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#同性愛者
337
すんすん
10
かな
16,409
じんしきです。
皇后崎迅むっちゃくちゃ丸くなってます。
口調変です。
それでも良ければどーぞ。
中学二年生の春。
四季には、ずっと好きな人がいた。
幼なじみの、皇后崎。
放課後はいつも一緒に帰って、くだらない話をして、コンビニに寄って。
そんな毎日が、四季は好きだった。
ある日の帰り道。
皇后崎「なあ、四季」
四季「ん?」
皇后崎「俺さ、お前のこと好きかも、」
四季「……え?」
突然の言葉に、四季は足を止めた。
皇后崎「だから、好き」
四季「……それ、どういう……」
皇后崎「どういうって?」
四季「いや……」
皇后崎「好きなもんは好きだろ」
皇后崎はいつものように笑った。
その顔を見ていると、四季も自然と笑ってしまった。
四季「……俺も」
皇后崎「ほんと?」
四季「……うん」
皇后崎「じゃあ両想いだな、」
四季「……そう、だな」
その日は、それだけで幸せだった。
その日の夜。
リビングからテレビの音が聞こえていた。
四季は水を取りに行こうとして、廊下で足を止めた。
テレビでは、同性同士の恋愛についての特集が流れていた。
母「最近はこういうのも普通になってきたのね」
父「まあ、時代なんじゃないか」
母「でも私はちょっと……」
四季は動けなくなった。
母「やっぱり、男同士とか女同士って……気持ち悪いっていうか」
四季「……」
誰も、そこに四季がいることに気づいていない。
テレビの音だけが、やけに大きく聞こえた。
――気持ち悪い。
その言葉が頭の中で何度も響く。
今日、皇后崎に言われた。
好き。
自分も言った。
俺も。
四季「……」
急に、それが怖くなった。
四季は何も言わず、自分の部屋へ戻った。
布団に入っても眠れない。
四季「……俺って、気持ち悪いのかな」
誰にも聞けない言葉が、暗い部屋に落ちた。
翌朝。
皇后崎「四季!、」
校門の前で、皇后崎が少し小さく手を振っている。
四季「……おはよ」
皇后崎「嗚呼、なんか眠そうだな、」
四季「ちょっと寝不足」
皇后崎「昨日何時まで起きてたんだよ」
四季「……忘れた」
皇后崎「なんだそれ」
いつも通りの皇后崎。
何も知らない皇后崎。
それが、少しだけ羨ましかった。
昼休み。
クラスの男子たちがテレビの話をしていた。
男子「昨日のテレビ見た?」
男子「見た見た。男同士とかマジ無理だわ」
男子「俺も。普通に気持ち悪くね?」
笑い声が起こる。
四季は黙って弁当を見つめた。
そのとき。
皇后崎「俺は別にいいと思うけどな、」
男子「え?」
皇后崎「好きならよくね?」
男子「お前そういうの分かんの?」
皇后崎「分かんねぇけど、」
皇后崎「好きな人が男だったら、何が悪ぃの?」
四季「……」
皇后崎は本当に不思議そうな顔をしていた。
その言葉が嬉しかった。
でも同時に、胸が苦しくなった。
どうして皇后崎は、そんなに平気なんだろう。
それから四季は、少しずつ皇后崎を避けるようになった。
一緒に帰らなくなった。
メッセージの返信も遅くなった。
休み時間も、なるべく二人きりにならないようにした。
皇后崎は最初、何も言わなかった。
数日後。
放課後の誰もいない教室で、皇后崎が四季の前に立った。
皇后崎「なあ、四季」
四季「……何?」
皇后崎「俺、なんかした?」
四季「してない」
皇后崎「じゃあ、なんで避けんの?」
四季「……」
皇后崎「最近ずっとだろ、」
四季「……ごめん」
皇后崎「謝ってほしいんじゃねぇ、」
四季「……」
皇后崎「理由教えろよ」
四季は唇を噛んだ。
言いたくなかった。
でも、もう誤魔化せなかった。
四季「……俺たち」
皇后崎「うん」
四季「もう、こういうのやめた方がいいんじゃね?」
皇后崎「……なんで?」
四季「だって……」
四季「男同士だし」
皇后崎「だから?」
四季「……」
皇后崎「男同士からなんだ?」
四季「……気持ち悪いって思われるよ」
皇后崎「誰に?」
四季「みんなに……」
