テラーノベル
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穏やかな時間が流れたあと。
深澤は岩本の肩にもたれたまま、小さく笑った。
「そういえばさ。」
「ん?」
岩本が顔を向ける。
深澤は少し気まずそうに頭をかいた。
「俺たち。」
「もう何人かにはバレてる。」
岩本は目を丸くした。
「え?」
「翔太が言ってた。」
「何年も前から気付いてたって。」
「……。」
岩本は数秒固まったあと、思わず笑ってしまった。
「俺たち。」
「隠せてると思ってたな。」
「思ってた。」
二人で顔を見合わせて苦笑する。
岩本はふと思い出したように話し始めた。
「実は。」
「この前ラウとめめと飯食った時。」
「ラウに言われた。」
深澤は首を傾げる。
「なんて?」
岩本はラウールの真似をするように少し声色を変えた。
「『岩本くん、ふっかさんのこと好きすぎじゃない?』って。」
「そのあと。」
「『二人、付き合ってたりして。』って。」
「……。」
深澤は思わず額を押さえた。
「ラウ、鋭すぎる。」
「否定したけど。」
岩本は苦笑する。
「めめがなんで知ってるんだって顔晒してたから。」
「もうバレてると思う。」
二人は同時にため息をついた。
そして自然と目が合う。
深澤が静かに言う。
「もう隠すの、やめようか。」
岩本は少しだけ考えたあと、大きく頷いた。
「うん。」
「これ以上。」
「恋人とメンバーの境界を見失いたくない。」
深澤は安心したように笑う。
二人はもう一度手を繋ぐと、ゆっくり立ち上がった。
「阿部たち待たせちゃったな。」
「迎えに行こう。」
___________
病院内のカフェ。
阿部と渡辺は温かい飲み物を前に、静かに話していた。
そこへ。
「お待たせ。」
深澤と岩本が並んで歩いてくる。
二人の表情を見た瞬間、阿部は安心したように微笑んだ。
深澤は照れくさそうに笑う。
「一からやり直すことにした。」
渡辺は満足そうに頷く。
「よかった。」
四人はテーブルを囲んで座る。
岩本はコーヒーを一口飲むと、真剣な表情になった。
「たぶんだけど。」
「もうラウが動いてる。」
阿部が首を傾げる。
「動いてる?」
「きっともう、ふっかと翔太のことを心配して。」
「メンバー全員に相談してると思う。」
渡辺は苦笑する。
「ありえる。」
「ラウだもん。」
深澤も笑った。
「俺らが隠してるつもりでも。」
「たぶん全部見抜いてる。」
岩本は静かに頷く。
「退院したら。」
「すぐ事務所へ行こう。」
三人が岩本を見る。
「九人で。」
「ちゃんと話そう。」
「誰も置いていかない。」
「隠し事もしない。」
「これからどうするか。」
「みんなで決めよう。」
阿部はその言葉に力強く頷いた。
「うん。」
「九人で考えたい。」
渡辺も静かに笑う。
「俺も。」
深澤は三人を見渡し、小さく息を吐いた。
余談
「照、ふっかの事襲わなくて偉いじゃん。」
渡辺のその一言に深澤と岩本は呆れて溜息がでる。
岩本は言い放った。
「俺はめめとは違うから襲いません。
」
阿部にとってはとんだ流れ弾だった。
深澤と渡辺は興味深々に阿部を見つめた。
「お前、もう食われたの?」
阿部は何も答えない。
耳まで赤く染めると、視線を落とし、カップへと逃す。
その反応だけで十分だった。
「……まじか。」
深澤は小さく声を漏らす。
渡辺は笑いを堪えながら口元を押さえた。
阿部はますます俯き、恥ずかしさが頂点に達して何も言い返せなかった。
コメント
1件
みらさんの最新話、読み終わったよ〜!🌸✨ 深澤くんと岩本くん、ついに「隠すのやめよう」って決断したんだね…!もう何年も前から翔太くんにバレてたとか、ラウくんの鋭さにびっくりしたり、二人の関係が少しずつオープンになっていく過程がめっちゃエモかった😭💕 「一からやり直すことにした」って言葉がすごく響いたよ。そして九人で話し合おうって決めたところ、本当にこのグループの絆の深さを感じる…! 余談の阿部くんの反応、可愛すぎて笑ったww 照れ隠しできないタイプなんだね、もう完全に「食われた」のがバレバレで最高だった(笑) 次回も楽しみにしてるね!⋆♡
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kaede🍁
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