「ああ、わしはもうダメなんだこの【銀時】という存在からは一生掛けても逃げられないんだ」
『おい、辰馬』
坂田は地べたで寝っ転がっている坂本を起こす。
『……』
坂本は起きたが、屍のように動いたり喋ったたりしないそこに坂本はいない様に。
『ようやく俺のもんになるって決めたのか』
坂田は坂本の頭を撫でようとすると、坂本は殴られると思ったのか一瞬ぴくっと体を上がらせた。
『はい、飯』
坂田は坂本の反応を見て、手に持っていたお盆に乗ったご飯を坂本に寄越した。
そして坂本はがっつくように前に出されたご飯を食べ始めた。
『そんな急いで食うなよ。誰も食わねぇんだから、』
坂本は坂田の言葉が聞こえてないのだろうか。
無視し、がっつくようにご飯を平らげる。
ご飯を平らげた坂本を後にし、坂田は坂本のいる部屋から出て行った。
坂本は坂田が居なくなったのを見計らって、鎖を外せないか試してみる。逃げられないと分かってて逃げようとするのは人間の性なのだろうか。鎖をいじくったりしていると運がいいのか、案外すんなりと外れた。坂本はいま、坂田が居ない時をチャンスだと思い、扉を開けようとする。そして、ガチャっと開いたと思えば坂田が扉から出てくる。
『何してんのー?辰馬?』
彼はにこにこしているが目が笑っていない相当怒っているのだろう。扉の前にいた坂本を坂田が思いっきり、蹴る。坂本は思いっきり蹴られたのが内臓に響いたのか吐血する。
息が出来ないのか、坂田がこちらに歩み寄ってくるのに、は,は,はと浅い息をする。
坂田は坂本に手を伸ばし髪を掴む。
『なんで逃げようとすんの?』
またそこへ坂田は坂本の首を絞める。
坂本は、ヒュー,ヒューと喉から音が鳴る。息ができないようだ。
息が出来ないながらも、自分の首から坂田の手を外そうと手を払う。だが、力に負けぐるんと目が上に行くと同時に坂田は己の首から、手をパッと離した。
『気絶しようとしてんじゃねぇよ。』
坂田は坂本の両足に手をかける。また坂本は、体を震わせる。
『ご、ごめんなさいぜよ……』
坂本はこわばりながらも自然に口から言葉がでていた。なぜ自分が悪いのか分かっていないのに謝る。
坂田は自分が着てる服を脱ぐ。なぜ脱ぐのかわかった坂本は体を震わせながら、後退りする。ず、ず、と後退りする虚しい音が部屋に響き渡る。
コメント
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見ながら笑ってる自分を殴りたい(?)