声が震えた。
四季「親にも……」
皇后崎「……」
四季「俺だって、そう思われるの嫌だ、」
四季「昨日、母さんがテレビ見ながら言ってたんだ」
四季「男同士なんて気持ち悪いって……」
皇后崎「……そっか」
四季「だから……」
四季「俺たちも、気持ち悪いのかなって……」
皇后崎「……」
四季「俺、怖いんだよ」
四季「皇后崎まで、俺のせいで変な目で見られるのが嫌なんだ」
皇后崎「……四季」
四季「だから、もう――」
皇后崎「俺は思わない」
四季「……え?」
皇后崎「気持ち悪いなんて思わない」
四季「……」
皇后崎「俺、お前のこと好きだから」
四季「……でも」
皇后崎「それじゃ駄目なのか?」
四季は答えられなかった。
涙が出そうになって、顔を伏せる。
皇后崎は何も言わず、隣に座った。
それから皇后崎は、四季に「大丈夫」と言わなくなった。
四季が不安そうにしているときも、
皇后崎「……怖い?」
四季「……うん」
皇后崎「そっか」
それだけ。
無理に励ましたりしなかった。
ただ隣にいた。
ある日の帰り道。
二人で歩いていると、皇后崎の手が少しだけ四季の手に近づいた。
四季「……」
皇后崎「嫌ならやめる」
四季「……」
四季は少し迷ってから、皇后崎の手を握った。
ほんの一瞬。
すぐに離す。
皇后崎「……これくらいなら?」
四季「……おう、」
皇后崎「じゃあ、今日はこれだけ」
四季「……ふふ」
皇后崎「何笑ってんだよ、」
四季「……なんでもねぇ、」
まだ怖い。
これから先も、きっと怖い。
親に知られるかもしれない。
誰かに否定されるかもしれない。
それでも。
今、自分の隣にいる皇后崎だけは、自分の「好き」を否定しなかった。
四季「……皇后崎」
皇后崎「ん?」
四季「……好き」
皇后崎「知ってる」
四季「……なんでそういう言い方するんだよ、」
皇后崎「俺も好き、」
四季「……うん」
それだけで、今日は少しだけ大丈夫だった。
それからしばらくは、何も変わらなかった。
学校では今まで通り。
二人きりになったときだけ、少しだけ特別。
けれど四季の中には、ずっと引っかかっているものがあった。
ある日の放課後。
教室で、クラスメイトが話していた。
男子「なあ、四季ってさ」
四季「…何?」
男子「皇后崎と仲良すぎじゃね?」
四季「え……」
男子「いつも一緒にいるじゃん」
男子「まさか付き合ってたりしてないよな?(笑」
冗談だった。
みんな笑っていた。
四季も無理やり笑った。
四季「…んなわけねぇじゃん!(笑」
その瞬間、胸の奥がズキッと痛んだ。
本当は違う。
本当は、付き合っている。
でも言えない。
言えるわけがない。
その日の帰り道。
皇后崎「四季、今日なんか変じゃね?」
四季「…そうか?」
皇后崎「嗚呼」
四季「別に」
皇后崎「嘘」
四季「……」
皇后崎「何かあった?」
四季「……皇后崎はさ」
皇后崎「ん?」
四季「俺たちのこと、誰かに知られても平気?」
皇后崎は少し考えた。
皇后崎「……まあ、嫌なこと言われたらムカつくけど」
四季「そうじゃなくて」
皇后崎「?」
四季「俺と付き合ってるって、知られること」
皇后崎「……」
四季「学校中に知られても?」
皇后崎「四季は嫌?」
四季「……嫌だよ」
皇后崎「じゃあ、言わなきゃいいじゃん」
四季「でも……」
皇后崎「俺たちが言わなかったら、誰も知らないだろ」
四季「……そうだけど」
皇后崎「ならいいじゃん」
四季は俯いた。
それが、苦しかった。
皇后崎にとっては、それで終わる話なのだ。
でも四季にとっては違う。
隠している限り、ずっと自分の好きな人を「好きじゃない」と言い続けなければならない。
四季「……俺、疲れた」
皇后崎「え?」
四季「もう、嫌だ」
皇后崎「四季?」
四季「皇后崎といるのは好き」
四季「でも、好きって思うたびに怖くなる」
四季「家でも、学校でも、ずっと……」
四季「俺、どうしたらいいのか分かんねぇ…」
皇后崎は何も言わなかった。
そして少ししてから、四季の隣に座った。
皇后崎「……ごめん」
四季「なんで皇后崎が謝るの」
