テラーノベル
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『めめ、寝てる?』
ちょうど日付が変わった頃。
こんな時間に珍しい、阿部ちゃんからのメッセージ。
いつもは寝ているけど、今日はドラマを観終わった後でなんとなく起きていた。
『起きてるよ。どうしたの』
『ちょっとお話したいなって思って』
思わずスマホを伏せる。なんて可愛い事を言うんだ、俺の可愛い恋人は。
口を手で覆ってしばらくかみしめた後、スマホを拾って電話をかけた。
『こっちからかけたのに』
「そんなのいいよ。ドラマ、終わったね」
『うん、リアタイしてたんだけど余韻で眠れなくて』
「俺も一緒。お疲れさま、すごく良かった」
『めめに褒められると嬉しいな、ありがと』
それからドラマの感想を話し合い、ビデオ通話に切り替える。
阿部ちゃんは暖色のランプに照らされながらベッドに横になって、最近買ったという淡い色の抱き枕に半分埋もれていた。
「可愛い」
『可愛いよね、これ気に入ってる』
「抱き枕もだけど、阿部ちゃんも」
『っ…もう』
言いながら抱き枕に顔を隠してしまう。
「顔見えないじゃん、見せて」
『やだ、今たぶん真っ赤だもん』
「照れてるの?可愛い」
だって…と口ごもるのでよくよく聞いていると、小さい声で確かにこう言った。
『めめに可愛いって言われるの、嬉しくて』
阿部ちゃんが顔を隠しているのをいい事に思わずにやける。自分の顔を咄嗟に確認したらすごい顔をしていた。
「可愛いなんて、いつも言ってるじゃん」
『そうだけど、慣れない』
「はぁ。抱きしめたい」
『ばか…』
全部全部可愛すぎて、たまらなくなる。
思わず画面に手を伸ばしたらボタンに指が触れ、通話を切ってしまった。
「あっ」
慌ててかけ直すと、画面の向こうにはきょとんとした顔の阿部ちゃん。
さすがに顔を出したようだ。
『大丈夫?』
「うん。電話なの忘れて触ろうとしたら切れちゃった」
『どういうこと』
眉を下げて笑うのがまた可愛くて、気づけばビデオ通話のままのスマホを掴んでベッドから飛び出していた。
『めめ?おーい』
「あ、今から行くから」
『えっ!?朝から仕事じゃないの!?』
「阿部ちゃんが可愛いのが悪い」
『大丈夫じゃないんじゃん!だめ!早く寝て!もう切…』
「だめじゃないの」
こうしてタクシーに飛び乗り、強引に阿部ちゃんの家に押しかけた。
半ば諦めた顔で腕に収まる阿部ちゃんをぎゅうぎゅうに抱きしめて、何度もキスをして、身体に触ろうとしたら
「寝るだけ」
と怒られた。
終
コメント
11件
かわいいかわいい🥹こういう二人を無限に見ていたいです🖤💚😍
ねえーーーかわいいー🤦🏻♀️🖤💚 そしてあな奪早く見ないと!!笑
見てられない🫣💕