◇◇◇◇◇
冒険者ギルド メヒカール帝国帝都支部。
「わー、すごく混んでるね。あそこが受付みたい。並びに行こっか!」
僕たちが受付で並んでいると、ガラに悪そうなグループに絡まれた。ここに来てテンプレ発動ですか?それって最初の方に起こるイベントのはずなんだけど……。
「おいおい、ちびっこ軍団がいるぜ!どこの坊ちゃん嬢ちゃんだよ。かっこだけはいっちょ前に揃えてよ!」
「なんだ、こいつら。見かけない顔だな。どこから来たんだよ。おい、坊主!お前は帰りな。嬢ちゃんたちは、俺らのパーティで預かってやるからよ。」
「そりゃいいな。いろいろ教えがいがありそうだ。嬢ちゃんたちは責任持って世話してやるぜ!ひひひ!」
なんやねん。この国の冒険者はこんな感じなんか!周りの冒険者も面白そうに見てるし、嫌なところに来たな。。。こいつらは、黒5と6のダブルのパーティやし、無視しとこっか。
「お前ら、うちらに何の用やねん?」
あちゃー、カグヤ様!
「は?誰に向かって言ってる?ちびっこ!」
「お前ら以外におらんやろ。ドアホ!」
「あ!すいません!今日はダンジョンの登録に来まして、終わったらすぐに帰りますんで、勘弁してください。」
「ユメ!あのな、こういうやつらは、下手に出たらつけあがるだけや。まあ、躾ってやつや。」
「はあ!?誰が誰を躾するんじゃ!こら!調子に乗るなよ。ガキが!まずはお前に体で教えてやるよ!」
「お前、うるさい。そんな大きい声で言わんでも聞こえてるさかいに。」
「もう勘弁ならねえ!」
ガラ悪パーティの1人が、いきなりカグヤ様に殴りかかるが、余裕で避ける。その勢いでガラ悪はこける。カッコ悪い。
「やめとき!お前じゃ、うちには触れることはできん。」
確かに、僕たちは素早さが一番強化されてる軍団やもんね。ここにいる冒険者じゃ、そうなるわな。
この言葉にカチンときたのか、今度はガラ悪パーティ総力でカグヤ様を殴りにかかる。
全部、余裕で避ける。ずっと避けてる。
さすがです。こちらからは手を出してない。
「あのー、たぶん当たらないと思いますよ。」
「はぁ、はぁ、お前ら、何者なんだよ!」
「名乗るほどのものでもないです。」
「せやな。これくらいでええか!」
ガラ悪パーティは、立場がないのか、捨て台詞を吐いてギルドから出て行った。
良かったー!揉め事にならなくて。
テンプレ回避!モブすぎて名前も出てこないよ。
周りもざわついてるけど、それ以降、ちょっかい出してこなくなった。こういうとき、ギルド関係者も放置なんやね?
順番が来て、受付の人が対応してくれた。
「いらっしゃいませ。あのパーティ、ダブルなんですけど、よく揉め事起こすんですよ。すごかったですね!目立ってましたよ。
あ!ここで受付してますカルメンです。こちらの支部は初めてですよね。今日はどういった用件ですか?」
カルメンさん、めっちゃ元気。声が大きくて周りに聞こえてるけど、大丈夫?
「はい、今日はトニナダンジョンの登録に来ました。」
目立っちゃったけど、スルー。
「へー、お若いのにもうトニナですか!すごいです!で、ダンジョンは初めてですか?」
「いえ、皇国のノザトダンジョンに行ったので、2箇所目です!」
「やっぱり!
でしたら、簡単に説明しますね!トニナダンジョンは、地下20階層になっています。低級層と上級層です。10階と20階は、ボスが出現します。ただ、ここのダンジョンは広いので注意してください。入場料は10000Gです。期限は1ヶ月。この辺りは他のダンジョンと同じです。
他に何か質問ございますか?端折り過ぎました?大丈夫ですか?」
「あ!大丈夫です。」
「はい、では、全員分の冒険者証をお預かりしますね。」
カチャカチャ!
「あー!なんですか!これは!
全員がカラーズって!!!」
あちゃー!また、目立ってますから!!
大きな声で言わないでー!
「あ!あー!」
今度はなんですか?
「わかりましたよ!黒の軍団ですね?そうですよね?絶対そうです!」
「そうですけど、知ってるんですか?」
「知ってますよ!最近ギルド関係者で話題になってますから。超有名ですよ。しかも、帝王様からの伝言がありますよ。」
「あ!それもう聞きました。さっき、王城に行って来ましたんで。」
「あ!そうですか。取り消されてないんで、おかしいですね。それにしてもランクが『赤』ですか!大陸最強じゃないですかね!」
さらに、周りがざわざわしだしたよ!『赤』に反応してます。カルメンさん、地声が大きいです!
「はい、登録完了しましたよ。冒険者証をお返ししますね。こんな有名人に会えて嬉しいですよ。次からも私のところに来てくださいね!
今日は以上ですか?」
「はい、ありがとうございます。また来ます。」
「来てくださいね。私のところですよ〜!」
はぁ、疲れた。
登録だけやのに1話丸々使ってしもた。
他の支部と全然違う。冒険者の数が多いな。
登録できたし、王城に戻ろっかね!
◇◇◇◇◇
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!