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シンクロニシティ 完結

















あの出来事があって1週間。

銀時と土方は互いに普通の生活を送っていた。


変わった様で変わらない変化の中で、万事屋銀ちゃんと、真撰組副長土方十四郎として活躍する姿は街の人達からすると二代巨頭で。


二人がいれば街は安泰だと思わせる程の風貌と威厳。ないようであったのだ。















沖田「 土方さァーん。次の任で必要な書類って…、 」


報告書を書く為、自室でいつもの様に胡座を開き座っている土方。そんな土方に声を飛ばす沖田。反応がない。


沖田「 はァー?そんな格好で居眠り漕いてんですかァ。おーいまよ、 」


土方の肩を軽く叩く沖田。


すると土方はぐらっと身体を倒して横たわってしまう。意識を飛ばしている様で、心なしから表情が歪んでいる。


沖田「 !? 」


沖田は直ぐに隣の部屋の近藤の所へ走り近藤に事を伝える。


駆けつけた近藤は土方の肩を叩いて。


近藤「 おい、おい!!しっかりしろ!!トシ!!!! 」


一向に反応のない土方。沖田は大江戸病院へ119を掛けて。

















神楽「 銀ちゃーーーん。腹減ったアル。 」


銀時「 はぁー?お前さっき1週間分の食料たいらげただろ!!!!!お陰で火の車じゃ大食い娘!! 」


新八「 神楽ちゃんほんともう少し考えて食べて下さいよ…。 」


神楽「 うっせぇ眼鏡。 」


新八「 なんで僕だけぇ!?!? 」



万事屋3人は依頼に向かっていた。


すると、



ピーポーピーポー


と救急車の音が鳴り響く。3人を横切った救急車。

途端に何故か、銀時は悪い予感がした。何かは分からないがとてつもなく悪い予感が。


神楽「 銀ちゃん…、救急車んなか、トシが乗ってたアル、 」


銀時・新八「 !? 」


新八「 土方さんが!?!? 」


銀時は青冷めた表情を浮かべて。

新八と神楽に視線を向ければ、追いかけたい、と言う気持ちを抑え。


新八「 行ってください。銀さん。 」


銀時「 ! 」


神楽「 そうネ。大事な人がいつどうなるかなんてほんとに分からないネ。 」


新八「 依頼なら任せてください。もう昔とは違うんです。僕らでなんとかするので、早く!! 」


銀時「 すまねぇ。ありがとう。 」







駆け出した銀時は救急車を追う様に病院内へ。






土方と共に救急車に乗ったのは発見した沖田と、近藤。


病室に寝かされた土方は、疲労とストレスで倒れた様だ。


近藤「 …そういや、最近ずっと仕事詰めだったもんなぁ…。 」


沖田「 ……。 」


近藤「 1週間ほど前から、万事屋の話を聞かなくなったのは勝手な憶測は出来だがその所為なのかと思っていたんだが。 」


沖田「 …万事屋んとこの…チャイナから少し耳に入れた話なんですが、 」


銀時「 当たりだよ。俺の所為だ。 」



病室で土方を見下ろす様に立っていた沖田と近藤。ドアの前に立ちゆるりと病室に入ると扉を閉める様に。



近藤「 万事屋…。 」


銀時「 まず、すまねぇ。俺が奴の心を掻き乱した。責任感の強い奴の決心を俺が折っちまった。 」


柄にも無く頭を下げる銀時の表情は曇ってよく見えなかった。

それを黙って眺めていた近藤は口を開いた。


近藤「 お前らの間に何があったかは知らねぇが、お前もトシもよく似てる。互いに考えあった中で、結果だけがズレちまったんだろう。 」


近藤「 俺はな、トシにも総悟にも幸せになって欲しいんだよ。その中でどんな結末になったとしても俺はお前らの背中を見送ってやるのが責務なんだよ。 」


威厳のある大きさを感じる様な風格の近藤。銀時は顔を上げれば土方に近付いて。


沖田「 旦那ァ、土方さんは、 」



土方「 総悟、いい、自分で言う。 」



目を覚ました土方はゆっくりと起き上がって、近藤と沖田に目をやって。

何かを察した近藤は、


近藤「 総悟、出るぞ。 」


沖田は無言で頷き近藤と二人で病室を後に。









無言で土方がいるベットの横に佇めば、土方が口を開く。


土方「 万事屋、ここまでにならねぇと俺は決心を変えられない頑固者だったのかもしれねぇ。 」


土方「 お前の未来を奪いたくねぇよ。 」


銀時「 もういい、好きなんだよ。そんな事関係ないくらいおめぇを好いてんだよ。 」


土方を強く抱きしめれば、泣き出しそうな顔をして。


銀時「 俺が、お前の未来にいたいんだよ。俺はジジィになってもお前が隣にいなきゃ嫌なんだよ。そんな馬鹿みてぇな理由でいいから、理由なんていらねぇから、だから、っ…、 」


土方はそんな風に必死に想いを吐く銀時の背中を抱きしめ返して。


土方「 なんて面で言ってんだよ。万事屋。 」


銀時の顔を覗くように眺めれば眉を下げて笑って。


土方「 嗚呼…そうだな、俺も馬鹿みてぇな理由だけで、お前と繋がっていたい。 」


土方は腕を下ろして、しっかりと目を見れば。


土方「 好きだ。万事屋。俺と、一緒になって欲しい。 」


銀時は眉を顰めて頬を緩ませた。ふわりと笑ってみせれば、


銀時「 嗚呼、勿論。 」


互いに溜まりに溜まった気持ちを吐き出す様に少し長く抱き締めれば、いつぶりかの口付けを交わして。


土方「 よし。 」


銀時「 ん???? 」


土方は起き上がり崩れた服を着直して立ち上がると外で待つ近藤と沖田に向かって。


土方「 近藤さん、総悟、ちょっと良いか。 」


銀時「 え?え?なに? 」


たじろぐ銀時を他所に二人を呼び、自分の上着を持ち。

二人が病室に入ってくれば、


土方「 近藤さん。俺はコイツと交際する。 」


銀時「 !?!? 」


銀時「 え?は!?!? 」


近藤「 おう。そうか。良かった!幸せにな!!! 」


銀時「 え?なに?飲み込み早くない???え? 」


近藤「 なぁに言ってんだ。おめーら何年募らせてた恋幕だよ!! 」


銀時は赤面して下を向けば頭を抱えて。


銀時「 土方くん…なに…なんなのその男前……。 」


沖田「 おーおー、良かったですねェ。旦那ァ。めでたいもんでさァ。 」


沖田は頭を抱える銀時を見てニヤニヤすれば、頭をツンツンして。


土方「 おい、万事屋。まだまだ挨拶回りするとこがあんだろ。行くぞ。 」


銀時「 え、……だーー、わーったよ。 」


土方はふっと笑えば銀時の手を引き、病室を後にした。






















fin .




次回、初夜編です。

シンクロニシティ / 銀土

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