テラーノベル
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何日かが経ち、涼ちゃんは撮影に戻ることができた。
久しぶりの現場。
でも、心のどこかで少し緊張している。
控え室に置かれた体重計。
涼ちゃんは、つい乗ってしまう。
数字を見て、少し絶望した顔。
「😩あー……0.3kg太っちゃった〜」
軽くため息をつくその様子に、若井は笑いながら横から言った。
「もう十分細いだろ」
「熱出る時は、しっかり食事取らないとだしね(笑)」
涼ちゃんは数字と若井の言葉を交互に見つめ、
頭の中で小さく葛藤する。
――少し太った、でも体調は大事。
――減らさないと、でも無理はできない。
元貴もその横で、
「熱で止まったこと、無理しないで良かったんだ」と目で伝える。
ゼリーやお茶を口にする日々から、
少しずつ体は回復していた。
でも、心はまだ完全にはついてきていない。
「……分かってる、でも、数字見ると落ち着かないんだよな」
小さな声で、涼ちゃんはつぶやく。
若井は肩をすくめて、
「大丈夫、無理に戻さなくていい。焦る必要ない」
その言葉に、涼ちゃんは微かに肩の力を抜いた。
まだ心のどこかで焦りは残っているけど、
少なくとも今日は、
体も心も少し安心して現場に立てる。
カメラが回る前、三人は軽く笑い合う。
笑顔はぎこちないけど、
前よりずっと自然だった。
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