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――――ヴァール達と別れた後、
「カッコつけてヴァールさん達と逆方向に来たはいいものの、行く当てがねぇ…..戻るか」
結局、俺は冒険者ギルドに引き返した。
すると、バドルが受付の奥から顔を出す。
「タカノリ、どうした?」
俺は行く当てもなく歩き出した事を説明した。
「アーハッハ!考えも無しに歩いてたのか」
「はい….(恥ずかしすぎる…)」
「まぁ、戻ってきてくれて丁度よかったぜ」
「….?」
そう言うとバドルは孝典に手を差し出す。
「タカノリ、冒険者証を返してくれ」
「え…まさか俺、冒険者失格…?」
孝典は不安そうな表情でバドルの顔を見つめた。
「ハハハッ、ちげぇよ、E級に昇格だ」
「昇格…?いいんですか?」
「あぁ、今回のミストウォーカーの件では世話になったし、俺なりの罪滅ぼしだ」
「てことは、また試験をしなきゃですね…」
孝典の嫌な記憶が蘇る。
「いや、試験は要らねぇ。ギルマスの特権でな。ちょっとそこで待っててくれ」
バドルは受付に行き、手続きを済ませると戻ってきた。
「ほらよ」
鉄製のプレートにはEと刻まれていた。
「ありがとうございます!」
「これからどうすんだ?」
「まずはスレイブ王国から出てみて、近場を探索しようと思います」
「そうか、冒険者証があれば都市や国の行き来は出来るが、マスティーカ帝国には近づくな」
「マスティーカ…?」
「あぁ、魔族との繋がりがあるとかないとか。とにかくいい噂は聞かねぇ、もし用がある時は十分注意しろよ」
「覚えておきます」
二人はギルドの入口に移動した。
「もう出るのか?」
「はい、二日後にはここを発とうと思います」
「そうか、なら師匠のとこに顔出してくれねぇか?俺はここに付きっきりでいけないからよ」
「わかりました」
「じゃあな、タカノリ」
「はい、ありがとうございました」
バドルは孝典を見送った。
孝典は人混みの中へ消えていき、バドルが建物の中に戻ろうとした時、そこには一人の男が立っていた。
「もうそんな時間か、奥へ来てくれ」
ガチャン…
二人はギルドの奥にある応接室へ入り、向かい合うように腰を下ろす。
「ヴァールに会ったんだって?」
バドルがティーカップに紅茶を注ぐ。
「……貴様に関係ないだろう」
「おいおい、冷たいこと言うなよなハミル。で、久々の弟との再会はどうだったよ?」
ハミルは紅茶を一口飲み、静かにカップを置いた。
「目も当てられないな……S級などと持て囃され、慢心するからネームドごときに遅れを取るんだ」
「厳しぃーね〜」
バドルが苦笑いし、立ち上がり窓の外を眺める。
「で…例の件はどうなった?」
「騎士団の派遣部隊は壊滅、二十人の被害。敵は逃走」
「派遣部隊が壊滅か…」
「あとは各地で人攫いが頻発しているとの報告があった」
「そうか、ギルドの方でも調査を進めてみる」
ガチャン…
ハミルは部屋から出て行った。
バドルは机の上にある写真立てに目を向ける。
「………」
次の瞬間―――
ドンッ!
バドルは机を激しく叩きつけた。
―――翌日
王国内で買い物をしている孝典だった。
「ローザに手土産買っていきたいけど、何がいいかな…」
ローザの年代の好みが分からず、頭を悩ませていた。
すると売り場に花が並んでいるのが目に入る。
「すみません、これいくらですか?」
「80シルバーです」
「じゃあこれを5本ください」
俺は、綺麗だけど力強さを感じる青い花を選んだ。
店員が紙で包んでくれている。
「喜んでくれるといいな」
雑貨屋を出ると、空には茜色が広がっていた。
孝典は宿に荷物を置き、酒場へ向かった。
席に着くと手馴れた様子で注文を始める。
「レッドボアのソーセージとビールで」
厨房からジューっという音と共に香ばしい匂いが漂ってくる。
「おまたせしました!」
注文したソーセージとビールがテーブルに運ばれてきた。
「やっぱこれだよなぁ」
孝典がフォークを刺し口に運ぶ。
すると、店内にいる冒険者たちの話し声が聞こえてきた。
「まただってよ」
「あぁ、神隠しって噂だぜ」
孝典はソーセージを食べながら冒険者たちの方を見ていた。
「(神隠し?)」
「大人子供関係なく行方不明になってるんだとよ」
冒険者たちは、孝典の視線に気付くと口を閉ざした。
「(なんだろう、気になるな)」
気になる話題だったが、料理を食べ進めた。
ゴクっゴクっ…
「ぷはぁっ!ビールは最高だな」
孝典は食事を終え、明日に備え宿で休むことにした。
ベットに横になり、寝付き始めた頃―――
ドーンッ!
外で物が崩れる音がした。
そこには黒のコート姿の二人組が立っている。
「先輩ダメですよ~傷付けたら」
「知るかそんなもん」
孝典が外の激しい物音で目覚めた。
「ふぁ~、なんだ?まだ夜じゃんか」
窓の前に目を擦りながら立つと、下には黒のコート姿の二人組と先程店内にいた冒険者たちがいた。
「あれは、さっきの」
地面に倒れていた冒険者の一人が、立ち上がり剣を抜く。
「てめぇ、いきなり蹴り飛ばしやがって舐めてんのか!」
「やめとけ、今なら見逃してやる」
「ふざけてんのかっ…..」
冒険者が1歩踏み出した。
次の瞬間――
ボトッ…
長身の男が冒険者の首を飛ばした。
「やめとけって言ったろうが」
「なっ…なんなんだお前ら…!」
冒険者二人が振り向き走り出す。
小柄な男が内ポケットからダーツを二本取り出した。
「残りは僕が♪」
軽く投げたように見えた。
そのダーツの速度は凄まじく、気付けば冒険者二人の頭部は弾け飛んでいた。
孝典はその光景を目の当たりにして動けなかった。
「ん………?」
長身の男が窓に目を向けた。
すると、そこに孝典の姿はなかった。
「先輩?」
「いや…なんでもねぇ」
孝典は間一髪の所で身を伏せていた。
「(嘘だろ、殺人?…王国内だぞ……)」
その日は眠りにつくことが出来なかった。
(つづく)
《ステータス》
・三田 孝典 (みた たかのり)
・レベル3
・E級冒険者
・【固有職業:きのこマスター】
・【良質級:霧吹き】
【良質級:ゴム手袋(厚手・ピンク)】
・【ウィンドウ】【マップ:レベル2】
【会話:レベル2】【ガチャシステム】
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最後まで読んで頂きありがとうございました!
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〝バドルとハミルの密談、そしてあの二人組は一体….!〟
次回お楽しみに!
(*・ω・)*_ _)ペコリ
コメント
1件
うわぁ第14話読み終えたよ〜!!🌸😭 タカノリがE級に昇格したの嬉しすぎる!!バドルさん、ギルマスの特権で試験飛ばしてくれたんだね、優しさ感じる〜✨ でもその後の展開がヤバすぎた…黒コートの2人組、マジで危険なやつじゃん?!「やめとけって言ったろうが」からの即首飛ばし、えっマジで??ってなったよ😱💦 タカノリが間一髪で身を伏せたシーン、めっちゃハラハラした…!これは続きが気になりすぎる!! そしてバドルとハミルの密談も気になる…ヴァールさんの兄貴ってこと?!なんか複雑な関係がありそうでドキドキするよ〜 次回めっちゃ楽しみにしてる!!👍💕