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私の名前は、高遠美香子といいます。
高校二年生になったばかりの女の子です。
趣味は読書と音楽鑑賞。特に好きなジャンルはミステリー小説です。
友達からは大人しいとか文学少女なんて言われていますけど……。
ただ単に人付き合いが苦手なだけなのですよね。
あ! あともう一つありました。
それは──。
「お姉ちゃん。今度一緒に買い物行かない?」
学校から帰宅して制服を脱ぎながら妹に声をかけると、リビングのソファーに座っていた妹の真奈が勢いよく振り向いた。
「え!? 本当に!?」
「う、うん」
真奈の顔がぱぁっと明るくなった。
その笑顔を見て、やっぱり可愛いなって思う。
私の家族構成は父と母と妹。それと犬一匹。
母は専業主婦で毎日忙しく働いていたけれど、夜になると必ずわたしのために絵本を読んでくれた。
その日読んだのは『おおかみとおひめさま』という本だったと思う。
まだ文字を覚え始めたばかりの幼かったわたしには理解できなかったけれど、それでも大好きだった。
だから毎晩のように読んでもらったのだ。
母さんはとても優しくていつも笑顔を浮かべていたけど、時々ひどく疲れた顔をしていた。
仕事が大変そうで心配だったから、「無理しないでね」と言うと困ったような顔で笑っていた。
母さんの職場ではお客さんとのトラブルが多かったらしく、それが原因で辞めることになったらしい。
母さんは責任感が強い人だったから仕事を途中で投げ出したことにとても後悔しているようだったが、仕方のないことだと思った。
それからしばらく経って、今度は父さんが会社を辞めてしまった。
理由はよくわからないが、きっと人間関係とかそういうものだと思う。
父さんは優しい人だけど少し気弱なところがある人で、誰かに強く言われただけで簡単に自分の考えを変えてしまいそうな危うさがあった。
だから……、 その日が来るまで、彼らは……待つことにしたのだ。
しかし……、 彼らが待ったのは…………、「明日」ではなかった……。
それは、ただの時間稼ぎに過ぎなかった。
そして……、 やがて……時は満ちた。
そのときが来たとき、二人はようやく動き出すことになるのだが、それがどのような結果をもたらすのかまではわからない。
ただひとつ言えることといえば、このときから二人には何かしらの変化が訪れて、それまでとは違う関係を築いていくということだった。
「さあ、行こうぜ!」
「えぇ! 今日こそは絶対に成功させるわよ!」
「おうとも!」
「えぇ、必ず成功させてみせるわ!」
そう言って、俺達は意気揚々と目的地へと向かった。
そこはとある山奥にある洞窟の中。入り口はかなり狭いが中に入ってしまえば意外に広く感じる場所だ。
「よし、それじゃあさっそく始めるぞ」
「もちろんよ」
俺は手に持っていた松明を高く掲げた。
暗い洞窟の中に赤い炎が広がり、まるで昼間のように明るくなる。
目の前にはゴブリンの死体があった。
その数は二十体以上はあるだろうか……。
俺の背後から足音が聞こえてきた。
振り返るとそこには一人の女性が立っていた。
彼女は銀色に輝く鎧を着ていて、腰まで伸びた銀髪からは尖った耳が見えている。
エルフ族特有の綺麗な顔立ちだが目の下に大きな隈があり、どこか疲れた表情をしていた。
女性は俺を見て嬉しそうに笑っている。
「ケントさん! ありがとうございます!」
女性は大きな声でお礼を言うと深々と頭を下げた。
「えっと……助けたのは偶然だし気にしないで下さい」
「いえ、それでも助かりました。それにしてもさすがですね! こんな短時間でこれだけの数を倒してしまうなんて」
「そ、それほどでもないですよ」
褒められて照れる。
実は今の戦闘でレベルが上がったのだ。