きが気になる!