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「甘い誘惑 -熱と涙のあいだ-」
「……ねぇ、ほんとに嫌なら、ちゃんと止めて。」
若井くんの唇が、耳たぶをなぞるように触れながら囁く。
その声は、もう甘さなんて飛び越えて、熱を帯びていた。
けれど、私は言葉が出せなかった。
身体が火照って、息が浅くなって、何が“嫌”で何が“怖い”のか――よくわからなくなっていた。
「こんなに可愛い顔で泣かれたら……やめるなんて、無理だよ。」
彼の手が、そっと私の脚へと滑る。
スカートの裾に指がかかり、すぐに空気が肌に触れた。
「待っ……て……!」
か細い声が漏れる。
「……やっぱ、怖い?」
彼が動きを止めて、私の顔をじっと見つめた。
指先が、震えているのがわかった。
「……顔、真っ赤にして、涙流して……でも、逃げなかった。」
「ちが……うの……」
「ほんとに……どうしてほしい?」
そう言いながら、彼は私の太ももを優しく撫でる。
くすぐったくて、息が詰まりそうで――でも、それ以上に、どこか奥に熱が走る。
「……こんなこと、したくなかったんだよ、本当は。」
若井くんの声が、少し苦しそうに揺れた。
「でも、……もう、ずっと我慢してて……。
触れたくて、抱きしめたくて……キスだけじゃ足りなくて……」
彼の指先が、敏感なところに触れそうで、触れないところをなぞる。
わざと焦らすようなその仕草に、身体が無意識に震える。
「……ごめん、止まれないかも。」
彼の唇が鎖骨に落ちる。
ゆっくり、丁寧に、舌先でなぞられたとき、思わず息が漏れた。
「……今の、嫌じゃなかったでしょ?」
「…………」
「ねぇ、教えて……」
彼は顔を上げ、私の瞳をじっと覗き込む。
もう、逃げられなかった。
「俺に……全部、触れさせて?」