皇后崎「分かんねぇけど、」
皇后崎「俺、四季がこんなに苦しんでるの知らなかった」
四季「……」
皇后崎「俺は、好きならそれでいいと思ってた」
皇后崎「でも四季は、好きになるだけでも怖かったんだな」
四季の目から涙が落ちた。
皇后崎「……泣くなよ」
四季「皇后崎のせいじゃない」
皇后崎「嗚呼」
四季「……でも、今だけ泣かせて」
皇后崎「……うん」
皇后崎は何も言わなかった。
ただ、四季が泣き止むまで隣にいた。
その日から皇后崎は、少しずつ考え方を変えていった。
「大丈夫」と言うだけじゃなくて。
四季が何を怖がっているのか、一つずつ聞くようになった。
二人はまだ中学生。
何も解決していない。
親に言えるわけでもない。
学校で堂々と恋人だと言えるわけでもない。
それでも。
二人でなら、少しずつ進める気がした。
四季「……皇后崎」
皇后崎「ん?」
四季「高校、一緒になれたらいいな、!(笑」
皇后崎「なろうぜ」
四季「簡単に言うなよ!(笑」
皇后崎「じゃあ一緒に勉強する?」
四季「…する」
皇后崎「約束な」
四季「おう!」
その約束が、この先二人を支えるものになることを。
このときの二人は、まだ知らなかった。
四季が教室に入ると、いつもと少しだけ空気が違っていた。
何人かの男子が、こちらを見ている。
四季「……?」
自分の席に座ると、隣の男子が声をかけてきた。
男子「なあ、四季」
四季「どした?」
男子「お前さ」
男子「皇后崎と付き合ってるって本当?」
四季「……」
心臓が止まったような気がした。
四季「……何それ」
男子「いや、昨日聞いたんだけど」
男子「いつも一緒にいるし、なんかそういう噂になってる」
四季「……」
頭の中が真っ白になる。
四季「そんなわけないじゃん」
自分でも驚くくらい、すぐに言葉が出た。
男子「だよなー」
男子「まあ、皇后崎もそんな感じじゃないしな」
男子「仲良いだけか」
四季「…うん」
男子たちは別の話を始めた。
四季は机の下で、手を強く握った。
苦しかった。
嘘をついたことが苦しかった。
でも、それ以上に。
皇后崎との関係を「そんなわけない」と言ったことが苦しかった。
昼休み。
四季は一人で教室を出た。
誰もいない階段の踊り場に座る。
四季「……最低だな…俺…」
本当は付き合っている。
本当は好きだ。
なのに、聞かれた瞬間に否定した。
怖かった。
もし「そうだ」と言ったら。
もしみんなに知られたら。
もし、皇后崎まで何か言われたら。
四季「……」
目の奥が熱くなった。
そのとき。
皇后崎「四季?」
四季「……!」
顔を上げる。
皇后崎が階段の上からこちらを見ていた。
皇后崎「ここにいたんだな、」
四季「……うん」
皇后崎「昼飯は?」
四季「……食べた」
皇后崎「嘘」
四季「……」
皇后崎「顔見れば分かる」
四季「……ごめん」
皇后崎「また?」
四季「……」
皇后崎は四季の隣に座った。
皇后崎「何かあったのか?」
四季「……」
皇后崎「言いたくなかったら別に言わなくていいけど、」
四季「……今日」
皇后崎「うん」
四季「クラスの人に聞かれた」
皇后崎「何を?」
四季「……俺たち、付き合ってるのかって」
皇后崎「……」
四季「それで……」
四季「違うって言った」
皇后崎「……そっか」
四季「……ごめん」
皇后崎「なんで謝るの?」
四季「だって……」
四季「本当は付き合ってるのに」
皇后崎「うん」
四季「俺、嘘ついた」
皇后崎「別にいいよ」
四季「……え?」
皇后崎「怖かったんだろ?」
四季「……」
皇后崎「なら、仕方ねぇじゃん」
四季「でも……」
皇后崎「俺は怒ってない」
四季「……」
皇后崎「四季が俺とのことを言えないくらい怖いなら、無理に言わせたくない」
四季「…皇后崎…」
皇后崎「ただ」
四季「?」
皇后崎「俺のことまで嫌いになったわけじゃないなら、それでいい」
四季「……そんなわけない」
皇后崎「じゃあいい」
四季「……俺」
四季「皇后崎のこと、好きだよ」
皇后崎「嗚呼」
四季「すごく好き」
皇后崎「知ってる」
四季「……でも怖い」
皇后崎「嗚呼」
