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リオヌヴィ/モブ目線、露骨な下ネタではないけどブツは出てくる


♩~♫…♩

「ぃらっしゃいませー…」

現在時刻、夜11時。とあるコンビニにて。

軽快な音楽が店内に鳴り響いた。俺にとっちゃその音すら今は鬱陶しいってのに……。

バイトとして、ドリンクの品出しをするために裏へ回っていた俺は倉庫から出て表へ歩みを進める。慣れてしまって眠くはないのだが、どうも人が来なくて孤独だった。バイトリーダーもいないし、同期だっていない。(裏で仮眠を取っている店長ならいるが)少し薄暗い倉庫から明るい店内へ移れば暫し視界がぴかぴかと光る。過労なのか、もしくはそういう物なのか。まあ、この際どうでもいいからとりあえず時給を上げてくれ。

そんなくだらない事を永遠と投げては離しながら、レジへ入る。こんな時間にどんな奴なんだ、と微かに恨み混じりで店内の気配へ目を向ければ、随分見慣れた男だった。

(あ、またあの人か……。あの…美人。)

白く長い髪を揺らし、瞬きをする度に風がたちそうなほど長い睫毛を伏せながら入口付近の棚を見つめている人。白い髪なんて珍しいことには変わりないが、どうもあの人が買うものが衝撃的で、異様に見慣れたように焼き付いているのだ。まあ、あんな顔のレベル街中を歩いていても見つからんがな。平々凡々な顔の俺は静かにため息をついた。

数十秒棚の前で立ち止まっていたかと思えば、決まったのか棚へ手を伸ばし、”小さな箱”を2つ手に取る。そして次は迷う素振りを一切見せず、水と紅茶のペットボトルを1本ずつカゴに入れレジへと歩んでくる。道の途中にあった茶菓子が目に止まったのか、少し足を止め、再度手を伸ばす。かと思いきや瞬時に手を引き、またこちらに向き直った。

「……」

「……」

沈黙。

だが、深夜のコンビニではそれほど珍しいことでも無い。最初は少し腹を立てていたものだったが、慣れてしまえばもうどうでもいいのだ。

ペットボトルのバーコードを読み取り、最後の”小さな箱”へ手を伸ばす。

0.02……XL…。……まあ、お盛んなことで。いや、悪いとは言っていない。他人の”そういう事”に文句を言う資格は俺には無いし、言う気もない。しかし、この清楚という言葉が世界で1番似合うであろうこの美人にそのような印象が浮かばない。というか、あんた一昨日も来てたろ?その時も2箱だったよな?なんだ?どういうことなんだ?一日で1箱も使うか?普通。

………ま、こんな見た目なら迫ってくる女の子が多くても不思議じゃないか。ちらり、と目の前の麗人へ目を向け、勝手に納得する。そういう事にしておく。

見た目が良くて、女の子にもモテる。……全く、この世は非情だよ。神サマってのはいないのかね。

「…お会計、2850円です」

「現金で。」

「っす。」

どこからか取り出した、いかにも高価そうな財布へ手を伸ばし、彼はそう呟く。

「2850円丁度お預かりしまーす…。レシートは」

「必要ない、ありがとう。」

「……ありがとうございましたー」

…帰ったか。

はぁ、と思わず大きなため息が口から漏れた。あの人、なんだか関わりにくいんだよなー。まあ、コンビニでの出会いなんて一瞬のものだからな。気にすることじゃない。

あと数時間で日をまたぐ静かな店内で俺は軽く蹴伸びをした。


某日、午後11時。いつもとは違う、微かに煌めいている店内にBGMが流れる。そう、リア充共が蔓延るあのクリスマスとやらだ。俺は生憎、共に夜を過ごすパートナーなんかいないわけでここに居るんだが。

いつもと同じように品出しを勧め、ひと段落着いたところでレジへ入る。ふと、白い印象的な髪が視界に入る

(お、またあの人……。ん、?…連れか?)

