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晴れて大学生になった。
妹も一緒だ。
わたしたちは二卵性双生児だが
よく似ていると言われて間違われていた。
わたしたちは
小学2年生のときに転校した。
妹はすぐに友達ができて
いつもたくさんの人に囲まれていた。
わたしはその輪の中に入れてもらっていた。
自分のクラスには馴染めなかったし
絡んでくるのはちょっとクラスで
浮いてる感じの子だった。
明らかに、みんながその浮いてる子を
わたしが引き取ってくれて助かったみたいな
空気を作っていた。
今思えば小学2年にして敏感に感じ取っていた。
わたしが毎朝、ランドセルを教室に置いて
すぐ妹のクラスに行くことを
妹の担任が見ていた。
それを母に伝えたらしく
母からは『自分の教室にいなさい』
と言われた。
すごく悲しかった。
なぜ?休み時間だけ遊びに行っているだけなのに。
ひとりで座っていると
妹と友達が様子を見にきてくれた。
教室のドアの向こうから
ニコッとして手を振ってくれた。
そしてまた仲良く行ってしまった。
学校に母はいないのに
母の言いつけを守って
黙って座っていた。
子どもながらなんとも言えない
寂しい気持ちだった。
中学生になっても
浮いてる子がいつも横にいた。
みんな知らんぷり。
かなりのストレスだったけど
嫌と言えない自分も嫌だった。
心を殺して
早くクラス変えしたいなとか
今日早く終わらないかなとか
そんなことばかり考えていた。
わたしのことを親友といってくる子もいたけど
心の中では
何を勘違いしているのだろうと思いながら
外面だけは良くするのがうまかった。
絶対誰にも気付かれていないと思っていた。
絶対誰も助けてくれないと。
早く大人になりたい。
大人になって
ここから離れて
自分で友達を選びたい。
そう願わずにはいられなかった。
でも中2のときの担任に
結構ストレスになってるでしょ?
内緒だけど、来年のクラス離しておいたからね。
と言われた。
初めて、自分の心の中を
見てくれてた大人がいたんだと思った。
中学生といえばやっぱり
いじめっ子といじめられっ子がいるわけで
わたしと妹は
いつもいじめられっ子の逃げ場だった。
かと言ってドラマのように
いじめられっ子と居ても
自分達がいじめられることはなかった。
なぜなら妹も一緒だったからだろう。
妹はすごく芯があって
興味がないことにはことごとく
無関心だった。
誰にどう思われようと
自分はこう思うからこうする。
ただそれだけだった。
だから逃げ場になっても楽だった。
いじめられっ子がいじめられ終わると
いつのまにか元に戻って
また次のいじめられっ子が来る。
またいじめ終わると元に戻る。
その繰り返しだった。
それでも別によかった。
妹がいれば
わたしは大丈夫だったから。
中学生の頃まで妹とは
ほぼ違う生活をしていた。
クラスも違ったし
付き合う友達も違った。
部活は一緒だったけど種目が違った。
塾のクラスは違ったから
部活が終わってから寝るまでは
会わないこともあった。
だから 妹と仲良くなったのは高校からだ。
高校3年間同じクラスだった。
妹が授業で当てられる日には
こっそり席を交換して
妹のふりをして答えたり
ってのはもちろんした。
大人ってのは
見ているようで何も見ていないのだ。
妹はすごく美人だ。
美人なのに性格が男前すぎて
友達は様付けで崇拝していた。
嫌なことがあっても
自分の中で戦っていて
強いようで儚い子だと思った。
そんな妹がいれば
わたしは無敵でいられた。
妹大好きってオープンにしてたし
双子いいなぁって言われるのが
心底嬉しかった。
ただの姉妹より特別感があって
持つべきものは双子の妹よね!
と口癖のように言いふらしていた。
大学生になっても
双子だ!双子がいる!
ってチヤホヤされては喜んだ。
二卵性だからあまり似てないという子もいた。
もちろん
双子じゃなくて友達なの。
たまたま苗字が一緒なの。
というイタズラもした。
そんな妹との大学生活。
楽しくないわけがない!