四季「ずっと怖い」
皇后崎「……そうか、」
皇后崎は四季の頭に手を置いた。
皇后崎「じゃあ、怖いままでいい」
四季「……」
皇后崎「無理に強くならなくていい」
四季「……うん」
皇后崎「俺は待つから」
四季「……ありがとう」
その日の放課後。
二人はいつもの道を歩いていた。
しばらく無言だった。
すると、皇后崎が突然立ち止まった。
四季「……皇后崎?」
皇后崎「四季」
四季「何?」
皇后崎「俺さ、」
四季「うん」
皇后崎「四季が俺たちのことを隠したいなら、俺はそれでもいい」
四季「……」
皇后崎「でも、四季自身まで否定しないでほしい」
四季「……どういうこと?」
皇后崎「今日みたいに、付き合ってないって言うのは仕方ない」
皇后崎「でも」
皇后崎「自分まで『こんなの間違ってる』って思うな、」
四季「……」
皇后崎「俺は四季が好きだ」
皇后崎「でも四季が男だから好きになったんじゃねぇ」
皇后崎「四季だから好きになった」
四季の目から、涙が落ちた。
四季「……ずるい」
皇后崎「何が?」
四季「そういうこと言われたら……」
四季「もっと好きになるだろ…」
皇后崎「いいじゃん」
四季「……ばか」
皇后崎「四季もな」
四季は泣きながら笑った。
その翌日。
学校では、昨日の噂が少しずつ広がっていた。
「四季と皇后崎って付き合ってるらしい」
「いや、本人は否定したって」
「でも絶対怪しくね?」
そんな声が、少しずつ増えていった。
四季はそれを聞くたびに、胸が苦しくなった。
そして。
教室の後ろから、一人の男子が言った。
男子「もし本当に付き合ってたら、マジで気持ち悪いよな」
四季「……」
その言葉に、身体が固まった。
けれど。
その瞬間。
皇后崎「……お前、それ本人の前で言える?」
教室が静かになった。
男子「……は?」
皇后崎「別に誰が誰を好きでもいいだろ」
男子「いや、でも……」
皇后崎「でも何?」
四季は皇后崎を見つめた。
怖かった。
でも同時に。
少しだけ、嬉しかった。
皇后崎は何も恐れていないわけじゃない。
ただ、自分が大切だと思ったものを守ろうとしている。
そのことが、四季には分かった。
そして四季は初めて思った。
いつか。
いつか自分も。
皇后崎の隣にいることを、怖がらずにいられる日が来るのかもしれない。
まだ、その日は遠い。
それでも。
二人の距離は、少しずつ変わり始めていた。
それから、季節がいくつか過ぎた。
二人は中学三年生になった。
受験の話をすることが増えた。
卒業の話をすることも増えた。
けれど、四季の中にはずっと一つだけ変わらないものがあった。
周りの目が怖い。
誰かに知られるのが怖い。
家でまた何か言われるのが怖い。
それでも、皇后崎のことが好きだった。
ある日の放課後。
二人はいつもの帰り道を歩いていた。
皇后崎「なあ、四季」
四季「ん?」
皇后崎「高校、受かったら何したい?」
四季「……なんだろーな、」
皇后崎「俺はバイトしたい」
四季「中学生なのにもうバイトの話してんの?(笑」
皇后崎「高校生になったらできるだろ」
四季「…そっか」
皇后崎「四季は?」
四季「……皇后崎と、また一緒に帰りたい」
皇后崎「それ今と同じじゃん」
四季「いいじゃん」
皇后崎「まあ、いいけど」
二人で笑った。
少し歩いたところで、四季が立ち止まった。
皇后崎「どうした?」
四季「……皇后崎」
皇后崎「ん?」
四季「俺、前よりは怖くなくなった」
皇后崎「……うん」
四季「まだ怖いけど」
皇后崎「うん」
四季「でも……」
四季は少しだけ息を吸った。
四季「俺、もう自分のことを気持ち悪いとは思わない」
皇后崎「……」
四季「ずっと、そう思ってた」
四季「俺が皇后崎を好きなのは、変なことなんだって」
四季「だから隠さなきゃいけないって」
皇后崎「……うん」
四季「でも、皇后崎がずっと一緒にいてくれたから」
四季「少しだけ、自分のことを許せるようになった」
皇后崎は何も言わなかった。
ただ、四季の頭を軽く撫でた。
皇后崎「よかった」
四季「……それだけ?」
皇后崎「うん」
四季「もっと何か言えよ」