”あの人”、かと思って視線を向ければ、その隣の雰囲気が真逆とも言えよう男が目に入る。……チッ、2人揃って美形かよ。類は友を呼ぶってか?うるせえ、黙ってろ。

いつも以上に苛立っていた俺は憎み口を頭の中でボヤきながらくうを見ていた。

ふいに低いテノールが耳に入る。

「これ、あったか?」

あの美形の黒い方だろう。入口側のレジに入ったからか少し2人の会話が聞こえるようだった。なんだ、そんなゴムの棚の前で何話してやがるんだ。

「ふむ……どうだったか。君が覚えてるのでは?」

「うーん…あったような、なかったような……。」

端麗な顎に手を当てながらそう2人は首を傾げる。なんだよ、またそれの話かよ。てかなんでお前らゴムの数把握してんだよ。ただの友達じゃないのか?

「そうか、まあ私はなくても構わないが」

いや、それはない。

「………ヌヴィレットさん、それはないぜ」

”ヌヴィレットさん”と呼ばれたあの人は不思議そうに顔をかたむけ、疑問を口にした。そりゃそうだろ、当たり前じゃないか。

「む、リオセスリ殿。これ、新しいものだろう。」

「一体なんだこれ。”闇の中で光る”……?っくく、少し馬鹿らしいんじゃないかい?まあ、あんたが良いなら、買おうか。」

「…そうだな。ふふ、少し気になるかもしれない」

それか……。なんだかじっと棚の1部を凝視してたかと思ったらそれかぁ。珍しく腕にカゴをかけた彼は、そのいちだんと目立つパッケージの箱を手に取る。でもなんか…おかしくないか…。その、なんというか。あの二人、距離近くないか?

いや、あんなもんなのかもしれない。数年友人と遊んだことなんてない俺にはもう忘れさった感覚なんだろうな。いや、悲しすぎるだろ。

「ほら、これも買っておいた方がいいんじゃないか」

そう言って、黒髪の彼はいつもの”あれ”を指さす。

「そうかね?私は、別になくてもいいと。」

「いやいや、あんたの為だよ」

この人まだ納得してなかったのか。そうだよ、黒髪の言う通りだ。性欲が強いのか、この人……??そんなイメージ持てないんだが

「……君をよく感じられて私は嬉しいんだがな」

…え??

君?いや、誰?え?黒髪?うそ、えーっ、そういう?そ、そういう事?!いや、えっ……。あーっ、そうなってくるとお前らもかよーーーーっ!!!!!てか黒髪絶倫すぎだろ。いや、それに付き合ってるとなると白髪の方なのかもしれない。

白い彼は箱を2箱手に取り、固まっている黒髪の彼を置いて、ドリンクコーナーまで歩みを進める。が、それは黒髪の彼に腕を掴まれ、遮られた。

後ろから見てるため確証は無いが、あいつ。相当顔赤いな。ちらっと見えた彼の耳が随分赤い。こんな、こんなん俺も恥ずくなってくるだろ。

「…ヌヴィレットさん、いいんだな。そんなこといって」

「ふふ」

「……ッチ」

ずんずんと白髪の手を引いて、彼はレジへ迫ってくる。いや、怖すぎだろ。遠くから見ていたからあまり分からなかったがこいつ、だいぶ体格がいい。なんか、腕に傷入ってないか?いや、腕どころじゃない。全身だなこれ。え、もしかしてヤのつく職業の方?

「…スマホで」

「………」

まだバーコードすら読んでねーよーーー!!!焦りすぎだろ、それだとちょっとこっちも気まずいんだよ。

小さな箱3つだったのが幸いか、数十秒もかからず読み取り終えたので許してくれ。ピッ、とこの謎に緊迫した空気の中で不釣り合いの電子音がなり、会計の終了を告げる。ありがとう、といつもと全く違う微笑みを浮かべた彼に袋を手渡し、彼らは早急に走り去っていった。

…はぁ……どんなテロだよ……。くそ…そうやって非リアの俺を…。

ぐったりと重くなった体を前へ倒して、制服を脱ぐ。はァ…やけ酒でもするか……。

情報が全く整理しきれていない頭でぐーっと自堕落な夜を思い浮かべた。

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