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朱音と神楽坂の関係が深まり始めた高校時代。彼女は自分の心の中で芽生えた感情をどう扱えばいいのか、悩んでいた。神楽坂はいつもと変わらず優しい。だが、朱音はそれが辛かった。彼に依存しすぎてはいけない、自分の力で立ち上がらなければ、そう思いながらも、神楽坂の存在に心が救われていく自分がいた。
そんなある日、学校で二人が教室にいると、突然、異常な気配が校舎全体を包んだ。
窓の外から異様な黒い影が迫り来る。その姿は、見る者の恐怖心を掻き立てるほど禍々しく、不気味なオーラを漂わせていた。朱音は直感的に、それが「呪詛の王」であると感じ取った。
「…来たのね。」
朱音はその場に立ち上がり、戦闘態勢に入った。しかし、神楽坂は何が起こっているのか理解できず、彼女に向かって叫んだ。
「朱音!何が起こってるんだ!?あの黒い影は一体…」
朱音は一瞬だけ彼に視線を向けるが、冷静さを保ちながら答える。
「これは呪詛の王…危険よ、神楽坂。すぐに逃げて。」
だが、神楽坂は逃げるどころか、朱音の隣に立ち、決意を見せた。
「俺も一緒に戦う。君を一人にはさせない。」
呪詛の王は、まるで全てを飲み込むかのように校舎を包み、周囲の空間そのものが歪み始めた。生徒たちは次々に意識を失い、教室も崩壊し始める。朱音と神楽坂だけが、異様な力に耐え、立っていた。
「神楽坂、本当にここに残るの…?」
朱音は不安そうに問いかけるが、神楽坂は微笑みを浮かべながら言った。
「俺は君を守るためにここにいるんだ。それが、俺のやりたいことだから。」
その瞬間、朱音の中に再び温かい何かが芽生えた。だが、戦いはそれを許してくれるほど甘くはなかった。
呪詛の王はその巨大な影を振りかざし、二人に襲い掛かる。朱音は全力で反撃し、呪力を駆使して防御を固める。しかし、呪詛の王の力は強大で、攻撃を防ぐだけで精一杯だった。
「このままじゃ…勝てない…!」
朱音の呪力が徐々に消耗していく中、神楽坂は何かを決心したかのように、自分の手を握りしめた。
「朱音、俺がやるよ。」
神楽坂の声は、今までとは違う重みがあった。彼は自らの心の奥に秘めた「何か」に呼びかけるようにして、拳を天に掲げた。そして、その瞬間、彼の体から白い光が溢れ出し、朱音は驚愕する。
「神楽坂…まさか、あなた…!」
神楽坂は笑みを浮かべながら、言葉を紡いだ。
「俺も…君と同じ。」
彼の言葉が響き渡る中、神楽坂の力が解放され、呪詛の王の影に向かって強烈な光の一撃が放たれた。その力は、一瞬にして呪詛の王の攻撃を打ち消し、朱音も驚愕するほどの破壊力を持っていた。
「神楽坂…そんな力が…」