皇后崎「じゃあ」
皇后崎「俺も四季のこと好き」
四季「……それ、いつも言ってる」
皇后崎「じゃあ何がいい?」
四季「……ずっと一緒にいて」
皇后崎「それなら約束する」
四季「……ほんとに?」
皇后崎「うん」
皇后崎「高校も、その先も」
四季「……」
皇后崎「ずっと一緒にいよう」
四季は小さく笑った。
四季「……うん」
そして、卒業の日。
教室には、たくさんの笑い声が響いていた。
友達と写真を撮る人。
先生に泣きながら挨拶する人。
それぞれが、新しい場所へ進もうとしていた。
四季は教室の窓から外を眺めていた。
皇后崎「四季」
四季「ん?」
皇后崎「帰るぞ」
四季「うん」
二人で校門を出る。
中学生として歩く、最後の帰り道。
四季「……なぁ、皇后崎」
皇后崎「何?」
四季「俺たち、これからもこうやって帰れるかな」
皇后崎「帰れるだろ」
四季「高校違ったら?」
皇后崎「会いに行く」
四季「大学は?」
皇后崎「会いに行く」
四季「大人になったら?」
皇后崎「…会いに行く」
四季「ふふ」
皇后崎「何笑ってんだよ、」
四季「なんか、皇后崎らしいなって」
皇后崎「そうか?」
四季「うん」
少しだけ沈黙が続いた。
そして、四季が口を開いた。
四季「……皇后崎」
皇后崎「ん?」
四季「好き」
皇后崎「俺も」
四季「……今まで、何回言ったっけな…」
皇后崎「知らねぇ、(微笑」
四季「俺も分かんねぇ!、(笑」
皇后崎「じゃあ、これからも言えばいいだろ」
四季「…おう!」
四季は笑った。
昔は「好き」と言うだけで怖かった。
誰かに否定されるんじゃないかと思った。
自分の気持ちまで否定しなければいけないような気がしていた。
でも、今は違う。
世界中の人が二人を理解してくれるわけじゃない。
これから先も、傷つくことはきっとある。
それでも。
自分の気持ちまで嫌いになる必要はない。
隣には、ずっと自分を好きだと言ってくれた人がいる。
四季「皇后崎」
皇后崎「ん?」
四季「これからも、よろしくな!」
皇后崎「こちらこそ」
二人は並んで歩いていった。
春の風が、二人の間を通り抜ける。
中学生だった二人の時間は、今日で終わる。
けれど。
二人の「好き」は、終わらない。
誰かに認めてもらうためじゃない。
誰かに許してもらうためでもない。
ただ、自分が大切だと思った人を、大切にする。
それだけでいい。
四季「……皇后崎」
皇后崎「また?」
四季「好き」
皇后崎「知ってる」
四季「……俺も、皇后崎が好き」
皇后崎「俺も四季が好き」
二人は笑った。
そして、新しい季節へ歩き出した。
調子乗って9000文字弱もやってしまった…
長くなってすみません…
私がこの物語で伝えたかったのは、「誰かを好きになる気持ちは、性別だけで決まるものじゃない」ということです。
四季は、自分が男の子を好きになったことで、「自分はおかしいのかな」「気持ち悪いのかな」と悩みました。でも、誰かを好きになることは、悪いことではありません。
もちろん、同性愛についてどう感じるかは人それぞれだと思います。 理解できる人もいれば、そうでない人もいる。 人によって感じ方や考え方が違うのは、当たり前のことです。
だからこそ、自分とは違う誰かの気持ちを 簡単に否定しないことが大切なんじゃないかなと思います。
この物語が、誰かにとって「自分の好きな気持ちを大切にしていいんだ」と思えるきっかけになれば嬉しいです。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
完結。
コメント
13件
おぉ〜👏これは凄い✨️👏
ああ、もう泣いたわ…。四季の「気持ち悪いのかな」って言葉がめっちゃ刺さった。自分を否定しそうになる気持ちと、皇后崎の「好きならよくね?」ってまっすぐな言葉の対比が胸に来る。最後、卒業式の帰り道で「好き」って言い合えるようになった二人、本当に良かった。性別とか関係なく、好きって気持ちを大事にしていいんだって思わせてくれる話だった。皇后崎の「四季だから好きになった」って台詞、ずっと覚えてる。